第10話
じぶんの身に、尋常ならざることが起きている・・・・・・!
そう思った途端、彼女は、悦びで心を震わせました。
「なんて素晴らしい」
肉声が、辺りに響きます。
「でも、なんで、こんな体なの?」
心が、体の、むっちりした感触を拒むように。
―――ふふ。それが、お似合い。
耳に聞こえない声が、聞こえて、振り向きました。
そこには、誰も、いません。
雲の端が、ふぅわり、風に、なびいています。
―――ふふ。わたし。
クルクルッと雲が渦を巻き、ストップ。
はっと気づいて彼女は、風の存在を知りました。
―――ねぇ? 名前を、あげる。
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