暴力ゴリラが異世界転生して無双する。
@onionmaidenab
第1話プロローグ、女神レイプ未遂
注意※この作品には非常に暴力的、性的、差別的、偏見的、負の要素がつまりに詰まっています。と言われて想像した何倍も凄い事ばかりが詰まっています。露骨な擬音表現なども。
汚い表現や、行動がとても多く。特に女性の方は不快に思うかもしれません。
それらを受け入れられない方は見ない事をお勧めします。
「あー……?んーだよ、ここはよぉ!!!」
訳の分からない状況に、まず表出させるのは怒り。
恐怖でも悲嘆でも困惑でもない。
それは生来の気質。
その男が持つ性格。
そんな男が持つ容姿は、霊長目ヒト科ゴリラ属に分類されるゴリラに近いものがあった。
髪は金の短髪。
容姿は詳しく言えばゴリラ顔で、いわゆるキモ面……ではあるが、顔自体が破たんしたような容姿ではない、力強く野性的な顔。
「なんだ?どこだ……?、俺は死んだんじゃ……」
服装は中世騎士の様な恰好で鉄でできた鎧を身に着け、背中には茶色いマントを羽織っている。腰にはどこの店先にも売っていそうな特徴の無い両刃西洋剣。足には茶色い皮のブーツ。
「どーなってんだよ!!!おい!!!」
部屋は木でできている様だった。
簡素なベッドが部屋の隅にあり、今にも崩れそうな木のテーブルと椅子が一つ置かれている。
人一人住むのには申し分のない程度の大きさ。
机の上に乗っている揺らめくランプの炎が唯一の光源だが多少薄暗いだけで生活するのに困ることはなさそうだ。
「くそがぁあッ!!」
男はあちこちを物色……という名の破壊行為をしていた。
見渡す限り扉や窓などは無く、壁を破壊するなどしないと外へは出られないと思ったからだ。
椅子を蹴り上げ、壁を殴りつける。
木製故に、ランプの乗っている机だけは手出しをしない。
その程度の理性は、怒り狂っている今でも働いている。
「………れ、レオンさん。大丈夫ですか?」
「あぁ!?、なんだよテメェはよぉ……」
レオンが振り向くとそこには、柔らかそうな鳥の様な一対の白翼を背から生やした長い金髪の女性が立っていた。
手には杖を持ち、頭の上には白く輝く輪っかが浮いている。
神々しい見た目だが、表情は恐怖と不安に困惑。
唇は硬く結ばれ、噛んでいるようにも見える。
眉尻は下がり、少し潤んだ瞳に映るのは問いかけの色。どうして、と語り掛けてきている目だ。
「私は……この世界の女神アリーシャ……。貴方は前世の事を覚えておいでですか?」
「前世だと……?」
一人だと思っていたところへ人が現れたことにより幾分か落ち着きを取り戻す男。
じろじろと視線がアリーシャの身体を這いまわる。
雌の声、肉付きの良い雌の身体、豊満な胸と尻。
そんな事を考えながら男は死ぬ前の事を思い出す。
「俺は……そうだ!!あのクソ女がぁああ!!ぶっ殺してやる…ッッ」
「ど、どうして?反省を述べていたではないですか!だから私は……貴方の言葉に心打たれて、召還したんですのに……」
(……反省の言葉だぁ?えーっと……ああ、だんだん思い出してきたな。
俺は傭兵団グリモアに所属してた。なんでかってーっと団長が女だったからだ。エルフの騎士、金髪の凛々しい女。
戦場で舞う綺麗な姿と、終わった後の汗の煌めく白い肌がすげぇ魅惑的だと思ったからだ。女が戦う姿は俺様にとって好ましい。
雄に媚びるためのオッパイ振り回して、マンコくっついてんのに真面目な顔して剣を振るう姿……俺は大好きだ。それ以外にも理由はいくつかあるけどなぁ……。家庭は普通だったが姉ちゃんに手だしたら追放された。家庭をな。んで前科者ってことで顔にマーカー入れられて、傭兵団みたいなとこでしか働けなくなったんだ。
まぁそこまではいいさ。荒事上等。小さいころなんか男も女も学校で屈服させるのが快感だった。
ただ問題なのが俺が入団した理由でもあるエルフの団長だ。いくら言い寄ってもアプローチしても俺を蔑む眼が日に日に強くなるだけ。だから仕方なく俺は寝込みを襲った。けどそれでもダメだった。
エルフの団長は雌のくせにかなり強い。勝てなそうだったからこそ、その時まで襲わずにいたんだからな……。
あまりの強さに俺の首が斬り落とされそうになった。だから命乞いしたんだ、あんなとこで終わる俺じゃねぇってな。
なのにあの屑女……汚らわしい!の一言で土下座中の無防備な俺を切り殺しやがった。
ふざけたクソ野郎だ……)
「ああ……俺が何をするべきなのか思い出したわ。あの女に復讐する」
「違います!!貴方の、あの誠意ある謝罪を、私は見ていました…そして心動かされました。だから他の神の忠告を振り切ってまで、この世界の勇者を貴方に決めたんですから……」
「……はぁ?何言ってんのお前?」
