第12話 新生魔王と堕落した“元”女神


 工房の風呂場にアルテミスの声が響く。


「さぁジュノ様。どうか再び、わたくしに悦楽の一時を……」

「むぐ……」


 壁に追い詰められた俺は、どうするべきか思案した。

 アルテミスの転移魔法に巻き込まれた――その状況を察したときには、もう風呂場に着いていた。肉体を得た当初、リリスにたっぷり搾り取られた場所だ。

 俺は逃げ出そうと扉に走ったが、そこは世界最強クラスの魔術師・アルテミスだ。抜かりなく、しっかり施錠魔法をかけていた。解呪には少々の時間が……。


 むにゅんっ。


 だが、俺の思考はそこで断たれた。

 アルテミスがこちらに抱きつき、ふかふかした二つの宝玉を大胆にも押しつけてきたからだ。


「ジュノ様……。どうか、どうかぁ……」

「くっ、なんたる柔らかさだ……」


 大人しそうで柔和な面持ち。まるで文学を愛する深窓の令嬢だ。

 にもかかわらず、アルテミスは瞳を艶やかに濡らし、上目づかいに快楽を欲している。

 落ち着いた外見と淫らな行動のギャップに、頭とツノが痺れてくる。

 あぁ……股間にそびえる暗黒剣が、第二形態にクラスチェンジしてしまう。


 と、そのとき。


「わたくしの膨らみも……ジュノ様のものです」


 アルテミスは俺の手を取ると、自身の乳※へ持っていったのだ。


 むにゅぅぅ……ほよんっ。


「ぁんっ! ジュノ様の手、とってもおっきぃです……」


 手のひらに触れた空前絶後の柔らかさに、俺は衝撃を受けた。

 ローブ越しだというのに、指先がとろけるような錯覚に陥ったのだ。

 やはり乳※は奥が深い。

 昨日と今日とでは、触りごこちが違うのだ。

 それは俺たちの関係が変わったからなのか、シチュエーションが変わったからなのか……。これは考察に値するぞ。


「やるしかあるまい。俺は……魔王だからな」

「はいっ。ジュノ様、よろしくおねがいします」


 アルテミスはふんわりと笑みを浮かべた。

 そして鼻歌をうたいながらローブに手をかけたが、


「待つのだ」


 俺は、彼女の肩をそっと掴んだ。


「この身体を得てから、俺は多くのことを学んできた。おなごがすぐに服を脱ぎ捨てるなど、愚の骨頂である。まずは着衣にて儀式に入り、徐々に柔肌をさらけ出してこそ、その美しさを十二分に堪能したと言えるのだ」

「まぁ、なんという深遠な考察……!」

「服装とは立場の象徴でもある。お前が身につけたローブ――。これは六芒の女神であったお前の象徴だ。まずはこれを着たまま儀式を堪能し、だんだんと脱がせていくことで、神族から魔族への転身の暗喩とする。それでこそ儀式。それでこそ興奮が喚起されるのだと、俺は思っている!」


 そこまで力説すると、アルテミスはほんのりと頬を染めた。


「……つまりジュノ様は、わたくしとの交わりを存分に愉しみたいとお考えなのですね? ふふっ、嬉しいです」


 あまり伝わっていない気もするが、まあいい。

 これはあくまで尊き儀式。

 断じて性欲を満たすための戯れではないのだ。


 俺はシャワーの蛇口をひねった。すると、すぐに管の先端部から柔らかな水流がやって来る。

 指先で湯に触れ、熱すぎないか確認する。アルテミスが火傷をしては大変だ。

 ……よし。少しぬるいが、これぐらいがちょうどいいだろう。


「ジュノ様、なにを……きゃんっ!」

「フハハハハハハ!」


 俺はシャワーヘッドをアルテミスに向けたのだ。

 彼女の熟れた肉体を隠す、ゆるめのローブ。そこに湯をかけることで、女体のラインを際立たせるのである!


