プル・メープルの詩集

プル・メープル

RIVER


川の流れに流されて

ひたすらにもがいている人


ひたすらに流れに逆らって

上を目指そうとしている


いつの日からだろうか


流されるのが当たり前になって

周りに合わせて踊ってる


自分を自分で失くしてた


思うことも口に出せず

いつからか受け入れていた

自分が心の形を見失っていくことを


流されて流されてどこかに置いてきた

自分の心を探すけど

もう手が届かない

もう戻れない


あの日、あの場所には



血まみれになっても

傷だらけになった体を叩いて

凍るような冷たい川を進む人


いつの日からだろうか


あの人に憧れて

心無い体を必死に動かそうとしていた


呑まれ叩きつけられ動けない日々に

涙をこぼすこともあった


それでも頑張る人がいるから


目指す場所を見つけたから



必死になってもがいて

暴れてみたら

触れたひとつの温かい手のひら


流される僕を

笑って笑顔で抱きしめてくれた


温かい体温


忘れていたんだ


何もかも


何もかも


止まったままの時計


動き出せ


動き出せ


錆びついた昔のままの記憶よ



光が指した目的地


ゆっくりでいい、進んでゆこう


いつの間にかいなくなった

目指すべき人は


ずっと心の中に……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る