繭
夜が明けなければいいのに
そうすれば世界は進まない
わたしを置き去りにすることもない
これ以上なにも考えなくていい
全部まっくらやみのなかだもの
でも夜が3日も続いたら
きっとみんなは諦めて
仕事や学校に出かけてしまうだろうか
まっくらやみのなかで世界を回し始めるだろうか
なら電気もぜんぶ消してしまおう
明かりがなければ顔も見れまい
わたしは停滞のなかで膝をかかえて
夜のゆりかごに隠れてしまおう
目を閉じなくても夜は闇
ずっとこのまま息をひそめたら
夜の一部になれるだろうか
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