悪戯しちゃっていいですか?承諾不要の煩悩ファンタジー

酔玉 火種

性格も体も高慢な金髪少女

第1話 女戦士vs魔王と一騎打ち

 俺は高校1年の熊本白くまもと・しろ。今は数学の授業を受けている。

 机の上にあるフィギュアサイズの金髪女戦士は、俺の妄想らしい。友達に言ったら何もないと心配されたので、それ以来、見えるものについては学校では誰にも話していない。


 「おい!魔王!聞いているのか?!魔王!」


 女戦士の設定では、俺は魔王らしい。しろと言う魔王とは正反対の名前なのに…。


 「いびつな黒い服!」


 学生服です。


 「つり上がった目!」


 生まれつきです。


 「われに討伐されろ!」


 嫌です。


 ほっとくと、いつまでも悪口を言われそうなので、鉛筆で攻撃する。俺は鉛筆のB派だ。妄想とはいえ刺さったら可哀想なので、鉛筆の後ろでツンツン攻撃だ。


 「ようやく、戦う気になったか!魔王!覚悟!でぇやぁぁぁぁ!!!」


 女戦士は軽やかにステップを踏み、右から左からと鉛筆を切り伏せる。


 カン!カキーン!

 「はっ!」


 キン!カ!カカン!

 「やるな魔王!われのスキルで粉砕してくれる!」


 ≪スラッシュ≫「でぇやぁぁああ!!!」

 ガン!


 しかし、授業中にこれだけ騒いでいても、俺にしか聞こえてないのか…。鉛筆に刺さった剣を引き抜こうとしている女戦士の足をつかんで持ち上げる。

 「魔王!な、何を!」


 よく見ると、汗とかもちゃんとかいているんだな。匂いとかするのかな?


 すん。すん。


 どきっ


 汗のにおいと女性特有の甘い香りがする。


 「は!破廉恥はれんちな!はずかしめをうけるぐらいなら…くっ、ころせ…。」

 名台詞だが、今はそれどころではない。こうなってくるとビキニアーマーの下も気になってくる。

 フリフリして、股を守っている鎧の大垂おおだれから手を放させて、股を見たい。


 「や!やめろ!」

 フリフリ

 見たい


 ・・・もと


 「やめ…!」

 フリフリ

 見たい


 ・・・くまもと


 ふり


 「熊本!さっきから先生に手招きみたいなジェスチャーして!何か質問があるのか!」


 ガタン!


 「いえ!すみません!」


 くすくす

 居眠り?

 くすくす


 ビックリしたショックで俺の妄想は消えるが、授業での大恥だけが残った。



 副題:数学の授業でくっころせ。

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