忘却の王冠


この王冠を

この錫を

このマントを

着飾って

あら、大事なことを忘れていくのね


金と銀、クリスタル

なんて美しくて

惚れ惚れするわって

接吻をするけど

誰もがあなたを

愛してるフリシテル


裸の王様よりも

なんて滑稽で

なんて物悲しい

優しい言葉も

囁く言葉も

オブラートにくるんで

大人の演技で

毒々しく微笑むだけなのに


この王冠を

この錫を

このマントを

着飾って

どこもかしこも重いから


大切なものを

捨てていくのね


空っぽの玉座で

忘却の王冠で

時を貪る錫に酔わされて

なんて甘美で、なんて色のない

夢のない夢ばかり見てる


これからもずっと

君のいない

夢ばかり見ていく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る