雨ニモマケズ 現代版
この文書は宮沢賢治さんの著書『雨ニモマケズ』を現代版として改編したオマージュ作品です。
雨ニモマケズ 風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
朝ハ風船が割れるように目覚メ
へそが天井にくっつかんばかりの勢いで跳ね起キ
滝を浴びるかのように顔を洗ウ
服を脱げばバレエの踊りのごとく軽ヤカデ
シャツに袖を通せばリズム楽器のように鋭い音を鳴ラシ
改札ではブランドショーのモデルの様に颯爽と風を靡カセ
疲労感漂う満員の車内でも常に笑みを絶ヤサズ
下車する際には運転席まで行き車掌に深々とお辞儀をスル
慾ハナク
太陽ノゴトク晴レヤカニ挨拶ヲシ
業務の下準備は一斉の乱れもなく完璧に整え
寸分の狂イモナク焦点の合った写真ノヤウニ存在感がアリ
決シテ瞋ラズ
タブレットのパネルに凹凸の窪みが出来ル程テクノロジーヲ使イコナイシ
上司ガ不注意にてミスを犯す気配を先に察知スレバ、未然に防ギ
平静を装う風邪気味の部下の机へ柑橘系の果実を自然に置ク
常に傍ヲ楽にサセ向日葵畑ノヤウニ笑イヲ咲カセ
時勢の流レガ起コルヨリ前に既二未来ヲ体験シ
濁流ノ大河ノ船頭トシテ棹をサシ
サムサノナツハオロオロアルキ
未知の分野モ即座ニ本質ヲ見極メ全体像ヲ捉エ分類シ
ソレラヲ自己ノ武具トシ身二付ケ応用ヲ企テ
自ラノ目標ヲ淡々ト達成シ
他人ノ悲シミニモ回セル程ノ余裕ヲ常に持チ
見返リヲ求メズヒタスラ傍ヲ楽にシ向日葵ヲ咲カセ
ヒドリノトキハナミダヲナガス
ダガ
石ヲ殴ラバ拳ガ痛ムヤウニ
腐リシ飯ヲ食ラワバ腹ヲ下スヤウニ
サウイウ者デ 私ハナイ
タダ
上記ノ文ニテ用イラレタ非現実ナ比喩比喩が内包ス
意味ト精神ノ膨大なエネルギーを一つにマトメ
得モ言エヌ壮大ナル圧力ヲモッテ
目視デキヌ原子ヨリ微小ノ素粒子ニモ満タナイ大キサマデ圧縮サセ
圧倒的なエネルギーが凝縮された微小の玉粒を口腔へと流し込み
腹ノサラニ底ニアル肚ノ中カラ
一気ニソノ膨大ナエネルギーヲ
叫ブカノ如ク虚空ヘト一気ニ爆発サセル
ミンナニデクノボートヨバレ
刹那、世界ハ世界ヲ変エ
光線ト大爆音ヲ伴ッテ弾ケ飛ビ
ソノ音ハ生ケル全テノ生物ノ可聴域ヲ遥カ二上回リ
故ニ、透明ナ無音ノ爆音ガ大気ヲ歪マス振動トシテ響キ渡リ
ホメラレモセズ
何万層ニモ及ブ光ノ層ガ暗然タル世界ヲ白金色に照ラシ
青キ星ノ色彩ヲ鮮ヤカニ包ミ込ミ
クニモサレズ
壮大ニ佇ム銀河ノ暗黒ノ空間ヲ
溢レル浴槽ノ湯水ノヤウニ光デ満タシ
遥カ彼方ノ無限ノ星々トモ秒スラカカラズ激突シ
散在スルチリヂリノ星屑ノ破片ヲ宙へ放チ
夜空ノ星座ガ見タ事モ無イ光ノ粒子ノキラメキヘト変ワル程
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
引用著書:『雨ニモマケズ』宮沢賢治
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