何だ、コケシカ?
Dr.浜松
第1話 奇病発病
とある王国の北西に少数民族が暮らす谷があった。
その谷から最近不穏な噂を耳にするようになった。
──恐ろしい奇病を操る女がいる。
隣国として、国威を揺るがす存在は許す訳にはいかない。
王は奇病を操るといわれる女の情報捜索を始めた。
数名の精鋭揃いの捜索隊が編制され、王の前に列を作った。
その中に隊長と思われるひときわ巨躯の男が王の前で大きく宣言をした。
必ずや正体を突き止めてみせます。王が聞いた最後の言葉であった。
王国から谷まではさほどの距離ではなく、一日かからずして捜索隊はいとも容易く谷村へと着いた。
村の捜索を始めてすぐ、ひときわ大きな建物が目に入った。
どうやら、この村の長が住んでいるようだった。
ここから捜索するのが良いだろう。隊長の意見に従い建物へと赴いた。
建物へと向かう途中、茂みより一人の若い女が現れ捜索隊の傍に現れた。
「ヤーッ」
女は急に掛け声を上げた。
何に対しての掛け声だったのだろうか。虚を突かれた精鋭揃いの捜索隊は威嚇とも取れるその行動に一時撤退した。
どれくらい逃げてきただろうか。
村から数キロ離れた森林へとやってきた捜索隊はここでキャンプを張ることにした。
その夜、異変に気付いた。
捜索隊員の一人の頬がコケているのだ。
更には、活力もなく死んだような眼をしているではないか。
──これは!
王国での奇病、第一感染者が発生した瞬間だった。
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