群像詩

@sazue

第1話 僕の印

泥濘んだ地面を踏みしめて

残される足跡に息を吐く


白く浮かぶ息も

迷いだらけの足跡も

僕の存在の認印

君が僕を否定しようと

雨が僕のそれらを洗い流そうと

僕は再び踏みしめる

その繰り返し


寒さに負けた不格好な霜焼けだらけの手で

僕は君に宣誓しよう

どうしようもない僕の

どうしようもない負けず嫌いを



泥だらけの運動靴も

言い返ればクッション性の高い厚底靴

伸縮自在 柔軟な僕には丁度良い


汚い 醜い 可笑しい

蔑みさえも時には僕の勲章で

君にはなり得ない僕の証


だから大きく息を吐き出して

泥濘の中を駆けよう

指に走る霜焼けの痛みも構わない

大手を振って駆けよう


泥に塗れた靴下と地面に押された僕の印

明日 明後日 消えるかもしれないそれらへ

後ろ手に手を振って僕は未来への印を向ける

それがどうしようもない僕の存在証明

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