同じ色

@omisonano

第1話    帰り道

物心ついた時から なんだか 決まっていたんじゃないかって思うことがる

それは多分 いや皆思う瞬間はあるのだろうけれども


私の場合____選べない人生 だった



記憶を遡っても 他人の記憶で構築されていく


私は___知らない

私は____覚えがない

私は__


記憶は小学生3年生頃から 母一人 野良猫一匹

母は温泉街での旅館の中居をしていた____


学校の帰り道 私は決まって ピノキオ という駄菓子屋さんに友達と足を運ぶ

駄菓子屋で ピノキオ____

窓ガラスから 一つ一つ四角い箱に 駄菓子が綺麗に並べられたお店

10円片手に 何を買おうか 悩むくせして いつも同じやつ


私  「これくださぁーい!!」

あやか「まってぇー!」

息子 「はいはい いつも にこにこかわいいね ありがとう」


何が面白いとか 何が楽しいとか

理解していないけれども そのいつもの帰り道は楽しかった。


話しながら 寄り道しながら 先に友達の家に着く


あやか「〇〇ちゃんまたね!あしたびっくりするよ!」

私  「うん!たのしみ ばいばい」


大きく手を振って 大げさに__両手でお別れする


その両手は 独りになった瞬間 無意識にランドセルの肩を強く握りしめた____




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