闘い 11
闘いも終り一息ついた頃
父が落ち着かない様子で壁をチラチラ見てる
どうやら次男の開けた穴が気になる様だ…
カレンダーを掛けては見たものの すきま風が入りたまに揺れたりしている
それが気に入らない様だ
「うざってぇな!何か隠す方法はねぇかな?」
カレンダーを取り 穴 を見つめる
直径15cm位の丸い穴…
父 辺りをキョロキョロ見回す
花瓶に入った造花に目が止まった
「これ 飾って見るか!」
花瓶から造花をわし掴みにして 穴 に突込んでみる
「どうだ!!おかしいか?」
私に問う
(そんなのどうでもいいよ)
と 思いながらも
「いんじゃない…」
一応感想を言ってみた
父 花の向きを変えたりして試行錯誤している
と…バランスのとれない造花が 穴 から床に落ちた
その中の数本が壁の中に落ちたみたいだ…
「あっ!中に落ちやがった!畜生」
父 1人で文句を言ってる
今度は床に落ちた造花の茎を輪ゴムで縛りまとめて突込む
花の部分が重いのか 数分すると バサッ! と床に落ちた
「この野郎つかぇねぇな」
造花を花瓶に戻す
おっ偉い
ちゃんと戻したね
父 造花は諦めたみたいだ
またキョロキョロ見回している
修理する気は全くないな
また 何かに目が止まる
と…
テレビの横に置いてある私のクマのヌイグルミを持つ
父…それを 穴 に突込む気か?
父 クマの胴体部分を無理矢理 穴 に詰める
「おっ!ちょうどいいな」
壁からクマの顔だけが出てる
「なんか 怖くない?」
私が言うと
「そうか?良く壁に鹿の頭だけのハク製があるけどアレは気味悪いが これ可愛いじゃねぇかこれならすきま風も入ってこねぇな!」
父 超気に入った様だ
それ以来我が家の壁にはクマがいる
居間に行くたびに壁から顔だけ出てるクマさんがこっちを見てる気がする…
可愛いのか…
気味悪いのか…
ビミョ~
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