国立魔法研究所第6番支部アーロン研究班日報
晴野
第1話 魔法使いの庭
「アーロン先生!」
一人の少年が国立魔法研究所第6支部の中を軽やかに走る。
「アーロン先生!私、魔研第6のアーロン研究班へ配属になりました!!」
少年はアーロン
「やあ。ノル君じゃないか。また
アーロンは呆れた表情でノルを見た。
「だーかーら!本日付でアーロン研究班に配属になったんです!特例ですけどね。」
ノルも呆れた表情をアーロンに返し、やれやれと言ったように説明を始めた。
「
数秒間、沈黙があった。アーロンは少年を見つめ、ゆっくりと、そしてハッキリと一言呟いた。
「私は1つも聞かされてない。」
アーロンは早々にマントを羽織りノルの肩に手を置いた。
「ノル君。メルシド《阿呆》の研究室に行く。付いてこい。」
「どうぞご自由に連行して下さい。アーロン先生。」
アーロンはノルを連れ、
「やぁやぁ、メルシド《引きこもり》教授。年端もいかない少年を私の研究班に入れるとはどういった見解かね?」
アーロンはメルシドの
「ノル君は学生の
メルシドは嬉々とした表情で答える。
「そうじゃない。なぜ、彼が──……。」
アーロンは言葉を詰まらせた。
「
アーロンはメルシドの言葉を聞いてさらに顔を曇らせた。
「ノル君は
「メルシド先生!どうしても私から説明しなければならないんですか?」
この話をアーロンにしたら研究室を追い出されるかもしれないと思ってメルシド教授に助けを求めたはずが、協力者本人によって台無しにされてしまった。
「君たちは魔法使いだ。ましてや旧知の仲だろ?真実を求めようじゃないか。」
メルシドはそう言ってアーロンとノルを
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