四之剣 「魔王」
ソラは、ステージの真ん中にある剣の方を慌てて見た。先ほどの敵とは違った気配を感じ取ったようだ。
まさか、魔王。まずい。
ソラは先ほどの敵とは比べものならない気配を感じ取り、かなり焦っていた。ステージにいる強者たちも、魔王のただならぬ気配を感じ、身震いしている。このとてつもない気配は、魔王のものに違いありません。ついに魔王が姿を現すのか。
「じゃあ、抜くわよ。聖剣」
声が聞こえたかと思うと、剣の近くに魔王が突如姿を現しました。先ほどの敵同様、影で地面を移動してきたようです。
魔王は、見たところ、女性に見えます。しかし、女々しさはなく、猛者たちを圧倒するような独特な存在感を出している。これが、長年、魔族たちを率いてきた魔王の存在感。いくつかの修羅場を乗り越えてきているのは確かだ。
魔王は、地面に突き刺さった聖剣を片手で握り始めた。
「待て。抜くな!!」
もちろん、抜くなと言われて、抜くことをやめる魔王ではありません。聖剣を握りしめた片手に力が入る。
「抜かしてなるものか!!」
ステージ上の強者たちが、一斉に魔王を止めようと、全速力で駆け出した。総勢30人の猛者たちが、魔王の止めに入る。まさに大迫力の光景だ。これだけいれば、魔王を止めることができるか。
“闇ー土”
魔王が魔法を使った。魔王に近づく強者たちの足元に影が突然現れる。そして、影の中から棒状のトーテムが出てきて彼らに直撃する。闇属性と土属性の魔力を組み合わせた合体技だ。
影から出たトーテムに直撃し、ほとんどの強者たちが、飛ばされ戦闘不能状態だ。いくつかの予選を上がってきた強者たちのはずですが、魔王の前ではあっさりと負けてしまった。それほど、魔王の実力が圧倒的ということでしょうか。
そして、魔王、余裕の表情で地面にささった剣をついに、ついに引き抜いた!!
「やめろー!!」
ソラは、走りながら魔王に向かって叫びましたが、もはや手遅れ。引き抜いた後です。
剣から、周りを覆い尽くすほどの凄まじい閃光が放たれる。あまりの輝きに、人々は腕で両目を隠している。まぶしい。まぶし過ぎる。これでは、何が起こっているのかさっぱり分かりません。派手な演出だ。
おっと、何も見えないと思っていたら、急に光が次第に消え、周りを見渡せるようになった。さすがに、魔王も空気を読んだか。
「みんな、逃げろ!!はやく、目の前の魔王は、もはや、俺たちじゃあ太刀打ちできない!!」
ソラは険しい顔で周りの人々に叫んだ。ソラ以外の強者たちも、魔王の力が格段に上がったことに気づいているらしく茫然としている。戦意を損失させるほどの実力の差を見せつけられているようだ。
村人たちは、新たな勇者の晴れ晴れしい姿を見にきたのですが、まさか、魔王の晴れ姿を見るとは誰が予想したでしょう。
魔王から放たれる重苦しい魔力に村人の何人かは気を失い倒れ込む。村人は、ことの重大さに気づき、悲鳴をあげ逃げ出した。
しかし、そこへ、飛んできたドラゴンたちが、地面に降り、人たちの行く手を阻む。逃げるに逃げれない状況だ。まさに絶体絶命の大ピンチ。
果たして、この状況をソラたちは切り抜けることができるのでしょうかーー。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます