第16話 練習試合 4/13

「よーし出席番号が奇数のやつは右のコート、偶数は左にいけよー。

 3分後に試合始めっからなー」

今日は練習試合で代表選手を決めるんだけど。

やっぱり記來おばさんは嘘言ってんじゃないの?

「がんばれよ大賀」 「えっ。なんでですか?」

「部長がお前のことを高評価していてな。『代表選手にしておくといいかも知れないわよ〜』って言ってたぞ。」

…そういうことか。高評価して目をつけさせて、プレッシャーかけるという。

先生はお人好しだし(チョロいし)…てか

「記來おばさんのマネ上手いっすね」  「そうか!」

先生は子供のように顔をキラキラさせた。

筋肉ダルマなのに子供っぽいから可愛いと女子生徒からモテている。

まあ、炎樹の方が可愛いけど



「1試合5分。ボールに当たったものは全員アウトとする。ヨーイ…」   

ピーーーーーーーーーーーー!!!!!

ジャンパーは、一番垂直跳びが高かった私がすることになった。

私は相手のジャンパーよりも20センチ高い位置でボールを叩くと

「あいつチートキャラだろ」 「あれどうやって取れっつーんだよ」

………何つーか…ごめんね

「うわっ」

斜め後ろにいた男子が当たった。あと5センチ前にいたら当たってたよ。

ボールは跳ね返ったことにより、私から25センチ位を落ちている。

地面まであと17位。間に合うか…

腕を反射的に前に突き出してアンダーハンドパスの形になった。

「……っ」 「えっ、ちょ、まっ」

ボールは腕に当たって跳ね返りそのまま光希の手の中におさまった。

 危なかった〜

「ナイスキャッチ」 「え、あ、うん」

まだ状況をつかめていない光希はきょとんとしたまま立っていた。

「なあ」

間一髪で助かった子が顔を赤くしながら話しかけて来た。

「えっと…あっありがとな。」

「おう!」  「…」  「?」

「なあ、大賀って…」

胸元を押す。いとも簡単にその子は後ろに倒れた。

一方私は避け遅れて、ボールに当たってしまった。  

「刻、何当たってんのよ〜」  「…計画通り」   「ふぇ」  

「まあ見てなってこっから私の本気を見せてやっからよ」

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