秋刀魚

 秋刀魚を焼く火の中にこれからの人生を見た。どうやら私はまともな道を歩めそうにない。煙のようにぐねぐね曲がり、それで行先が青空なら良いが、ただの排気口かもしれぬ。どの道、歩みを止めるわけにはいかないのだから、後先考えずに走り抜けるのも悪くはない。

 部屋中に匂いが充満してしまったが、久し振りの秋刀魚は美味かった。これ以上は望まない方が楽なのかもしれない。

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