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「惚れた弱みですか。分かるような気がする。それで、マスターが惚れたポイントってどこだったんですか?」
「あー、そうだね」
惚れたポイント。まぁそりゃぁこれしかないでしょ。
「格好いいから」
「あー分かるぅ! 俺もっ」
「だよねー!」
テンション上がって斉藤君とハイタッチ。だってバーテンダーって格好いいんだもん。
「もちろんカクテルが好きってこともあるんだけどね」
うちは代々酒飲みの家系だし。
「そうですよね~。恰好良くて、大好きなカクテルも作れるし飲めるし、素敵な仕事ですよね」
俺もそう思う。これ以上に俺に会う仕事はないと思うもん。なんて、言い過ぎ?
「でもどうしてバーテンダーに? マスターは高校を卒業してから修行されたんですよね?」
「そうだよ」
「その歳でバーテンダーになるって決めるって凄いですよね。っていうかそもそもどうやってマスターと出会ったんですか?」
「あー」
それな。めっちゃ単純だよ? 笑うなよ?
「好奇心」
「え」
「だから好奇心だよ、好奇心。夜の仕事ってなんか格好いいなって漠然と思ってて、休みの日に飲み屋街に行ってみたんだよ。そしたらマスターに偶然出会ったってわけ」
「高校生なのに夜遊びを? マスターやっぱりやんちゃだったんですね」
「やっぱりってどういうこと」
「いや、その、ワイルド、的な?」
また斉藤君の瞳があっちへ行ったりこっちへ行ったり。全く自分の師匠をどんな奴だと思っているんだ。って、俺の師匠も破天荒だったから、これも仕方ないのかも?
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