第12話今、別れのとき

「あ、着いたんだね。」


「ああ。」


ついに、あいつが目を覚ました。

これでやっと、やっと……


「お前の願い、叶えてやる。」


「嬉しい……」


いよいよ俺は、大鋸を振り上げた。

でも、

いつもならすんなり振り下ろされるはずだったが、

手は、動こうとしない。


「何故……だ?」


俺は冷酷な殺人鬼。

今まで何人も何人も、殺してきたじゃないか。

なのに、それなのに、

俺はこいつを殺さないでいる。


「早く、殺して?」


急かすように、あいつが囁く。

そうだ、あいつの願い叶えるんだ。

俺が……

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