「あぅ、ジュノ様……身体、透けて……」

「よいではないか。案ずるなアルテミス。お前の身体は、すごく……いい」


 濡れそぼったローブが、アルテミスの身体に貼りついていく。

 たわわな※※も、むっちりとした腰も、ややだらしない尻も、すべてのラインが丸わかりになったのだ。


「あぁ……こ、こんなの恥ずかしいです……。ジュノ様、いじわるです……」


 頬を染めきったアルテミスが、自身の身体をむぎゅっと抱いた。

 しかし、これはむしろ俺を悦ばせた。

 生地が引っ張られ、豊かな胸の形がいっそう強調される結果になったのである。


「ほぅ。今日はもう勃っているのだな」

「…………はい」


 恥じらいを噛み殺すように、アルテミスが小さくうなずく。

 丸く、ふくよかな双丘の中心――。そこの生地が二箇所、もこっと盛り上がっているのだ。

 俺はシャワーヘッドを左右に素早く動かした。


「あぁっ、はぁんっ……。焦らさないで、くだっ……あぁぁっ!」


 二つのいやらしい突起を、水流を使って何度も弾く。

 そのたびに、アルテミスはくねるような声を上げた。

 本来ならば、ローブの上から徹底的に※※をいじり、吸い、舐め回すといった工程を経て、やっと柔肌を拝むべきなのだが――もはや、辛抱たまらぬ。


「アルテミス……」


 俺は彼女の耳もとでささやき、聖なるローブに手をかけた。背中のボタンを外し、ゆっくり、ゆっくりと白い肌を露わにさせていく。


「んぁっ……そんな、ジュノ様、いけません……っ」


 眉を下げて身をよじり、ためらいの言葉を口にするアルテミス。

 だが実際は、俺がローブを脱がせやすいように、巧みに動いてくれている。

 わかっていても口にしない。双方の歩み寄りが、儀式には肝要だ。


「さあ、運命の時だ――」

「はぁ、はぁ……。あぁぁ、恥ずかしいです……」


 俺は腕に力を込め、ローブを勢いよくずり下ろした。

 今にもこぼれ落ちそうだった胸の膨らみが――弾ける。


 たっぷんっ! どたぷん!


 脱衣の勢いで、アルテミスの双丘が大きく暴れた。

 幸せな質量をたっぷり帯びた、豊かにもほどがある二つの膨らみ。

 快楽を求めて膨れ上がった乳※。

 やや大きめだが、色素の薄い※輪。


「あぁぁ、ジュノ様……。お顔が近すぎて、恥ずかしくて……わたくし、おかしくなってしまいそうですよぉ……」


 気がつけば、俺はアルテミスの※※を至近距離で凝視していた。昨日もジッと観察したが、なぜか今日の方が魅力的に感じられる。

 優しげで大人しい少女が、こんなにもいやらしい宝物を隠し持っていた――。

 その事実が、彼女の魅力を引き立てているに違いない。

 一も二もなく、俺は※乳に手を添えた。

 ゆっくり、噛みしめるように指先を動かし、柔肉の中へ埋没させていく。


「はあぁぁ……」


 我知らず、ため息が洩れた。

 あまりの柔らかさに、心も身体もとろけるような心地がしたのだ。


「ぁんっ! はぁっ、ジュノ様ぁ……ふゃんっ! ぁ、ああぁぁっ、手つき、んぅっ、いやらしいです……!」


 一心不乱に指を動かす。

 柔らかな肉に、指先がむにゅっと埋まるのだ。

 その快感といったら……思わず頬が緩んでしまうほどだ。


「これほど柔らかなものが、この世にあったとは……」

「はぁ、はぁ……あぁぁっ……ジュノ様、ジュノ様ぁ……」

「アルテミス、謝罪しよう。駄肉の女神などと言って悪かった。この感触を味わったら、あらゆる争いも諍いも、どうでもよくなるだろう。お前の豊かすぎる※※は、世界平和の礎になるやもしれん……!」

