悪の棲む新居 3
しばらくすると昼間も秘密の部屋を使う事になりました
競馬のノミやです
ノミやと言うのは競馬の馬券を正規に買わずに不法で購入する事です
レースが始まる前に電話で予想を受けます
我が家でやっていたのは正規で買うより馬券は少し高いのですが
配当もかなり良く
当たれば大金が入るという仕組みだったと思います
ある日
父がレース前にトイレに行きたくなり 私が電話番を頼まれました
もちろん断わる事なんて出来る訳がない
「電話に出たら 相手の名前、何レースか、予想馬番を聞き必ず復唱し、間違いないですね!と聞く事」
父に命令される私
どうか電話が来ません様に……
…
………
ジリリリリリリ~ン!!!
キタァァァァァ!!
父に言いつけられた事を必死にこなす私
ほんの5分位の事だったと思いますが……
間違えたら大変な事になるのは幼心ながら
十分理解していました
父が戻ってくると私は褒められました
ほっ。
としたのも束の間
ダダダダダダダッ!!!
父の駆けてくる足音
バシッ!!
父に突然殴られたぁ
「今、子供を電話に出すなと言われた!お前電話に出る時(はい!○○です)と名字を言ってたそうだな!俺が警察に捕まってもいいのか?お前達学校も行けなくなるんだぞ!!!」
ノミやは違法なので誰が何処でやってるか秘密にしなければならないらしく
私が電話を取る時に名前を名乗ったので客から指摘があったみたいだ
ってか 父
私はそんな事聞いていない!!
一生懸命やったのに殴られた事が悔しい
「いつも……電話に……出る時ゎ……名前……言えって……」
しゃくりあげながら訴える私
すると父は
「時と場合があるんだ!その位気を利かせ!!」
と……また殴られました
この頃から私は
父がこの世からいなくなれ
死んでしまえばいいと思う様になったのです
しかし……
私が死んでしまえばいい
と 思ったのは父だけではありませんでした
それはまた後の話で……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます