僕の瑠璃は時空を超えて

一榮 めぐみ

第1話 僕

 目蓋を開く。


 また、やってしまった。

 自責の想いだけが僕を支配する。


 僕は、時々、無茶な戦いをしてしまい、その場に倒れて夢を見る。

 その代償のように記憶が抜け落ちる。今回は何を失くしたのだろう。


 記憶を巡らせながら、目の前に落ちている大剣に手を伸ばす。


 レーヴァテイン。


 誰かが僕の剣をそう呼んでいた。


 何処でどうやって手に入れたのかは覚えていない。


 荒野を歩き、ある国を目指していた。


 僕のお姫様があの国にいる。


 どうやって此処まで来たのかは思い出せない。


 何処でお姫様があの国にいると知ったのかも思い出せない。


 ただ、僕は命に変えてお姫様を守る。


 そのために生かされていることを知っている。


 だから、あの国に行くんだ。


 この、レーヴァテインと共に。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る