仮出所 3

長男は行く所がないので暫く家に住む事になりました

2間しかないのでとても嫌でしたが…

仕方ない


「出て来たばかりだから2~3日ゆっくり体休めたら職探ししながら取りあえず親父のテキやの仕事するから」

と 長男はその言葉通り2~3日家でゴロゴロしていました


…5日目…ゴロゴロ…


…7日目…ゴロゴロ…


あらっ?…仕事に行かないの

あたしだって働いているのに…

仕事の準備してるのかな?



……………



……………


…半月…ゴロゴロ…


おい!いい加減にしろよ


長男チン

いちゅ働きに行くんでちゅかぁ?



刑務所で働いて貰ったわずかなお金も使い果たしてしまった長男

ある夜…母に

「金貸してくれないか…仕事の件で親父の所に行って来るから」

と 頼みました


仕方なく母が1万円を出すと

長男「10万貸してくんない」


えっ!?今10万って言ったよね?

確かに言ったよね?


家にそんなにお金があると思ってるのか?

ってか 10万といったら私の一ヵ月のバイト代より多い…


母 「あるわけないでしょ!そんな大金!」

と 言うと長男の口から驚くべき言葉が…


「家を売った600万…まだ残ってるんだろ!その位出せよ!」


ありえない…


家族をカツアゲしてどうする長男…



やっぱり長男は更生していなかった…

「次男が新車買うのに少し出してやったって言うじゃないか!俺にも分けてくれなきゃ不公平だろ!」

とまで……


母は呆れて目が点

確かに 次男には車を買う足しにと30万出してあげました

でも その車は家の車でもあり

母や私を買い物の迎えに来てくれたりしてくれてましたし


あんた迎えに行ったのもその車じゃん…

乗って帰って来た癖に次男ばっかりずるいとは…


もちろん母は渡さない

渡せば良くない事に使うに決まってます


長男…あの涙はなんだったの

感謝・感動した私がバカでした


仕方なく長男は1万円をひったくる様に取ると出掛けて行き…

戻って来たのは一週間後でした


そして長男の顔を見て母と私はすぐにピンときた

覚醒剤を打ってる…

あの充血しながらもギラギラした目付きは2~3日寝てない目だ


その日は丸1日爆睡する長男…

これから先どうなるの?

私は マタマタ不安に襲われ爆睡してる長男を見ながら


頼むからどっかに行ってくれ

と祈るばかりでした


この後 半年近く

たまに帰って来ては寝る…

の繰り返し


薬を打っているので余り食事はしませんでした

そのため身体は痩せていく

もちろんお金など一銭も入れません


時々長男をたしなめる母に

前程激しくありませんでしたが悪態をつく始末

まだ600万の金の事も愚痴ってるし



完全に以前の長男に完璧に戻ってしまった…


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