一三代目の魔女
あじがお
プロローグ
少女はあるいていた。
3人の仲間と共に、職場であり家でもあるその建物へ。
自分はこの国の為に活躍する存在になりたかった。その為に必死で学び、戦い、優秀な成績を修めた。それはほかの3人も一緒である。だからこそ今、この場に共にあるのだ。
勉学、体術そして魔術。この国における学業成績の重要性は絶大だ。少女は、少女達はその戦いを勝ち抜いて今、この場所にあるのだ。
成績優秀者に贈られるのは名誉ある国を支える職のはずだった。
国の宿敵である魔女を倒し、国を守る。そんな勇者になりたかった。
しかし、自分は今、何をしているのか考える。
今自分がいるのは何処なのだろう。
卒業と同時に贈られ、送られたのは。
「ちょっと、何呆けてんの?」
優しくて危うい仲間たち。
「具合でも悪い?」
差し伸べられるのは柔らかな手。
「ちょっと休もうか?」
暖かな境遇と過酷な運命へ。
少女達は今日も向かう。
「大丈夫。」
あの日の自分が望んだ未来が今だというのならば
「帰ろう。これからは、私達が私達の国を-」
それを受け止め、真っ向から立ち向かってやる。そしていつか、それを打ち砕き、受け入れられた気でいた運命にしたり顔で何か言ってやるのだ。その言葉が何かは、まだ分かり得ないが。
少女は立ち上がり、巨大な我が家を
「私たちの国を、育て上げるんだ。」
魔女たちの住まう城を、見上げる。
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