第6話 学校参上! ブラスとトオル!
「おや? その格好はどうしたのですか?」
早朝、俺が出かける支度をしていると、さっきまでアンパンが正義の味方として活躍するアニメを見ていたブラスが振り返った。
ちなみにブラスは何故か俺のYシャツをパジャマ代わりに着ている。これはこいつが遠い宇宙からやってきたくせに着替えの一つも持っていなかった、かつ姉貴から無理矢理命令された結果である。断じて俺の趣味では無い。
「学校の制服だ。今日は月曜だからな」
「が、学校っ!? まさか……徹さんは学校へ行くのですか!?」
突然、ブラスが駆け寄ってきた。俺のYシャツはかなり大きいはずなのにその胸元は今にも弾け飛びそうで、しかもドタバタ動くから裾がめくれあがって色々見えてはいけないものが見えそうなとてもきわどい感じになっている。断じて俺の趣味では無い。
「お、おう。つうか、なんでそんなにテンション高いんだよお前は」
「私のテンションはいつでもクライマックスです! ああいえ、そうではなく。徹さんの向かわれる学校と言うのは、地球人類の若年層がよりよい社会の一部となるべく教育を受ける学校教育法第五十条で規定された高等学校、通称高校のことですか?」
「そりゃそうだが……」
「キタ――――――――――――――――――――――っ!!」
突然、ブラスが両手をあげた。
「高校! それはアニメや漫画やラノベの主人公になれる年齢の少年少女が集う、いわば主人公の巣窟! きっと皆さんは異世界に召喚されてチート勇者になるのを待っていたり、正体不明の異形との戦いに巻き込まれて超能力に目覚めるのを待っていたり、校庭に落ちてきた謎のロボットに乗り込むのを待っているんでしょう!!」
「ねぇよ。大体、落ちてきた謎のロボットってお前のことだろうが」
「ですから、私はロボットでは無く超機生命体です」
ブラスが真剣な顔で訂正する。ちなみに俺には未だに超機生命体ってやつの意味が良く分からない。
「そんなわけで俺はこれから学校に行くわけだが……」
ちらりと振り返るとブラスが瞳を輝かせて見上げていた。まるで散歩に行く事を心待ちにしている子犬のように。
「お前は留守番だからな」
「何故ですか!?」
「俺にはなんでお前が連れて行ってもらえる気満々だったのかがわからねぇよ」
散歩に行くと見せかけて実は大嫌いな風呂場に連れてこられた子犬みたいな顔のブラスにため息をつくと、俺は改めて釘を刺した。
「いいか、誰が来ても扉を開けるなよ。郵便も宅配便も宗教の勧誘も放っておけ」
「それは専門用語で言うところの居留守でしょうか。正義の味方としてそれはどうかと思いますし、来て頂いた方々が迷惑するのでは」
「どこも専門用語じゃねぇよ。あと、正義の味方でもなんでもお前が出て騒ぎになるほうがよっぽど迷惑だ」
「ううむ、私はちゃんとお留守番の出来る超機生命体なのですが。それに……」
「どうした?」
「あ、いえ。なんでもありません。ブラス、了解しました!」
何故かびしっと敬礼するブラスの姿に俺はかなり渋い顔をした。だが、リビングの時計が容赦なく登校時間を告げたため、仕方無く鞄を持って玄関を出る。
「………………じゃ、行って来る」
「はい! いってらっしゃいませ!」
ニコニコと満面の笑みのブラスに見送られながら、俺は外に出た。正直、幼稚園児に留守番を任せるよりも不安だが……仕方が無い。
「まぁ、あれだけ言い聞かせりゃ大丈夫だろ」
俺は気分を切り替えると、歩いて二十分ほどの高校に向かって歩き出した。
そう、俺にはあんなお留守番生命体に構っている暇は無い。これから俺の人生を左右する重大な決戦があるんだからな……!
