1章:このクソみたいな世界に祝福を!
5発:このクソみたいな世界に祝福を!
――――――― 1 ―――――――
――くっさいくっさいヘドロを抜けるとファンタジーであった。
――朝。
色彩豊かな鳥たちは大空を舞い
わずかに見られる可愛らしい家々からは、決して嫌ではない未知の生活環境音が響き、小さく、リズミカルに大地にこだまし
カコン、カラン――
――トコン、コロン…
炊事、洗濯、掃除ほか、鍛冶や
ガコン、ゴトン――
乾いた
――ボゴッ、ボグゥ!
ふいに混じる、不協和音。
精肉工場に吊された解体済みの牛でも
ぎゃっ、ぐわっ――
その
下品な
悲鳴にも似た
招かれざる“違和感”の正体――
――ボグン!ボグッ、ボグムッ!
――無論、
気のせい――
その
化物さながらの
ピンク髪を振り乱し、怒りの表情を浮かべ、腰の入ったボディーブローをおっさんの腹にたらふく叩き込む幼女。
この素晴らしい世界に、似付かわしくない粗暴、粗野な二人の異物、地獄絵図。
「おい、オヤジー!おめぇ~、このありさま、どーしてくれるんデスかー!!!」
「うぼぉぉおおおっ、もう
「ゅゅゅ
高速回転のショートボデォーを、レバーと
「やめて!とめて!」
「どォーーしてくれルルるんデスかァ~~?一度、転生しちまったらぁっ、簡単には戻れねェーんデスよォォォッ!!!
おめぇーがッ、泣くまでっ、殴るのをやめないッ、デスぅーッ!」
「いやっ、もう泣いてるからッ!けっこー前から泣いてるカラっ!
やめて、とめて、やめてとめて、やめてとめて、やめてとめてやめてとめて…
それ以上、腹殴られたらっ、うんこ出ちゃうからッ!!やめて!とめて!」
ぷりっ――
「あ゛っ!?」
――む゛りっ、むりむりむりむりむりむ゛りッ。。。
むむっ!
ケツに異物感。
ふぅー。
ヤッちまった。
だが、しかし!
爽快感――
じつに。
じつに、清々しい朝だぜ。
ケツまわりはキモいが、達成感、いや、充実感さえ感じる。
ため込んでいた
まったく…
やってくれるゼ。
なぁ、相棒?
いや、相棒なんぞ、おらん!
――…
くっそ!
いい年したおっさんが、朝っぱらからクソ
おい!
俺の異世界生活は、クソもらしから始まんのかよっ!
やり直しを要求する。
リセマラだ!
リセマラを所望する!
ボグン!――
ぐゥっは!
――プリュッ!
殴るな、っつーの!
殴られる度、クソもれるわっ!!
「…ちょっと、マジたんま!」
「!?な、なにっ?どーしたのデスかぁ?」
「…うんち、出た」
「!!?き、きっ、きったねぇー野郎デスぅ~~~!
早くっ、早くどっか行って、ケツ拭いてくるのデス!」
「い、いやぁ~、そのぉ~…
比較的ゆるめでしてぇ~……死ぬ前、つーか、女装する前、多少、お酒をいただいておりまして…お酒の力でも借りないと、その~、こんな格好できんといいますか、まぁ、そー云う事情がありましてぇ~……
シャバシャバ、というか、ウィ!シャバダバって感じで、あンま、動けないと云うか何と云うか…」
「――くっ!」
「く?」
「くっさぁぁぁぁぁーーーッ!すっげー、くっさいのデス!!!」
――くんかくんかっ!
うむっ!
確かに。
いや、
俺、死ぬ前、ナニ喰ったんだっけ?
こりゃ、たまらん!
くっせぇー!
「早く、そこらへんの川かどっかで洗ってくるのデス!」
「お、おう・・・」
――招かれざる“違和感”の正体はっ、
…クソガデタヨ、クソガクソガデタヨ、ヒドクニオイキツメノ、ダレモカイダコトナイ、クソガモレテイタヨー、、、ダァ……
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