交響曲 新世界


交響曲 新世界



諦めていた

色なんかとうに失って

灰色の視界のなか

死の回廊、向かう

同じことの繰り返し

だって、そうでしょう?


君に問いかけたら

「そうでもないよ?」

って。


嘘ばかり塗り重ねて

大人になるほど完璧な嘘で

理想と空想を織り交ぜて

もう叶わない、敵わない、願わない

そう言い聞かせて

成長したんだって


君に問いかけたら

「そうでもないよ?」

って。


大人になっても

空は青いし

雲が厚く塞いでも

続く空は青のままだし


「結局、笑う君は眩しいし」

君は当たり前のように

そう歌うから


鼻歌織り交ぜて

そのなかに、たった一滴の希望織り交ぜて


退屈な世界に

一滴の色、水滴、波紋が広がって

歪んでいく当たり前


青い空

暑い陽射し

暑苦しいねと嘲笑う人を尻目に

僕らは走り抜けて



つまり、これは

交響曲 新世界

鼻歌と

青臭い言葉

心臓の鼓動

交わす接吻


なんて素敵なアンサンブル

なんて素敵な魔法

なんて素敵な時間


君に問いかけたら

「素敵だね」

って。


つまり、これは

交響曲新世界

鼻歌と

青臭い言葉

心臓の鼓動

交わす接吻


僕らの音楽は止まらない

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