特に進学校でも不良の巣窟でもなく、それでいて自由な校風で知られるこの学校に始業よりもだいぶ早く到着した俺は、教室には行かずにその近くの男子トイレに入った。そして洗面台に自分の姿を映すと、鞄の中に隠していた本を取り出しておさらいをする。
「人間の印象は見た目が九割……いや、それが悪い場合はどうするんだよ」
『今からでも遅くない! お友達を作る百の秘密』というタイトルの本に向かって呟きながら、俺は同じく持参した櫛で必死に見た目を整えた。
そう、これが俺に取っての重大事項…………友人だ。
二年生が始まってから既に三ヶ月。そろそろ夏休みの話題も持ち上がる中、できた友人はゼロ。それどころかクラスメイトと会話した回数でさえ片手があれば事足りる始末だ。
このままではまた一人ぼっちの夏休みが始まってしまう。
そう――毎日毎日ひたすら家事に追われ、姉貴の玩具にされて屈辱を味わい、家の窓から遊びに行く小学生たちを羨ましそうに眺めて警察に通報される……そんなのはもう絶対に嫌だ!
「待ってろ……俺は、俺は絶対に生まれ変わって見せる……!」
そんな気合を込めて笑った瞬間、目の前の鏡がぱりんと割れた。
きっと古くなってたんだろう、危ないな。
俺はこんな時のために持ち歩いている手鏡を使って身なりを整えると廊下に出た。そして快く道を開けてくれる生徒たちに爽やかな挨拶を返すと(目を付けられたとか言って泣いている声が聞こえるが、きっと気のせいだ)、遂に教室に辿り着く。
そして扉の前で大きく深呼吸すると、昨日の夜に読み込んだ
つまり挨拶が完璧なら、その後の関係だってスムーズに行くのだ。
だから、俺は今日ここで決めてみせる……!
くらえ! 一ヶ月の練習を経た俺の最高の挨拶を――!!
「みんな、おはよふっ!!」
瞬間――空気が凍りついた。
それまで談笑していたクラスメイトたちが一斉に黙ったかと思うと、復活した邪悪な魔王でも見るような顔でこちらを見つめる。教室の隅からは「だ、駄目、笑ったら殺されちゃう……!」などと涙ぐむ女子を必死に慰めている男子生徒の姿すら見える。
……むしろ笑え。笑ってくれ。そうしてくれれば俺もどんなに楽なことか……っ!
あまりのいたたまれなさに「あー……今すぐ世界滅ばねぇかなー……」などと呟きながら俺は自分の席に座った。
直後、周囲からは「な、なんだったんだ今の……」「きっと自分に逆らう可能性がある人間を炙りだしていたのよ」「笑ったら私刑か……恐ろしい」「昨日も河原で決闘してたらしいよ」「また鬼龍院さんに呼び出されたのか……うらやましい」なんて声が聞こえてくる。
違う、違うんだ。あれはただの挨拶で、うっかり緊張しすぎて噛んじまっただけで、決して異端審問でも独裁者裁判でもないんだ……っ!
机に突っ伏して号泣したい気持ちを何とか抑えていると、やがてチャイムが鳴って担任の先生が入ってきた。
「はぁい、では皆さん座ってくださいね~」
そのぽやぽやとした声に教室の雰囲気が一瞬和む。
大きな眼鏡がトレードマークのこの先生は
今年新任として入ってきた先生で、その穏やかな性格と親しみやすさ、そして同年代のような見かけから人気が高く、生徒たちは親しみを込めてあまちゃんと呼んでいる。
最初、それはどうかと思ったんだが、それを完全に定着させてしまったのは実は俺で……。
「ほ、ほら、竜ヶ崎君も前を向いて……」
「あ?」
「ひっ……!? ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! 先生が悪いんです!」
「あ、いやすいません。違うんです、先生は悪くないです」
考え事をしていたせいでつい変な返事を返してしまった。ただそれだけの事なんだが、あまちゃんは出席簿で顔を隠すと必死に俺に頭を下げる。
そう、何を隠そう彼女があまちゃんと呼ばれる原因の一つはこの気の弱さであり、そしてそれを引き出すのは大体が俺だった。それさえ除けばほんといい先生で、あまちゃんという呼び名も可愛らしいと言って結構気に入っているらしい。いや、俺だって怯えさせたくてさせてるわけじゃないんだが……結果は見ての通りだ。
「え、えっとそれでは……突然ですが皆さんに新しいお友達を紹介しますね」
怯えさせないように隠れてため息をついていると、不意にあまちゃんが切り出した。その衝撃的な一言に教室のみならず俺もざわつく。転校生……だと!?
