杉三中編 想夫恋

増田朋美

第一章

想夫恋 第一章

公園。夕方になって、子供たちはもう家に帰る時刻であり、遊んでいる子供たちを迎えに、母親たちがやってくる。

公園を通りかかった、杉三と蘭、美千恵。

美千恵「今日は買いすぎちゃったかも。」

杉三「買いすぎたって何を?」

美千恵「まあ、この正月の時期になると、誰でも買い物をしたがる時期なのよね。ただでさえ、お金を消費するのに、店側が面白い演出で買わせるから。」

蘭「確かに、財布のひもは固くなりますよね。」

美千恵「ま、うちにはお年玉を誰かにくれるということはないから、それだけでも、まだいいかな。」

蘭「そういえば、アリスが、ピアノ教室の生徒さんにお年玉をあげてましたね。でも、100円ですよ。100円ぽっち。」

美千恵「それでも、もらった子はうれしいんじゃない?」

蘭「どうなのかわかりません。」

杉三「ねえ、見て!」

蘭「どうしたの、杉ちゃん。」

杉三「公園の池の前に人垣が。」

蘭「あ、ほんとだ。」

確かに、公園の池の前で、何人かの人が集まっていた。

蘭「ああ、なんだろう。猿回しでもやっているんですかね。それか、ストリートライブとか。」

杉三「そういうことじゃなさそうだよ。周りをよく聞いてみろ。」

蘭「でも、僕らが人垣に入るのは、ちょっと怖いよ。」

杉三「ほっとけないよ。」

と、どんどん、人垣のほうへ行ってしまう。

声「おい、物体かと思ったら人だぞ。」

声「声をかけても反応がない。」

声「もしかしたら、殺人死体かも?」

声「ちょっと怖いわよ。あんまり関わらないほうがいいんじゃないの?」

声「あ、右腕に入れ墨があるよ。着物を着てるし、もしかして、暴力団とかそういう人かもよ?ここで暴力団同士の喧嘩でもして、その拍子に死んだとか。」

声「やだよ、怖いよ。そんな人がこの富士市にいたなんて信じられない。もしかしたらそうかもしれないね。子供に悪影響があったら困るし、いいわ、他の誰かに通報してもらえば。」

と、人垣はさっと散ってしまった。

杉三「いくら、やくざの人であっても、おんなじ人間だ。何とかしてあげよう。」

蘭「おいおい、大丈夫なのかい?」

杉三「蘭だって、そういう人を相手にすることあるでしょ?」

蘭「そうだけど、、、。」

杉三「怖がったらだめだよ。助けよう。」

と、車いすを動かしていく。

蘭「杉ちゃんは、本当にそういうところは怖いもの知らずだよね。」

杉三「男の人だ。な、何かものすごいがりがりだ。大丈夫かな。ああ、胸を押さえている。と、いうことは喧嘩ではないな。何か体調が悪くなって、ここで倒れたんだな。」

蘭「なんだろう。心筋梗塞でも起こして、ここで死んでしまったのだろうか。あれ、ほんとだ。右腕に桐紋入れてるんだね。」

蘭が袖をめくると、右腕の手首から肩まで、桐紋がしっかりと彫られていた。

蘭「とりあえず、警察に電話するか。」

杉三は、その人の口元に指をあてる。

杉三「待って、まだ息がある!」

蘭「と、いうことはつまり、」

杉三「助けなくちゃ。」

蘭「でも、救急車呼んでも果たして連れて行ってくれるかな。今、どこも正月休みで閉まっている病院のほうがおおいだろ。たらいまわしにされて、手遅れってことになるんじゃないの?」

