鎧
これまでの人生を振り返ってみて、あっという間だっただの、いやいや長い道のりだっただの、そういうことが言えるような時分ではない。死ぬ前日にでも語ろうと思うが、果たしてその時に語るような相手が居るのだろうか。
総決算でなく、中間発表として語るならば、色々なものを捨ててきた人生であったように思う。そうしないと生きて行かれなかったのだ。私は自分の性格について、よく鎧に例える。機動力に長ける武士の鎧でなく、いかにも鈍重そうな騎士の鎧。軟弱な内面を守るために、捻くれた根性で塗り固めた醜悪な鎧である。重くて醜くて、こんなものをつけていては人間社会でうまくやっていけるはずもないのだが、これによって守られてきたのも事実なので、いまさら裸で歩けと言われても困る。
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