「ご家庭の都合でこんな時期の転校になってしまったみたいです。あと外人さんなので、みなさん助けてあげてくださいね」
しかも外人……っ!?
更なる情報に教室は一層ざわめいた。さっきのショックも忘れて仲良さげに転校生について噂しあう中、俺はと言えば……震えていた。
転校生、しかも外人ってことはつまり……俺の噂を知らない!
俺が長年脳内で培ってきた膨大な友人作成シミュレーションの中には、何も知らない転校生に親切にしてクラスメイトたちとの橋渡しをしてもらうというプランがあった。これはそのまたと無いチャンス!
これはきっと神様が俺にくれた幸運に違いない。最近、変な宇宙生物に殺されかけたり変身させられたり家に押しかけられたりしたのはきっと、このための試練だったのだ。
ありがとう、神様。一生ついていきます!
「転校生か…………いいッスね」
「ひいいっ!? ご、ごめんなさい、ごめんなさい! 先生が悪いんです! PTAにも校長先生にも土下座します! だから転校生さんを校舎裏に呼び出して地獄の歓迎会をするのは勘弁してあげてください!!」
「そんなこと一言も言ってねぇよ!?」
思わず叫ぶと「ぴぃぃっ!?」とあまちゃんが泣き顔になった。その光景に教室中から非難の視線が殺到する。くっ、耐えろ俺。ここで暴れたら中学の二の舞だぞ……!
必死に自分を落ち着かせると、あまちゃんに謝って席に座る。とにかく、転校生が入ってきたらフレンドリーに対応するんだ。そう、ここ三ヶ月間ずっとイメージトレーニングしていたこの紳士的な姿を見れば、教室の奴らだってきっと見直してくれる。そうすれば一人ぼっちの昼食や下校時間ともおさらばだ……!
そんな決意を固める俺の姿に「竜ヶ崎が悪魔みたいに笑ってるぞ……」「きっと転校生を締め上げるつもりなのよ」「俺たちが守ってやらないとな……」「スタンガンの電圧は最大にしたか?」なんて声が聞こえてくる。
くっくっく、言っているがいい。そんな殺意溢れる誹謗中傷とも今日でおさらばだ!!