杉三「じゃあ、僕のうちで介抱するよ。それでいいだろ、大変になったら、僕が池本院長に電話するよ。」

蘭「杉ちゃん、自分で電話をかけたこと一回もないでしょうが。」

美千恵「いいえ、ここは杉三のいうとおりにしたほうがいいわ。二人でそこで喧嘩していたら、彼が目を覚まさなくなるかもしれないから。」

蘭「そうでした、すみません。」

美千恵「じゃあ、私が背負うから。」

と、その男性を背中に背負う。

美千恵「じゃあ、行きましょう。」

杉三「うん、母ちゃんありがとな。」

美千恵「暗い夜だから、誰にも見えはしないわ。怪しまれることもないわよ。」

三人は、夜道を急いで移動していった。確かに、夜であるので、誰かに鉢合わせすることは、全くなかった。


杉三の家。

美千恵は、ソファーの上に男性を寝かせてやり、空き部屋に素早く布団を敷いてやって、彼をその上に寝かしつける。

蘭「やっぱり、介護の仕事してますね。すごい手早い。」

美千恵「いいえ、こんなことは、朝飯前よ。」

杉三「僕、カレーを作るよ。」

蘭「カレー?ちょっと刺激的すぎるんじゃないか?それよりも、おかゆとか食べやすいものをつくったほうが。」

杉三「いいや、カレーのほうが、勢力が付いて、早く回復すると思うよ。」

美千恵「大丈夫よ。平脈よ。そのうち目が覚めると思うわ。」

蘭「よ、よかった。」

杉三「じゃあ、台所に行っているね。」

と、台所に移動していく。しばらくすると、野菜を切る音が聞こえてくる。

それから、少し時間がたって、男性の目が少し動く。

蘭「あ、お母さん、彼の目が。」

美千恵「だ、大丈夫ですか?」

男性「あ、ああ、あ、、、。」

美千恵「心配しないで。私たちは、お助けしようと思っただけで、何もしませんから。」

男性は目を開ける。

男性「ここは、、、?」

美千恵「ええ、あなたが公園の池の前で倒れていたのを、偶然見つけたのよ。」

男性「皆さんは、」

美千恵「あたしは影山美千恵。こっちは、」

蘭「伊能蘭です。」

杉三「カレーができたぞ!」

蘭「杉ちゃん、彼の意識が戻ったよ。大丈夫だったみたい。」

杉三「本当?」

蘭「そうだよ。もったいぶらないではやく。」

杉三「わかった!」

男性「カレーですか?」

美千恵「ええ、うちの息子の杉三が、カレーを作るの、三度の飯より好きだもので。どうぞ、召し上がってください。」

男性「カレーを食べられるの、、、?」

美千恵「はい。どうぞ。」

杉三が、カレーを膝の上に置いたトレーに乗せ、車いすをこいでやってくる。

杉三「カレーだよ。きっと体もかなり弱ってただろうと思って、あまり辛くないカレーにした。食べられる?」

男性「ありがとうございます。レトルトでないカレーを食べたのは何年振りか。」

美千恵「じゃあ、支えますから、カレーを食べてください。」

と、座布団を持ってきて、彼の背に充ててやる。

美千恵「蘭さん、座布団をもって支えてあげて。」

蘭「は、はい。」

その通りにする蘭。

杉三「はい、カレーだよ。」

と、美千恵が置いた介護用のテーブルの上に、カレーをおく。

男性「ありがとうございます。」

思わず涙を出してしまう。

杉三「泣いちゃダメ。栄養を付けなくちゃ。ほら、食べて。」

と、カレーの入った匙を渡す。男性は、匙を受け取って、カレーを口にする。

