第4話 探
荒廃した建物を彷徨う。
思っていた通りそこには誰もおらず、風の音と少女の足音だけがこだまする。
(やっぱり誰もいなかったかぁ)
ふわふわと漂う少女は愚痴る。
「残念だな」
少女は漂っているソレに構うことなく、棚の物色をする。
(それなに?)
少女が問い、確認する。
それは白く、細長いものと所々に穴の空いた歪な形のものがあった。
「きゃっ...!」
少女は手にした途端それを放る。
骨だった。
(お、珍しい声が聞けた)
少女は驚きもせず放られた骨を覗き込む。
「アナタ性格悪すぎよ。少しは直そうとしないの?」
少女は口元を押さえながら歩み寄る。
(他人に直せと言われて直せるのなんて個性じゃないでしょ?まぁその他人っていうのが自分自身なんだけどね)
少女は骨を見つめ言う。
「そうね。誰かが見ていたら私は一人で話しているおかしい人に見えるわね」
少女は開けられた棚を閉める。
「ここには何も無いわ。いこう」
少女は再び歩き出す。
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