「そ、それでは転校生を紹介しますね」
異様な雰囲気に包まれる教室にビビリながらあまちゃんが廊下に声をかけた。転校生に対する興味とは一味違う、希望と執念と欲望と正義感の入り混じった視線の中、扉を開けて件の転校生が姿を現した。
「失礼します!」
はきはきとした元気のいい挨拶と共に転校生が入ってきた。その姿を見た瞬間――教室の誰もが息を呑んだ。もちろん、俺も。
それほどまでに彼女は美しかった。陽光を受けて輝く白い髪に日本人離れした美貌。学校指定の制服を押し上げる見事な胸と額から伸びるアンテナのようなアホ毛。
まるで地球に降り立った女神のようなその姿に男子生徒と一部女子生徒が顔を赤らめる中、俺の顔はみるみるうちに青ざめていく。やがて全員の前に立ったそいつは手渡されたチョークで黒板全体に超巨大な名前を書くと、くるりと振り返って満面の笑顔を浮かべた。
「竜ヶ崎ブラスです! よろしくお願いします!!」
「何やってんだ、お前はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
俺は机を跳ね上げながら転校生――宇宙からやって来た不可思議生命体に向かって叫んだ。
「ひゃあああっ!? ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! 殴らないで暴れないで外国に売り飛ばさないでぇぇぇっ! 先生がっ、先生が全部悪いんです―――――っ!!」
「あ、いや、先生に言ったわけじゃないんです! ほんとです! 売り飛ばしたりなんてしません! ていうかそんなコネもツテもねぇよ!! みんなもこっちみんな!!」
涙目で必死に頭を下げるあまちゃんに慌てて叫ぶ。だが、クラスメイトの視線は既にガチの犯罪者を見つめるものへと変わっていた。正直、こっちが泣きてぇ。
そんな俺に、一体どこから調達してきたのかうちの制服を着込んだ宇宙生命体はきっと眦を吊り上げると、窘める様に腰に手を当てた。
「教師に大声を上げるのは感心しませんよ、徹さん」
「てめぇのせいだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「ぴゃああああっ!? ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! 世界中の人にごめんなさい! 二酸化炭素が多いのも、オゾン層が減っているのも、地球の温暖化も全部先生のせいなんです――――っ!!」
「だから違います! それについては先生は絶対に関係ありません!! くそ、ちょっとこっち来いゴルァ!!」
埒が明かなくなった俺は思わず巻き舌気味に叫ぶと、ブラスの首根っこを掴んで教室から飛び出した。後ろからは「竜ヶ崎が転校生を拉致したぞ!」「あの子の貞操が危ないわ!」「校舎裏を探せ! 美少女を守れ!」「釘バットは人数分ロッカーに常備してある!」「俺たちの新たな仲間を助けに行くぞ!!」『おーっ!!』なんて声が聞こえてくる。
くっ、内容は限りなく物騒だが、その団結の輪にいつか俺も加わりたい……っ!
そうしてブラスを小脇に抱えたまま校舎裏までやって来た俺は、そこで授業をサボって煙草を吸っていた不良たちを一瞬で蹴散らした。
「邪魔だ、今すぐどきやがれぇぇぇぇぇっ!!」
「ぐわあああっ! な、なんで竜ヶ崎がここにいるんだ!? 俺たちの入念な事前リサーチによると今は授業中のはずなのに!?」
「てめぇらも授業中だろうが! いいから煙草なんて吸ってないでさっさと授業を受けてきやがれ!!」
我が家最速の交渉方法で不良たちを追い払うと、俺は誰もいなくなった校舎裏の壁にブラスを押し付けた。その顔の横にドンと手を付きながら、血走った目で理由を問う。
「どうしてお前がここにいるんだよ……っ!?」
「どうしてと言われますと、転校して来たからです」
「宇宙の高校からでも転校してきたってのか、ああん!?」
ぎりぎりと歯軋りをしながら顔を近づけて凄むと、ブラスは「まぁまぁ」などと言って俺の肩を叩いた。
「落ち着いてください徹さん。黙っていたことは謝ります。ですが、私なりにパートナーであるあなたとの仲を縮めようと思ってサプライズにしたんです。決して面白半分や冗談ではありません」
「本当だな?」
「本当です。信じてください!」
「ああ、信じる信じる。で、本音は?」
