兄貴 3

次は

私が高3の時

長男が起こした事件の事を話しますね


それは……一本の電話から始まりました


早朝

我が家に電話が鳴り響きました

母が出ると警察からで次男は居るか?との事でした

ちょうど家に次男が居ましたので電話を変わり

いろいろと話をしていました

暫く話して電話を切ると次男は


「良くわからないが誰かが俺の名前をかたっているらしい…今から警察サツが来るってさ」


との事……

そして1時間もしない内に刑事さん達が来て

話を聞きますと段々と詳しい内容が判って来ました

次男の名前を騙っていたのは長男だったのです


長男が車を乗っていた所


ハッ!

検問をやっている!


免許証の提示を求められる長男……

無免許だったのでその事を隠す為

免許証を家に忘れて来たと嘘をついた


が……


警察官が身分を証明出来る物はないか?

なければ住所・名前を教えろ

と 言うと長男は咄嗟に次男の名前を言ったのでした


(ホントにバカでしょ?)


次男は免許を持っていたので うまくいけば後日次男を出頭させて免許不携帯で済む……

と思ったのでしょう


しかし……長男!!

そんなにうまく行く訳がない


警察官は更に車検証の提示を求めました

長男の乗っていた車は

前に誰からか貰った物で 車検も切れている

その事がバレれば このままパクられる……

そしたら覚醒剤の所持もバレる……


焦る長男


警察官の問い掛けを無視して

車を走らせてしまったのでした

前方に居た別の警察官が長男の車を止めようと

ボンネットの上に飛び乗りました


しかし長男は止まる事もせず

蛇行運転を繰り返し

ボンネットの上の警察官を振り落としたのです

はい!もちろん

警察はすぐに長男を指名手配

車のナンバーも控えられていたので前の持ち主もすぐに判り

ましてや 間抜けな長男はパニクってたとは言え次男の名前や住所までも言ってしまった事で


すぐに我が家に電話が来た……

そんな訳です


逃げ回っていたと言っても遠くに行く事もなく

都内を車でウロウロしていた長男は一週間程でアッサリ捕まってしまいました


全くもって お馬鹿な長男


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る