「あっ……。ジュノ様ったら」


 そのとき、アルテミスの視線が下を向いた。頬の赤みが増す。

 彼女が何を見ているのか――もはや訊ねるまでもない。

 すでに俺の※※は、ズボンを突き破らんばかりに力を得ていたのだから。


「失礼します……」


 ていねいに一礼してから、アルテミスは俺の前でひざまずいた。

 そしてズボンをずり下ろし、俺の暗黒無双剣を解放したのだ。


「あぁぁ、なんて逞しい……。先っぽ……意外とツヤツヤしているのですね」


 露出した先端部分は、血液が集まりすぎて赤黒く照り輝いている。

 そこを凝視し、アルテミスが目を白黒させる。

 彼女はおもむろに※※に手を添えると、


「はぁぁ……熱いですぅ……」


 ※※※※を、自身の頬に押し当てた。

 その表情は深く陶酔したような、うっとり夢心地である。


「これが、ジュノ様の※※……。あぁっ、頬に感じます。こんなに力強く脈打って……。わたくしのお胸が、お気に召したということですね?」


 脈動する※に頬ずりしながら、アルテミスが上目づかいに訊ねてくる。

 雪白の美貌と、黒光りする※※※※※※。

 そのコントラストに興奮を刺激され、頭とツノがジンジンしてきた。

 アルテミスは穏やかに微笑み、


「ご安心ください。殿方を悦ばせる作法は、永きにわたる時をかけ、他の六芒の女神たちとたっぷりお勉強してきましたから。もちろん実践は初めてですが……」


 俺の身体をやんわりと押し倒した。


「天界は風紀まで壊滅的なのか……。やはり、滅ぼさねば」


 アルテミスにされるがまま、風呂場の床に寝転がる。仰向けの姿勢だ。

 何をするのかと思っていると――。


「ジュノ様、失礼します……」


 アルテミスが、俺の下半身にのしかかってきた。太ももに、彼女の※※が押し当てられている。なんたる柔らかさ……。下半身がとろけてしまいそうだ。


「ハッ。もしや、その胸で――?」

「ふふっ、さすがジュノ様。お察しのとおり……ですっ」

「ふぬぅっ!」


 ですっ、の声とともに、なんとアルテミスは、その深い谷間に俺の肉丸太を挟み込んだのだ。さらに左右から乳※を押し、幸せな圧迫を加えてきた!


「うぅっ、はぁ……! こ、こんなことが……!」

「あぁ……。わたくしのおっぱいの間で、ジュノ様のものが跳ねていますよ? はぁ、はぁ、なんて愛らしいのでしょう……」


 アルテミスが律動を開始する。

 ぢゅるっ、ぶちゅっ、ぐちゅ、といやらしい音色が浴室内に反響する。


「うっ、ぐう……!」


 くっ。なんと情けない! しかし心を保とうにも、すぐに快楽が塗りつぶしてくる。

 ※※に伝わるアルテミスの体温。好色に染まった彼女の美貌。

 あぁ、股間どころか、心まで溶け落ちてしまいそうだ……。


 ――幕切れは唐突に訪れた。

 腰にじわっと痺れが走ったと、そう思った直後。

 脳天を快感が貫き、俺は肉大砲の先端から白濁した※※をほとばしらせた。


「あっ、ぁんっ! あぁぁ、すごいですっ……。こぉんなに……」


 だんだんとペースをゆるめ、アルテミスが半身を起こす。

 彼女の深い谷間も、奥ゆかしい美貌も、今や多量の白※液でドロドロに穢されている。

 だが、むしろそれを愉しむように、


「はむっ、ちゅる……。んん~っ……」


 ※※※※を指先ですくい取り、アルテミスはちゅぱちゅぱと味わっていった。


「はぁぁっ、この味……。ジュノ様のいやらしいミルクぅ……んんっ、イク……!」


 ビクッ、ビクン! 彼女の身体が跳ねる。頬は色づき、視線はうつろだ。

 もしかして達したのか? 俺の魔王汁を舐めることで?


「ぢゅるっ、ぢゅるるる……あぁぁっ」


 そこから先も、アルテミスは※※をすすっては飲み込み、すすっては飲み込み、何度も絶頂に打ち震えた。

 物腰柔らかな深窓の令嬢が、こんなにも※※※に執着している――。

 アルテミスが恍惚の表情を浮かべるたび、俺の股間は徐々に硬さを取り戻した。


「……! ジュノ様、まだまだできそうなのですね?」


 アルテミスに気づかれた!

 彼女は俺ににじり寄り、キラキラと瞳を輝かせる。


「お次はどうしましょう? また胸でしますか? それともおクチで? もしくは、太ももや腋の下に挟んで……」


 と、魅惑の提案を並べてくる。

 それらの光景を想像し、俺の小魔王が岩をも凌ぐ硬さを手に入れたところで。



「そこまでよ、アルテミス!!」



 風呂場の扉が、粉々に弾け飛んだ。

 そして一人の金髪少女が飛び込んでくる。

 神聖アルテミス王国“元”第四王女、スピカ・フォン=シュピーゲルベルク。

 なぜか彼女は、バスタオルを身体に巻いただけの姿だった。

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