第9話 祠の調査

「せめてあの美しい世界で」

レーダスは本の内容を説明し終わるとアルベルトに向き直る

「その二つの神が封印されてると思われているのが」

「俺が倒れていたその祠…だと言いたいのですね?」

アルベルトが話を割って言う

「ああ、根拠はないが…」

アルベルトはレーダスに向き合ってこう言う

「ならば、確かめに行きましょう」

「アル君は信じる、というのか?」

「俺も、自分のことが少しでも分かればいいと思ってるので」

「俺も賛成だぜ!」

レーダスは立ち上がり副団長を呼ぶ、そして出てきた気の弱そうな副団長に

「私は少し調査するところがある、なので少しの間団をまとめておいてほしい

いいな?」

「は、はい」

副団長は弱気な声でそう言う

「アル君、ハルマ、行くぞ」

「はい!レーダス団長」

「了解です」


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「ここが例の祠だ」

かろうじて光が届くほどの深い谷底に凛とした声が響く

「ここが…」

「うわー暗れぇー」

「ここの谷は昔に滅びたフィランテという町の周りに、囲むようにある谷だ

この祠のことがわかったらフィランテに行ってみるか?」

レーダスは二人に聞く

「気になりますねー、行ってみましょう!」

「……」

アルベルトは一人、押し黙っている

「どうかしたのか?」

「いや、なんでもありません…」

「そうか…なら決まりだな、これの調査が終わったら町に行こう」

レーダスははそう言うと祠の前に立つ

そして地面を指差す

「ここでアル君が倒れていたんだ」

レーダスはアルベルトにそう言うと続けざまに

「そしてこの剣が君の手元に転がっていた…そして君をギルドに送り届けた後に、この祠を調べた…とゆうわけだ」

「それで祠には誰もが知っている本に出てくる神の名が刻まれていたと…」

「そうゆうことだ」

「でも団長、アルと祠にはなんの関係があるんですかねー?」

「わからん、でも関係があるのは確かだ…アル君は、何も覚えていないんだな?」

「はい…役に立てなくてすいません」

アルベルトはそう言うと頭を下げる

「いいや君は何も思い出せんのなら思い出そうとしてくれればいい」

アルベルトは頭をあげ例を言う

「レーダス団長、祠を見てみても…」

「ああ、構わん」

そしてアルベルトは祠を調べる

「アステラ、グリアス……愛し合う神…」

アルベルトが考え込んでいると突然声をかけられる

「アル君!敵だ!!」

「!?」

「アル!備えろ!!」

アルベルトはハルマとレーダスが見ている先をみる

「なっ、なんだ?あれは!?」

二人が敵対する存在を見てアルベルトはギョッとする

そこには禍々しい骸骨が転がって…いや立っている

その骸骨は骨の軋む音を刻みながらぞろぞろと暗闇から這い出てくる

と同時にハルマとレーダスは武器を手に握る

「ハルマ!!戦い方は知ってるな!!?」

「もちろん!!」

そう言うとハルマは骸骨…いや、生ける屍に突っ込んでいく

「!?」

だが…ハルマの横を紅い一筋の線が通る

一瞬の沈黙

「グガァィィァァア!!」

一瞬の…いや瞬きをしない間に生ける屍は灰となった

屍たちのいた所にはレーダスが立っている

「こんなものか……」

「なっ!?なんですぅー?今の…?」

ハルマはレーダスに聞く

「ん?あいつらか?あいつらの名前はアークベック…だろ?」

「いや…団長そうじゃなくて…ですね?」

「普通に剣を振っただけだが?」

「普通にって…」

((化け物だ))

人知れず二人の意見は一致する

「レーダスはおし黙る二人のことを疑問形の顔を浮かべ

「ところで何か思い出せたか?」

「いや…何も…」

「そうか…って考え込んでるうちにまた出てきたか…」

「アル君、君は例の武器を持って戦え、なぁに心配することはない、こいつらは雑魚だ、それとハルマはアル君のフォローを、もし君たちがやられそうになったら…私の番だな」

「ですがこの剣は…」

「とりあえず戦え!」

「ッ!? 了解!」

「んじゃ、行くかアル!」

アルベルトは例の、誰も扱えなかった剣を握る

だが…

「うぐっ!?くっ!くはぁ!!?」

頭を殴られた衝撃が走り体が動かせない!

例の剣から体に莫大な力が流れ込んでくるような錯覚を覚える

その力に頭の中が真っ白になる

「ハルト!!アル君を守れ!敵は私が殺る!!」

ハルトはアルベルトを、大剣を盾のように持ち、守るようにして立つ

そしてレーダスは次から次へと湧き出てくるアークベックを次々に斬る

だが次から次へと出てくる…アルベルトはその光景を見ながらとある光景が剣から流れ込んでくるようにフラッシュバックする

それはこの頃夢でよくみる光景

魔神にやられて谷に落ちる光景を








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