「謝罪は……嘘だったんですか?、私は確かに、貴方には反省と更生ができると感じました。この世界の救済をもって、反省。そしてその道中の苦難を乗り越えることによって更生とすると、決めたのです。……ですけど……」
アリーシャの眼に浮かんでいるのは疑惑だ。
つまり、まだ男の事を信じたいという想いがあるという事でもある。
「いや……今言ったのはお前の話の勇者やらなんやらって話が何言ってんのっつったんだよ」
男は頭が悪いわけではない。
この状況と自分が覚えている最後の記憶からして、自分の身になにかしらの事が起こったのは理解した。
考えられるのは記憶を弄られて今思い出したのが間違っているだとか、なんとか助け出されたが薬でおかしくされただとか、いろいろあるが。
仮に死んだあと信じても居ない神様にたまたま自分の死の間際の土下座が届いてそれを真に受け止めた女神が新しく自分に命を与えたとても、否定の材料は人間の常識でのそんなこと在りえない、程度でしかない。
「私は転生の女神です。貴方の元居た世界とは別の異世界に転生させたのです。この世界は貴方が元居た世界よりもさらに強力なモンスターが蔓延り、更には魔王と呼ばれる存在が居て世界の支配を目論んでいます。
なので一度使うと長い間使う事の出来ない転生の力を使って、異世界から死んだ人間の魂を呼び寄せ……、つまり転生させて、世界に放ち、魔王の討伐をさせることで今まで平和を保たせてきました。
そして今回選んだのが貴方だったのですが……」
「ほう、それはおもしれぇな……。なんにせよ理不尽にも一度落とした命だ。もう一回人生が送れるんなら素晴らしいことじゃねーか」
「ほ、本当に……大丈夫ですか?貴方の前世での謝罪の言葉は本心ですよね……?」
「……ああ、勿論だろうが。てゆうかお前疑ってんの?お前一回転生したらしばらくはできないんだよな?お前が転生させた俺の事を疑ってんじゃねーよ!!」
「は、はい……。その、態度が謝罪前のあなたと変わりなかったので……勝手に勇者として呼んだことは、いきなりで申し訳ないですが、貴方には反省の意味も込めているので……」
「人の過去ぐちぐちほじくり返して虐めてんじゃねーよ、うるせぇな。んで俺はどうすりゃいーんだ?この小屋から出られねーぞ」
苛立たし気に床を蹴りつけるレオン、ふぅーっと深い息を女神に吹き付けながら髪をかき上げる。
「んっ……けほ、けほ……。は、はい。私はこの世界の担当の女神です。転生をつかさどる女神ですので、こうして勇者を呼ぶという形の世界の救済方法になっています。例えば治癒の女神の担当する世界なんかは元からいるその世界の住人から勇者を見繕い、治癒の加護をかけ続けて、魔の者を倒し世界の均衡を維持しています。
なので私にできること、私の担当する世界の救い方は、異世界から勇者の資質のある者を呼び寄せ、加護を与えて世界に送り出すことなんです。
なので貴方は、真面目に……は、反省を……胸に刻んで、これから行く世界の困った人たちを助けたりしながらスキルアップを図り、強く育ち、最後には魔王を倒して世界の均衡を保ってほしいのです」
反省の部分を、先程言われた言葉からか濁しながら、吹きかけられた男の吐息に咽ながらもなんとか説明を終える。
ただの息であるのになぜか目に染みたかのように涙目になっているアリーシャ。
「はーん。そうか、俺の世界には魔王なんていなかったが……強そうなやつだな。じゃあ、武器かなんかくれんのか?そんな危なそうなやつ人間が倒せんのか?俺はただの傭兵だぞ」
待ってましたとばかりに、初めて笑みが零れるアリーシャ。
その顔にドキリと男の中の何かがくすぐられる。いや、今までの困ったような泣きそうな様な顔からもそそられる物はあったが。
「転生の女神の力は生物の転生。それプラス、どの女神も持っている加護と同じ勇者としての能力などを与えて転生させることができます」
「意味わかんねーぞ。武器はねーのかよ」
今までより若干声を控えてそっと女神に歩み寄る男。
避けるわけにもいかない女神は強張った顔で視線を逸らしながら答える。
「え、ええ…と。武器を授けたりできるのは武器の神様でして……。ですがこれから行く世界には沢山の冒険に役に立つ秘法や武器があります。今までの勇者が残していったものも。なのでそれらを冒険の末に手に入れることができればあなたの力になると思います」
説明してる間に男が横に立ち、筋肉質の大きな腕を華奢な女神の肩に回して抱き寄せる様に自分の胸へと引っ張っている。そんなレオンに困った女神様は能力の説明を短縮してしまった。
男は耳では説明を聞きながらも視線は服の上から覗くと見える豊満な胸と谷間。