男性「おいしい。」

杉三「よし!その言葉が出れば大丈夫!きっと、体の悪いところもよくなりますよ。さあ、もっと食べて。」

男性「ありがとうございます。」

杉三「いいってことよ。礼を言っている暇があったら、食べたほうがいい。」

男性「はい。」

と、匙を取って、カレーを食べる。

美千恵「まあ、食欲あるじゃない。」

その通り、カレーは、すぐに皿からなくなってしまった。

男性「ごちそうさまでした。本当にありがとうございます。そうしたらもう帰らないと。仕事がまだありますので。」

杉三「まってよ。公園の池の前で胸を押さえてぶっ倒れるほど大変だったんだから、今日はうちで休んでいけばいいじゃないか。」

男性「そうですけど、もう帰らないと。」

杉三「ご家族がいるんですか?」

男性「家族はおりません。一人で身を立てています。」

杉三「へえ、じゃあなんで帰るの?」

男性「そういう仕事なんです。」

杉三「仕事?」

男性「ええ、僕、使用人なんですよ。洗濯したり、料理作ったり。」

杉三「使用人?」

美千恵「ああ、なるほどね。そういう仕事されているわけね。それじゃあ、大変でしょう。その体で。」

男性「ええ、でも、そうするしか身を立てる手がないんです。」

杉三「でも、今日一日くらい休んでいきなよ。いま、君が帰ったら、きっと雇用主さんに迷惑が掛かるよ。」

男性「そうなんですけど、どうしても大切な用事がありまして。」

蘭「なんですか?」

男性「それは、、、。」

と、言いかけて、顔をしかめてしまう。

美千恵「ああ、大丈夫ですか?」

杉三「やっぱり、そこまで衰弱してるんだから、今日は、君を職場へは返さないから。今日は、ここで泊まっていって!帰るのは絶対ダメ!」

蘭「僕もそういう気がします。休んでいったほうがいい。」

美千恵「横になりましょうか。」

男性「申し訳ありません。」

と、座布団を外して彼を横にならせてやる。

美千恵「まだ若いんだし、自分の体を大切にしなきゃね。」

と、食器を台所へもっていく。

杉三「ところで君の名前なんて言うの?」

男性「富沢。」

杉三「富沢?」

男性「はい。」

杉三「下は?」

男性「教えたほうがいいですか?」

杉三「もちろん。だって僕らはもう友達だよ!僕の名前は、影山杉三だ。正直なところ、称号も苗字も僕は嫌い。名前は、一番大事だと思うから、誰に対しても名前で言うんだ。」

蘭「青柳教授以外はな。」

男性「富沢広一と申します。」

杉三「富沢広一ね。どうぞよろしく!」

と、右手を差し出す。

広一「寝たままですみませんが。」

と、それを握り返す。

杉三「いいってことよ。」

蘭「杉ちゃん、あんまりしゃべりすぎると、かえって疲れさせてしまうから、今日は眠らせてあげたら?」

杉三「いや、もう一個だけ。先ほど、使用人と言っていたけど、どこで働いているの?」

広一「どこって、個人の家庭ですよ。いわゆるヘルパーみたいなものです。規定上は、住み込みではないんですけどね。でも、ほぼ住み込みも同然ですよ。」

蘭「ああ、ヘルパーなんですね。このあたりに使用人がいる家庭なんて、どこにあったか、見当がつきませんでした。確かに需要に供給が追い付かないでしょうから、体を壊すのもある意味あり得ますよ。」

