母から授かった名前
シンショウ
第1話夢に見た人生
第1話
夢に見た人生
ミウ(19)は教室で本を読んでいる。
時刻は8時を回ったところ、朝礼まで後30分ある。
徐々に生徒が教室の中に入ってくる。
そう、今日は2046年4月1日(火)専門学校の入学式である。
ミウは昔からの夢、ファションデザイナーになる為にこの専門学校にやって来た。
「ピンポーン・パンポーン」朝礼のチャイムが鳴った。
教室に教員が入って来た。
「では、これからホールに行って入学式を行います。順番は自由です。私についてきて下さい」
新入生は約150名。男子60名女子90名である。ミウは前の男性に続いて歩き始めた。
学校内には様々な作品が飾ってあり、様々は設備が管理されている。
「これが、専門学校か・・・」
ミウは思わず言葉をもらした。
「まもなくホールに到着します。扉が開いたら順番に前から座って下さい」
教員がそう言うと、ホールから音楽が聞こえてきた。
「保護者並びに親族の皆様、大変お待たせ致しました。只今より第50回日本美容ファッション専門学校の入学式を開式致します。新入生入場」
アナウンスが終わると、扉が開きスポットライトが眩しくこちらを照らしてきた。
生徒達が動き出しミウも後に続いた。ホールには様々な衣装が展示されていた。
これからミウは2年間、夢に向かってここで勉強する。ミウはワクワクしながら指定された席に座った。
とびっきりの笑顔で辺りを見渡す。しかし、ミウは来賓者席を見つめると少し悲しい顔に変わった。
入学式が終わり、オリエンテーションに入った。
「今日から2年間新入生を担当する小林健吾だ。よろしく」
「よろしくお願い致します。」
教職員達の紹介が始まった。
教職員でも50名いる。
教職員の紹介が終わった。
「では、明日は新入生諸君の自己紹介をしてもらう。この専門学校では代々伝わる自己紹介があり、それをみんなにもやってもらう」
生徒達がざわめいた。
「みんなの名前はご両親の方々が悩んで悩んで決めた名前だと思います。自己紹介はただ自分の名前を言うだけだと思うけど、自分の名前の由来は知ってますか?。明日はお名前と名前の由来、この2つを言ってもらうので、準備して来て下さいね」
女性教員が優しい言葉遣いで説明した。
ミウは家に帰宅し父親に訪ねた。
「パパ、私の名前の由来ってなんなの?」
父親は驚いた顔でミウに問いかけた。
「いきなりどうしたんだ?」
「明日自己紹介するんだけど、その時に由来も話すらしい」
「そうか。」
父親はお内仏に飾ってある、妻の写真を見つめた。
「そろそろ、話す時が来たのかな?」
そう言って、父親はお内仏の前に正座した。
「もう言って良いかな?」
ミウは険しい顔をした。
「そんなに複雑な話なの?」
父親は決心をしてミウを見つめた。
「じゃあ、話すか。」
「え?そんなに難しい話だったら別に大丈夫だよ」
「いや、いつかは話さないといけないって思っていたんだ。今から言う話は全て本当のことだ」
「う、うん。」
「ずっとミウには、お母さんは病気で亡くなったって話していただろ」
「え?違うの?」
父親は妻の写真を手にとった。
「お前のお母さんは、人を殺したんだ。」
「え?うっそ〜、冗談でしょ?」
「いやほんとだ!」
「絶対に嘘!ママが人殺しをするなんてあり得ない!」
父親は悲しい顔をして、ある新聞を見せた
ミウは涙目になりながら、新聞を見た。
第1話終わり
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