第3話 新しい部署

少し前の休みの日に社長にメールで「休日中に申し訳ありません。少し話があるので会社近くの喫茶店に来れますか?」というメールが届いた。

たまたま、その日は予定が無く暇を持て余していたところだったので、すぐに「会社近くの喫茶店ですね?着替えてから行くので少し時間掛かります。」と返信した。


程なくして、社長が待つ、喫茶店内に入った。

「あ、こっちです。」

手で招かれ社長の真正面の席に座った。

「急に呼び出してごめんなさい!今から話すことはくれぐれも他の社員には言わないで下さいね。正式発表してないので、よろしくお願いします。

来月で僕がここの社長に就任してから1年が経ちますよね?少し社内は変わってきてると思うんですが大きな変化は無いように思えます。だから、来年度から新しい部署を作ろうかと思っているんですよ。」

「新たな部署ですか・・・。いいと思いますけど陣容はどうするんですか?今だとバタバタしません?ギリギリですし。」

来月まで残り僅かだった事もあり、不安が頭をよぎったが社長は至って冷静でこう言った。

「できれば、あなたに新しい部署の部長をやってもらいたいんです。ダメですか?」

新しい部署の部長職については快く承諾したが新しい部署の部屋はあるのかまた不安になり聞いた。

「その新しい部署の場所はどこなんですか?」

「新しい部署は社長室の隣の部屋にしようと思っているんです。社長プライベート室。あそこ、使ってないんでどうかな?と思いまして。部署にするにはちょっと狭いですけどね。」

ちなみに社長プライベート室は社長専用のプライベートルームである。濱岡社長は就任後も社長室をたまに使うだけでほとんどの時間を社員と同じ部屋で過ごしているためプライベート室は使われていなかった。

「あそこ・・・ですか?社長が使っていいのであれば構いませんけど。」


それから数日後、他の社員らにも新しい部署の設立について正式な発表がなされ一部社員が来年度より、新しい部署に異動することが決定した。

この新しい部署設立は、前社長からの進言もあったそうな。

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