杉三「まあ、疲れすぎたのかな。」

蘭「そういうことか。」

杉三「まあいいじゃん。今日はここでゆっくりしてもらえば。」

蘭「じゃあ、そうしよう。ゆっくりさせてあげよう。」

広一「ありがとうございます。本当にすみません。まさか助けてもらえるとは、思いもしませんでした。」

杉三「いいってことよ。またね。あしたね。」

広一「ありがとうございます。」

蘭「おやすみなさい。」

空き部屋を出る杉三と蘭。

蘭「じゃあ、僕は、とりあえず、帰るけど、何かあったらすぐに言ってくれよ。たぶん僕がわずらった病気よりひどい人だと思うよ。」

杉三「わかったよ。ぶっ倒れちゃうんだもんな。」

蘭「じゃあ、お母さん、今日は帰りますが、また来ますので。」

美千恵「はあい。蘭さんも、今日はありがとう。」

蘭「じゃあ、そういうことで。」

と、車いすで玄関から出ていく。

杉三「お休み。」

蘭「お休み。」


真夜中。空き部屋の布団の中で横になっている広一。どうしても気になることがあり、眠ることができない。

声「眠れないの?」

広一「ええ。」

杉三が車いすで入ってくる。

杉三「どうしたの?僕でよければ話を聞くよ。」

広一「どうしても、気になる人がいて。」

杉三「気になる人?誰か好きな人でも?」

広一「そういう意味ではないのですが。」

杉三「じゃあ何?」

広一「僕が雇われてる家の、お嬢さんで。」

杉三「お嬢さん?」

広一「ええ。お嬢さんの、美咲ちゃんです。」

杉三「美咲ちゃん?」

広一「はい。奥様の娘さんであることは間違いありません。でも、それが違うような気がして。」

杉三「わかったよ。」

広一「わかってくれますか?奥様が、本当に美咲ちゃんのお母さんなのか、疑わしくなってしまうほどなんですよ。それで僕は、こっそり家を抜け出して、相談に行こうと思ったんです。でも、この体であったことは頭になかったので、向かう途中で公園にたどり着いたらわからなくなってしまって。本当に馬鹿ですよね。」

杉三「いや、そんなことないよ。僕も歩けたら、そのうちに乗り込んでいってもいいくらいだ。そんなに、子供さんに無関心な家なんだ。」

広一「無関心というより、悩んでいるという感じでした。僕は子供を持っていないので、何もわからないという理由から、一切育児には参加できませんでしたが、、、。」

杉三「なるほど。」

広一「だから、どうしても気になってしまって。きっと今日もどこかで叩かれているんじゃないかなって。」

杉三「そうか。幸い、さっき会った蘭の友達に、警察のお偉いさんもいるよ。だから、その人に相談してもいいんじゃない。」

広一「そうですか。ありがとうございます。でも、刑事事件にしてしまうと、美咲ちゃんがかわいそうだなと感じてしまうのも確かでして。」

杉三「それだからだめなんだ。悪い人はしっかり治してもらわなきゃ。そうしなければ美咲ちゃんは守れない。」

広一「そうなんですよね。どうしたらいいんだろう。」

杉三「僕なら、すぐに通報しちゃうけど?その彼女を助けるためであれば。」

広一「杉三さんは勇敢ですね。」

杉三「僕は杉ちゃんでいいよ。さん付けで呼ばれるほど偉くないので。それに勇敢なんかではなく、ただ、当たり前のことをしているだけだ。」

広一「そうですか。それは素晴らしい考えだとは思うのですが、僕は使用人でなければ何もできなくなってしまうのです。使用人をしていないと、僕自身が生きていけない。杉ちゃんは、こうしてお母様がいますけど、僕は家族も誰もおりません。それに体だって、医者に見られたら、すぐに使用人の仕事をやめろとか言われると思います。それは、僕にとってあってはならないことです。」

杉三「だったら、他の仕事に就けばいいじゃないか。それに、公園の池の前でぶっ倒れるほど体がつらいなら、使用人なんてやめたほうがいいんじゃない?」

広一「でも、ほかの仕事が何も見つからないし。」

杉三「そうだよなあ、それができれば苦労はしないよな。」

広一「いい教育を受けてきたわけでもないので、僕が何をできるかなんてわかりっこありません。結局、使用人になるしかできないんですよ。家事しか、できることがなかったので。この時代だからこそ、使用人として働くことはできますが、一昔前だったら、なんの仕事もできないで、死んでいたかもしれないのです。」

杉三「なるほどね。でも、その美咲ちゃんという女の子を助けてあげないと、君だけではなく、彼女も被害を受けることになるよ。それに彼女の被害のほうが、もっと甚大になるんじゃないの。君はいくつなのか知らないけど、美咲ちゃんという女の子は、もっと、長い人生が待っていると思うし。それが、ぶっつぶれになると、人生全部をなくすことにもなりかねないから。」

