過去~大切な思い~思いは消えない

西野たくみ

第1話

『おじいちゃん!!おはよ!』

俺は…そんな声に起こされて目を覚ました。

一哉『なんだよ…瑠奈……』

瑠奈『おじいちゃん、今日学校でしょ?行かなきゃ』

一哉『だから……おじいちゃんじゃないし、勘違いしてるでしょ君…』

瑠奈『だーかーら!私の名前は櫻井瑠奈!!!正真正銘未来からやってきたあなたの孫です!!』

一哉『だから!!タイムスリップとかありえないから!!

タイムスリップをしたとして君が俺を殺したとしよう。

俺が死んだら俺を殺すはずの君は生まれない。

君が生まれてるということは俺は生きている。

俺が死んだら君はここにはいない…それどころ生まれないはずなの!それに名字違うし!!』

瑠奈『だって、殺してないもん!生まれないはずがないじゃん!』

一哉『例えだから!でも、結婚もしてない俺に孫がまずいるわけないでしょ!息子娘ならまだしも!!』

瑠奈『ママは仕事で忙しいの!!』

一哉『ママって…誰だよ…』

瑠奈『櫻井美月』

一哉『誰だよ…』

瑠奈『自分の娘の名前も知らないなんて…信じられない!』

一哉『はぁ!?だから!タイムスリップとか信じないから!』

瑠奈『私はおばあちゃんの名前だって知ってるんだからね!』

一哉『誰だよ…』

瑠奈『櫻井美波。ちなみにおじいちゃんは婿に来たんだって』

一哉『は!?!?!?なんで!?』

櫻井美波…こんなの誰もが知ってる名前だった。

なぜなら…この櫻井美波は俺より2つ下の超有名女優&モデル。

俺が出会えるはずもない…そんな人…。

瑠奈『そんなこと孫の私に聞かれてもねぇ…』

一哉『(待てよ…頭がこんがらがってきた…)』

瑠奈『ちなみに、お兄ちゃんもいるよ』

一哉『はあ!?…っていうか君は何歳…?』

瑠奈『私?今は高校1年生』

一哉『はぁー!!?!?!?!(まてよ…)』

俺は頭のなかで家族相関図を描いてみた。

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一哉『…ないないないない!!!』

瑠奈『だからー、いるんだって!ここに!あなたの!孫が!』

一哉『じゃあ、君はなぜここにきたの?』

瑠奈『うっ…それは言えない…』

一哉『やっぱり嘘なんだね?警察いくよ!』

瑠奈『あーまってまって!……家出…みたいなものかな』

一哉『はぁ?家出?家出で過去に?…あっはははは…』

俺はつい大笑いしてしまった。

瑠奈『進路のことでママにはパパみたいなお医者さんになりなさい!って言われたけど…私はモデルになりたいの!おばあちゃんみたいな女優になりたいの!』

一哉『だからって…なんで過去に笑』

瑠奈『おじいちゃんが言ったんじゃん!』

一哉『は?』

瑠奈『ママと喧嘩しておじいちゃんの家に言ったら、

俺も若ければなんでも手伝ってやったのになぁって!!

だから、私は来たんだよ!!』

一哉『なんでもできるわけないでしょ!モデルとか知らねぇし!…言うならその美波さんがいうでしょ!』

瑠奈『おばあちゃんいなかったんだもん!おじいちゃんに渋々言ったら『若ければ』って予想外の言葉を言ったんだよ!!』

一哉『はぁ…そもそも俺には好きな人が…』

瑠奈『西村愛理さん?』

一哉『は!?なんで知ってるの!?』

瑠奈『私が孫だから?おじいちゃん昔話ばっかするから

覚えちゃった』

一哉『ん…まてよ…西村ではなく櫻井さんと結婚してるということは…俺振られるの!?』

瑠奈『いや、振るんだよ』

一哉『えー!!?んなわけ…!俺は西村が好きなのに

なんで見ず知らずの女優と!?』

瑠奈『なんだったかなぁ…?…忘れちゃった。…とりあえず…学校は?』

一哉『なんで忘れて……あぁ!!』

俺は言われて時計を見ると残り…10分で遅刻だった。

俺は急いで制服に着替えて家を出た。

『早くいこう!』

…ん?

一哉『なんでお前がついてくるの!?』

瑠奈『え?私も一応おじいちゃんと同じ学校だもん』

一哉『それは…その未来の話だろ!?今は違うじゃん!?』

瑠奈『あ、大丈夫大丈夫ー!未来にいるおじいちゃんの音声使って転校することになってるからー!』

一哉『は…はぁー!!?!?!?』

瑠奈『まあまあ!急ぐよ!』


俺は…いきなりやってきた謎のタイムスリップ少女の瑠奈と…

生活していくことになったのだった。

そもそも、この少女がやってきたのは昨日の夜…。



俺がいつも通り…空を眺めていたときのことだった。

俺は星座を眺めながら、思いを寄せてる西村愛理のことを思っていた。…そして…付き合いたいなぁと心のなかで呟いたとき。

星空が急に光りだし…ポケ○ンのフラッシュという技を食らったのように目が一時的に見えなくなった。

その後…目を開けて空を見ると…普通の夜空になっていた。

なんだったんだと思いながらも学校もあるので

その日は眠ろうとした。…しかし…布団の上には見知らぬ女の子が…

普通に可愛い女の子が眠っていたのだった。

眠っていた彼女を俺は起こしたのだった。

…しかしそれが悲劇の始まりだった……

一哉『きみ…だれ…』

?『あなたは…櫻井…じゃなくて、水野一哉?』

一哉『そうだけど…だから、きみは?』

?『私は櫻井瑠奈!あなたの孫です!』

一哉『孫って…んなわけないでしょ…』

瑠奈『…zzz』

一哉『寝てるし…』

俺はその後警察に連絡したが信じてもらえるはずもなく…。

俺も眠りについた…これは夢だ…そう思いながら…。

夢のはずだったのだ…。

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