男の身長は女神よりも頭一つ分くらい高い。
アリーシャは嫌そうにすることは、その清楚な性格と、救ってもらう側という立場からできずに、困った様に身体を捩るだけである。
その際に揺れる胸が更にレオンを刺激して肩に回した手に力が入る。
「成程なぁ……。とりあえずぶっ殺しまくればいいんだろ、ワンパンで魔王ぶっころしてきてやるから、安心しろよ」
もはやその腕の中に抱くようにアリーシャを抱きしめていた。
アリーシャの瞳には悲嘆と困惑。嫌そうに顔を逸らしながらも、本気をだして振り払ってしまっては男に使った転生の力が無駄になる上に、次の転生までに魔王に世界が滅ぼされてしまうため、今はひたすら我慢するしかない。
今までの勇者はアリーシャの話を聞くなり冒険という言葉に心躍らせるか、現在とこれからの自分の行き先を想像して興奮するか、哀しむか、その程度の反応しか示してこなかった。まさか自分の肉体に興奮する人物などアリーシャの考えの範疇にはなかったし、経験も無かった。
男は説明を受けたため転生が暫く使えないのは覚えていた。
話とこの態度から察するに恐らく自分を手放すことができないであろうことも。
それを知ったうえでこれほどのアプローチをかけているのだ、もし別のでも替えが効くなら今は大人しくしているしかなかったのだが。
「そ、それでは、言語や常識などは貴方の居た世界と同じ、転生後の身体も同じですからっ……、初めて見たり聞いたりすることは、その世界の住人に訪ねてください!」
不安と困惑で説明をかなり省略した気もするが、とりあえず口早に最低限の説明を終え、この状況から逃れるために急いで送ってしまおうと考えるアリーシャ。
「ああ、解った。けどその前に少し英気を養ってもらおうか……」
がっちりと、女神が本気を出せば振りほどかれるだろうが、絵面的には全く振りほどけそうもないくらい男の腕がしっかりと身体を抱いている。
片手はすでにアリーシャの尻に当てられ、まさぐるように愛撫されている。
男の手が這うたびに、しっかりと肉のついた指の沈む尻がぴくぴくと痙攣するように動く。
アリーシャはそんな自分の体の反応を拒絶と感じ、男はそんな相手の反応を愉悦と感じていた。
「では!もう送ります!……世界を頼みますね」
「おいまて、話聞いてねーのか?なぁ…わかるよな?」
なおも迫り、自分のモノにしようと尻肉を鷲掴んでくる男を、女神は送り出すことを言い訳に軽く突き飛ばし、急いで転送の呪文を唱えはじめる。
「てめぇ…アリィイイシャァアアアーー!!」
軽くとは言え女神に突き飛ばされ、背中を打ち付けることになった男は怒り、壁を蹴ってその勢いのままアリーシャへと突っ込んでいく。
アリーシャの数歩手前でしっかりと床を踏ん張り拳を突き出し、腰を入れてアリーシャの柔らかい少女のような腹へとズシンッと肩から肘までしっかり伸ばし切って本気のパンチを打ち込み、その姿は掻き消えた。
「うっ、ぐぇ、ぷ……。おぇ……っ」
男が目覚めた小屋には、身体をくの字に折って床へと倒れ込み吐しゃ物を吐きだし苦しそうに顔を歪めて呻く。
ただの少女、アリーシャ。男は居ない。
転生と転送により全ての力を使った転生の女神アリーシャは、一時女神の力を失っていた。
不幸にも力を使い切った直後、転送間際に男の拳が腹に入ってしまったのだ。
「うっ……うぅ、い……痛い……は、ぁ……はぁっ、あぁ……」
身体を起こすどころか背筋を伸ばすことさえままならないアリーシャ。
ちょうど女神の力を失うと同時に、ただの少女の腹へと筋肉質の元傭兵の男の拳が、しかも勢いを乗せた拳がノーガードで衝突してしまった。
「かっ、ふ…っひゅ……ふ、ぐ……」
息を吸うのも辛く、肺が絞られたように、吐き出す息が無くなっている。
それでもなんとか、その身に転送を終えた手ごたえを感じて、ぐったりと横たわる身体がだんだんと薄くなってゆく。
死ぬのではない。女神の休眠。すなわち勇者の降臨。
栄誉ある女神の力を授かった勇者の代わりに女神が束の間の休息をとるのだ。
女神の休眠は、力を回復させるためのもの。いつかまた勇者亡き後に出現した魔王から世界を救うため。
これは女神と魔王の永遠の戦い、円環の戦争。
「ふぅ……やっと癒しの力が…。痛いとか苦しいなんて久しぶりに感じてしまいました……。選択を間違った……とは思いません。絶対に良い勇者になることを……祈っていますからね。……でもほんの少しだけ心配なのでいつもより早めに起きれる様に頑張りましょう。だから貴方も頑張ってくださいね。応援もしていますよ……勇者レオンハルトよ」
レオンの旅は、始まった。
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