広一「杉ちゃんって、足が悪いのに、すごいんですね。」

杉三「すごくなんかないよ。ただの馬鹿の一つ覚えだと言ってくれ。明日、僕も君のうちへ行ってみていい?」

広一「ええ、来てください。」

杉三「打ち明けることができて、安心できた?」

広一「できたって、、、。」

杉三「はは、気が付かなかったの?」

広一「まあ、確かに、口に出していったことはありませんでしたけどね。」

杉三「口に出して言えば、きっと楽になるよ。気持ちの整理もつくしね。」

広一「そうですね。」

杉三「じゃあ、よく眠ってね。」

広一「はい。」

杉三「じゃあ、明日ね。」

と、部屋を静かに出ていく。


翌日。

朝食を食べに、杉三が食堂にやってくる。

杉三「あれ、広一君は?」

美千恵「なんか、調子が悪いみたいで、出てこないのよ。」

杉三「じゃあ、覗いてみる。」

美千恵「あんまり、体力を使わせるようなことはしちゃだめよ。」

杉三「わかったよ。」

と、車いすで空き部屋のほうへ行く。

杉三「広一君、大丈夫?」

返事がないので、杉三はドアを開けてしまう。

杉三「大丈夫?」

広一は、布団の上でぜいぜいと喘ぎながら苦しんでいる。

広一「ごめんなさい、、、。」

杉三「ごめんなさいじゃないよ。もう、早く何とかしないと、いけないじゃないか。お母ちゃん、今日、クリニックやってる?」

美千恵「えーと、ちょっと待って。ああ、やってるわよ。ちょうど今年の初日ね。連れていく?」

杉三「うん、すぐにお願い!」

美千恵「じゃあ行きましょうか。」

杉三「頼むよ。」

美千恵は、空き部屋に入って、

美千恵「ちょっとごめんなさいね。」

と、彼をよいしょと抱き上げて、車まで運んでいき、

美千恵「横になるより、座ってたほうが楽でしょう、どう?」

と、彼を助手席に座らせる。

杉三「僕もいっていい?」

美千恵「いわなくてもあんたは来るでしょうから。」

と、急いで杉三も、後部座席へ「格納」し、自分は運転席に座って

美千恵「さあ行くわよ!」

と、アクセルペダルを思いっきり踏んで、池本クリニックに向かって車を走らせていく。


池本クリニック。

院長「これはひどいですな。まあ、これはひどい。まあこれでよく、仕事なんかできたもんです。蘭さんを見た時もびっくりしたけど、彼はさらにひどい。全く、こんな人を雇ったというご家庭もどうかしてるんじゃないですか。」

杉三「そうなんですよ。今時使用人をおく家庭なんて、あんまり聞いたことないよね。」

院長「いや、彼には、そういう仕事をさせないほうが体のためだと思いますよ。まあ、使用人と言っても色々あるけど、何をやっていたんでしょうね。」

杉三「それは本人から聞かないとわかりませんよ、院長。まあ、院長であれば、バトラーを付けることもあると思うけど、おそらくそういう仕事であれば、ここまで体を悪くすることはないと思うぞ。」

院長「杉ちゃん、いくら院長でも、そういうことはしないけどね。」

杉三「まあ、それはいいや。でも、彼はどうしてそんな危険な仕事にわざわざついたんだろうね。僕はそこがわからないんだよね。今回。」

院長「そうだねえ。わざわざ使用人という仕事を選ばなくても、今の世の中であったら、他に何かあると思うんですけどね。」

杉三「本人は、それしか生きていく手段がないと言っていたけどね。いい教育を受けてないから、使用人にしかなれなかったんだって。得意なことが、家事労働しかないんだって。」

院長「でも、例えば料理ができるんだったら、使用人という職業ではなく、レストランのシェフとして働くこともできるんじゃないかな。」

杉三「うーん、僕もわからない。彼は、今までに出会った友達の中でも、謎が多い人物だ。」

院長「他人の個人的なところに突っ込むのはあまりよくないかもしれないが、医者として、適性のない仕事は、体を壊すばかりで、何も役には立たないと、言ってやりたいよ。」

杉三「でも、僕は彼を見捨てたり、いじめたりは絶対にしないからね!」












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