第53話リン2
《肉がい》
私は目を開けると元の戦場に戻っていた。
「リンちゃん。すぐに終わらせるから」
私は氷でできた剣を消す。そして私はこう言う。
「
私は氷を纏い魔道士のような姿になる。
『ダッ!』
リンはものすごいスピードで私に斬りかかる。
「氷よ私を守って」
私はそう言った瞬間、リンと私の間に氷の防壁ができる。
『キンッ』
リンが持っていた鎌が氷の防壁によって弾かれる。
「リンちゃんごめんね。氷よ捕縛しろ」
氷がリンの体を包み込み顔以外の場所を凍らせる。
「これで終わりだから」
私はリンの頭上に先の尖った氷柱を生成する。
「じゃあねリンちゃん」
私が腕を振り下ろすと同時に、リンの頭上の氷柱もリンめがけて落ちる。
『ズドォォォン』
大きな音とともに土煙が出る。
「これで終わったかな」
私はリンがいたところを見る。
「な、何あれ」
私は今、信じられないものを見ている。リンの頭上にはボール型の肉があった。
「何、あれ」
そのボールには所々人間の体の部位らしきものが見える。
「アクア! 大丈夫か?!」
フェルトが私に声をかけてくれる。
「フェルト、あれ何?」
「・・・・・あれは」
フェルトは少し口ごもる。
「あれは、僕たちが倒した死体たちが集まってできた人間の肉の塊だ」
私はこの答えを予想していた。だが、信じたくなかった。なぜなら、その答えはあまりにも酷いから。
私は急に吐き気がする。
「おえっ」
私は地面に向けて食べたものを吐く。
「アクア、もう休んで。リンじゃなきゃ壊せるから」
フェルトはそう言って私にフェルトが来ていた上着を私の顔を隠すようにかけてくれる。今の私にはそれだけで嬉しかった。
「さぁ、肉の塊。僕が相手だ」
フェルトは刀に黒い炎を纏わせる。
「・・たず・・・・だし・・・・ここドゴ・・・・わたじ・・・」
色々な人の声が途切れ途切れで肉の塊から聞こえてくる。
「うるさい」
フェルトはそう言って黒い炎を纏った刀で肉を斬る。
「ウヒ・・・そんな・・ごうげききかない」
ボール型の肉はそう言って体を修復する。
「効かないのか」
フェルトは殺気を出して吐き捨てる。
「もうちょっと・・・おもじろいことしようよ」
肉の塊は下にいるリンに接触する。
「おい、まさか」
フェルトは走る。だが、肉の塊のする行動を防ぐに遅い。
「これで・・・ぎゅうしゅうがんりょう」
肉の塊はリンを完全に体の一部にする。
「リンちゃん!」
私は肉の塊に攻撃するために立ち上がる。だが、それよりも早く動いて攻撃した人がいた。
「リンを返せ!」
フェルトだ、これまでとは比較にならないほどの殺気を放ちながら肉の塊を斬っていく。
「ぞんなことじたら、このむずめもキズ付けるごとになるぞ」
肉の塊はそう言ってリ顔ンを肉の塊の表面に出す。
「・・・・・っ」
フェルトは攻撃を止めた。その隙を狙ってか、肉の塊は肉で巨大な腕を生成しフェルトを殴る。
「どガッ」
フェルトはそのまま地面に激突する。
「フェルト!」
私はすぐにフェルトに駆け寄る。
「僕は、大事なものだけじゃなくて本当の妹さえ守れないほど弱いんだな」
フェルトは右腕で両目を隠しいう。
「そんなことない、フェルトは私を助けてくれた」
私はすぐにフェルトの言ったことを否定する。
「フェルトがいなかったら、私は今もまだ人を殺したりして親の仇も取れずにキラーズにいたままだったかもしれない」
「それはあくまで可能性の話だろ」
「でも、今私がここにいるのはフェルトのおかげだよ」
私は今の自分の気持ちを素直に伝える。
「フェルトがいなかったら、私は感情なんて取り戻さなかった。でも、フェルトに助けられて私は嬉しかったんだよ、それだけじゃない。フェルトが私を守るって言ってくれた時だって、私のために命をかけてくれたりしてくれて、私は本当に嬉しかった。だから、今度は私がフェルトの力になりたい」
私はそう言った後、肉の塊を睨む。
「だから、少しだけ待ってて。私がリンちゃんを取り戻すから」
私はそう言って髪に刺していたかんざしを取る。
「異道具、私に応えて」
私はかんざしの先を肉の塊に向け呟く。瞬間、かんざしから赤い炎が出る。
「さぁ、いくよ」
私はかんざしに意識を集中する。
《時間》
「炎よ踊れ」
アクアが手に持つかんざしから炎が出て、アクアの言葉に応えるかのように何個か炎の球をだし、楽しそうに空中をさまよっている。
「氷も踊れ」
今度は空中に氷の球が生成され、その氷の球も炎の球と同じく空中をさまよう。
「二つの踊りは重なり合い最強の一撃へと変化する」
アクアが言った瞬間、炎の球と氷の球が合わさり一つの小さな球体になる。
「弾は無限に放たれ、敵を討ち亡ぼす」
小さな球体から、無数の炎や氷が放出される。
『ドガドガドガドガ』
無数の炎と氷は肉の塊に当たる。
「いだいぞ」
肉の塊はそう言って肉で楯を突くる。だがそれも意味がなかった。
無数の炎と氷はその盾を簡単に貫通して肉の塊に当たる。そして不思議なことにリンがいるところにだけは1発も当たっていない。
「リンちゃんは、返してもらう」
アクアはそう言ってかんざしをふる。そして気づいたらアクアはリンの死体を抱えていた。
「フェルト、あとはよろしく」
アクアはそういうと地面に倒れる。
「ああ、任せてくれ」
僕はすぐに刀を持つ手の力を強める。
「ここからが、僕の本気だ!」
僕は肉の塊に斬りかかる。
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