「謎の転校生ってかっこいいなーとか、徹さん驚くだろうなーとか、学校生活って面白そうだなーとか思いました!」
「よし、有罪決定」
竜ヶ崎徹法典に従って私刑にするべく拳を握り締めると、ブラスが慌てて弁解した。
「すいませんごめんなさい本当は私の楽しみに従ってやりました! ですがそれだけではありません、ちゃんと訳があるんです!」
「訳だと?」
「今、この玉鋼市は狙われています。そして敵は何時何処から襲ってくるか分かりません。だから我々は常に一緒にいることが好ましいのです!」
「……それがこれか」
「はい! この方法ならば私たちは周囲に注目されることも無く、身分を隠し目立たないまま正義の味方を行うことができるのです!」
そう言って話題の美少女転校生はどんと大きな胸を張った。
「お前、今夜から目立たないって言葉を毎日百回書いて部屋に貼れ」
「何故ですか!?」
「そもそも、どうやってここに潜り込んだんだよ」
「電子どころか空間すら操る私にとって戸籍を改ざんするなど朝飯前です! 実際、本日の朝食前には手続きを終わらせておきました!」
「正義の味方が電脳犯罪起こしていいのかコラ」
「世の中には必要悪という言葉があります!」
今すぐ録音して銀河連邦に聞かせてやりたい言葉だ。
「どうですか徹さん。これで二十四時間、いつでも地球の平和を守れます!」
そう言い切るとブラスは完璧な作戦だと言わんばかりにでかい胸を張った。そんな彼女に俺はふっと笑みを浮かべると、ぐっと親指を立てて見せて――校門を指した。
「帰れ。今すぐに」
「ええっ!? な、何故ですかっ!?」
「俺の平和が二十四時間いつでも破壊されるからだよ! そもそもお前が親戚ってどういうことだ!?」
「はっ!? 確かに……私が間違っていました」
「今更かよ……もっと早く気付いてほしかったんだがな」
「私達は既に一心同体……双子の姉にするべきでしたね! それは考え付きませんでした。さすが徹さん!」
「そういう問題じゃねぇよ! しかもお前が姉かよ!? 俺にはもう神様に返品したい姉がいるんだよ!! 絶対に認めねーぞコラ!!」
ずれまくる俺と宇宙生命体の認識。
ああ、地球人類はまだ宇宙人とコンタクトを取るのには早いんだな。
「ああもう、いいからとっとと帰れ! 帰ってもう二度とお外に出ちゃいけません!!」
「そんな、酷いです! 私は徹さんがいないと何も出来ないのに!」
首根っこ掴んで外に放り出そうとした瞬間、ブラスが抱きついてきた。そしてその目に大粒の涙を浮かべながら必死に俺に縋りつく。
「この前は一緒にいてもいいって言ってくれたじゃないですか! 私たちはもう一心同体で運命共同体じゃないですか!」
「やめろ馬鹿、声が大きい! いいか、こんなところが誰かに見つかったら――」
「今の聞いたか?」「一心同体……だと!?」「姉なのに認めないとか……複雑な家庭ね」「しかも認知しないとか……さいってー」「なんでここにいるんだよ!?」
最後のは俺の悲鳴だ。いつの間にか草むらや木の上に隠れていたクラスメイトたちが俺に向かって「この最低野郎」という言葉を練りこんだ視線を送っていた。
「お願いします徹さん、どうかここにいさせてください! 邪魔なんてしません、言うこともちゃんと聞きます! 学校に通うのは憧れだったんです!! ですから、私にも……私にも学校生活というものを体験させてくださいぃぃぃっ!!」
遂にブラスは泣き出した。人の制服を涙と鼻水で盛大に汚しながら号泣するその姿に俺は暫く悩むと――やがて、大きなため息をついた。
「…………はぁ、仕方ねぇな。けど、絶対に問題を起こすなよ。特に俺たちが正義のヒーローやってんのは絶対の絶対に秘密だ。いいな?」
「はい、お任せください! お約束致します!」
その言葉にブラスは顔を上げると、俺の制服で鼻水を拭いながらぐしゃぐしゃになった顔で満面の笑みを浮かべた。そこら辺のアイドルをまとめて蹴散らすようなそのとんでもなく可愛いその笑顔に、思わず俺とクラスメイトたちの顔が赤くなる。
くそ、人間の姿ってのはこういう時に厄介だな……。
「……本当に大丈夫か?」
「絶対の絶対に大丈夫です! 何故なら、私は問題など起こさない清く正しい超機生命体ですから!!」
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