ショートショート① 『大きな穴』

Oer.Tise

大きな穴

最初にこの穴に気づいたのは1人の青年だった。


ごくごく普通の家に育って、ごくごく普通の学校に行って

ごくごく普通の生活をしてる青年だった。


その穴はその青年の家から少し離れた所にあった。


その穴に気づいた理由は、その穴は、青年の通学路沿いにあったからだ。


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でもおかしいな?昨日まではそんなもの無かったのに・・・


そう思う青年。穴を覗いて見よう。

やっぱり怖いからやめようかな。

だけど怖いよりも好奇心が僕の心の中で勝った。


覗いてみる。底が見えない。ひとまず回りの人に知らせる事にしよう


「へい。そこの男の人!ここに穴があるのはなんでですか?」


「穴ぁ?」


そう聞くもんだから、僕は得意気になって、穴を紹介する


「じゃーん。穴です」


「穴だな・・・こりゃどーみても穴だな」


「穴ですって」


「底見えないなぁ・・・でも穴だな」


「だから穴ですって」


すると、その男の人はまた回りの女の人に声をかける


「穴があるぞ!」


その女の人も驚いてくれるかな。と思ったが


「サイテー!変態男!」


と足早に去っていった


途中まで意味がわからなかったが納得して1人で笑っていた。

ってそんなこたぁ、どうでもいいんだ。


僕はこの穴についての情報を拡散した。


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時は流れ

3ヶ月後、またたくまにその穴は一躍、時の人となった。間違えた。

その穴は一躍、時の穴となった。


それについての専門家の意見等が出た。


あんまり僕は良く分かっていない。

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1年後

その穴は廃棄所と化した。穴の回りには頑丈な柵があって、間からゴミを流し込む。

ここ5ヶ月ぐらいずっとゴミを入れてるんだけど本当にいっぱいにならない。

ゴミの面影さえも見れないのだ。



そうして廃棄所と化した穴には都市伝説がある。

なんでも、その穴に子供が2人落ちたという。


まだ救出できてないが・・・。

無事だといいのだが。そう祈る事しかできない。



それから、危ないという理由で穴は埋め立てられた。

いつしか穴の話題さえも消えかかっていた。


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何億年か経つ。


人類が存在していた街はいつしか荒野になり、人類は滅亡した。


空から何かが降ってくる。


子供だ。男と女の子供が二人降ってくる。


空から何かが降ってくる。


袋だ。袋がたくさん降ってきた。


その袋は土へと還る。


やがて荒野に、自然が生まれる。


文明が発展する。


大きな街が栄える。


やがて、その男女は子供を2人産んだ。


いつの間に在った穴に子供を2人優しく入れる


そして時は過ぎ果てる



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