第6話

翌朝…

瑠奈『おじいちゃん!!!起きてってば!』

一哉『…うーん…』

瑠奈『おじいちゃん!!!!!大変なんだって!』

一哉『…zzz』

瑠奈『おじいちゃん…西村さんが来てるよ…』

一哉『は!?なんで!?』

瑠奈『いるわけないでしょ!!…でも…お客さんは多数お越しです…』

一哉『お客さん…?』

俺は制服に着替えてリビングへ向かった。

一哉『(…誰もいないじゃん…?)』

そう思って机の上に用意されてる食事をとろうとした。

…その時。


母『か、一哉!!ちょっと来なさい!』

玄関から呼び出す声が聞こえて俺は玄関へと向かった。

すると…そこにいたのは……。

美波『おはようございます!』

一哉『は!?!?』

そこにいたのは…撮影に行っているはずの美波が…俺の高校の制服を身にまとって…たっていた。

母『か、一哉…この人は…』

一哉『あ…えっと…』

美波『今日から青星高校に通う、櫻井美波です!』

一哉『は!?なんで!?…撮影は!?』

美波『今日と言っても丸一日仕事じゃないです』

一哉『で、でも…芸能科の高校は…』

美波『マネージャーさんの力でこっちの高校に入りました。

…あ、試験もうけましたよ?でも、元々私偏差値82なんで』

一哉『…』

母『…あの…一哉はなぜ…あなたのような芸能人と…?』

美波『昨日デートに誘われて!』

母『で、デート!?…あの…まずどうやって知り合いに…』

一哉『たまたま…ハンバーガーショップで転げ落ちてきて…』

母『は?』

瑠奈『あ!!!おば…お姉ちゃん知ってる!』

一哉『うん…(一応説明しておくと母には…友達の妹で預かってることになっている)』

母『瑠奈ちゃんも知ってるほどの女優さんが…ねぇ…』

一哉『とりあえず…そこで待っててくれる?』

母『女の子を外で待たせるんじゃありません。

あんたはもうごはん食べずに行きなさい。ほら』

母は俺に鞄を押し付けて俺を玄関から追い出した。

美波『大丈夫ですか…?ごはん食べなくて…』

一哉『あ、あぁ…多分…』

美波『じゃ、行きましょう!』

一哉『(これ…記者に見つかったらエライことに…いやいや…

その前に学校が…)』



そして…俺の予想通り…学校はパニックになっていた。

同級生A『一哉!!きいた!?あのモデルがこの学校来たらしいぞ!?』

一哉『あぁ…うん…』

同級生B『見に行こうぜ!…一哉も!』

一哉『いや、いいよ…俺は…』

しかし、同級生に無理矢理つれられ…1年の教室の前までやって来た。

なかでは…美波さんが囲まれていて…またもやパニックになっていた。

同級生A 『今は無理そうだし…放課後見に来ようぜ』

同級生B『そうだな…』

一哉『(大丈夫かな…)』

俺がそう思ったのもつかの間…美波さんの方を心配してみたとき…

目があってしまった。

美波『あ!一哉先輩~!』

一同『えっ!?』

一哉『!!!』

美波は俺に駆け寄って俺の手をとってきた。

美波『一哉先輩!…なんで見てたなら声かけてくれないんですか~…昨日みたいに』

一同『き、きのう!?!?』

一哉『あ、あぁ…?(これは…まずい…)』

俺は彼女に『こっちきて!』と言って屋上に向かって走り出した。

一同『えー!!!!!!』

一哉『(これは…本当にまずい…)』


ー屋上ー

一哉『お願いだから…学校では昨日のことあまり言わないで…』

美波『えー?いいじゃないですか!あれだけ楽しかったんですから!』

一哉『一応美波さんも…こーいうのはまずいんじゃ…』

俺は繋いだままの手を示して言った。

美波『え?昨日、先輩から繋いでくれましたよね?』

一哉『そうだけど…スキャンダル!とかなったら困るんじゃ…』

美波『あー…ですね…』

彼女は渋々といった感じで、手を離した。

一哉『美波さんは…今日何限までいるの?』

美波『美波でいいです』

一哉『あ、あぁ…美波は何限までいるの?』

美波『多分あと15分で迎えがきます』

一哉『15分!?4限始まるし…俺は行かなきゃ…』

美波『え?先輩もいくんですよ?』

一哉『は!?』

美波『昨日…芸能界で活躍してみたいって言ってたから…私役のモデルやってもらいます…もちろん、そのあとは瑠奈ちゃんも』

一哉『(瑠奈のためなのか…約束したらしいしなぁ…)わかったよ…』

美波『やった!じゃ、校門まで行きましょう!』

一哉『あ、あぁ…』

…と、俺は…このモデル少女に出会ったことで…

急遽男性モデルを一度やることになり…学校を早退した。

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