第6話

美月目線1

私は先輩にどうしても

聞きたいことがあってみんなに頼んで

二人きりで帰っていた

先輩はいつも通りに

話しかけてくれる

北野『美月、どうしたの急に』

私『なにがですか?』

北野『一緒に帰ろうなんてさ』

私『先輩に聞きたいことがあって…』

そう言いながら私は立ち止まった

北野先輩は不思議そうに

北野『聞きたいこと?なんだよ?』

と聞いてくる

私は迷いながらもストレートに聞いてみた

私『引退試合の時…先輩の試合は

勝てない試合じゃなかったはずです

実力は互角だったはずなのに

なんで勝負にでなかったんですか?

高校推薦をもらうための最後の試合だったのに…』

私がそう言うと北野先輩は

最初驚いたような顔をして

北野『…いや勝てない試合だったよ』

と軽く答えてきた

私は納得できず

私『だって…正直言って

あの相手なら一哉だって勝てるレベルのはずです。ベスト8の先輩なら…』

私がそこまで言った途端…先輩が

北野『美月、お前に何がわかるんだ…

確かに実力は互角だった

勝てない試合じゃなかった

なのに負けた。言い訳なんかしないお前ならわかるはずだろ。

俺は手を抜いたりもしてない

負けたのは俺の実力不足それだけのことだ』

そう言って先輩は険しい表情のまま

一人でかえって行ってしまった…

私は『先輩…なんで…』そう言ったが

先輩は振り替えることなく帰っていった

(北野先輩…なんか変だな…)

そう思いながらも…怒らせてしまった以上

追いかけても仕方ないので

私も帰ることにした



一哉目線


井上先輩にとことんやられた

1年生はボロボロになりながら

蓮『やっぱ先輩強い…』

勇紀『少しはやれると思ったんだけどな…』

などと呟きながら歩いていた

井上先輩は『まだまだ甘い!

俺に勝とうなどはやいわ!』と

ふざけていつものように笑っていた

中村『調子に乗るんじゃないよ祐

もうちょっと優しくしてもよかったんじゃない?』などといいながら笑っていた

俺『本当に先輩は帝南にするんですか?』と聞くと

二人は『もちろん』と即答した

瑠夏『じゃあ、また練習来てくれるんですか?』

井上『また、たるんでるっていう知らせが入ったらな~!』

中村『私は呼んでくれればいつでも来るよ』

将太『中村先輩だけでいいかも…』

井上先輩は『将太!どうゆうことだ!

もう一回鍛え直してやろうか?』

と睨みながら言っていた

将太『す、すいません!

井上先輩も来ないとやっぱ練習にならないです!なぁ!蓮、勇紀!西野!』

蓮&勇紀『もちろんです!』

瑠夏『北野先輩も必要です!』

その光景を見ていた七瀬と中村先輩が

笑いだした

七瀬『なにやってるんですか~』

中村『バカなこといってるんじゃないの』

みんなで1ヶ月半ぶりに笑いながら帰っていった

(たまにはこういうのもいいもんだな…

美月…なんでわざわざ二人きりになって話を…まあいいか)

中村『西野君?大丈夫?』

俺『あ、え、何がですか?』

中村『ずっと黙ってるからさ』

井上『なんだ、またなんか言われたのか?』

将太『西野、お前最近変だぞ?』

俺『なんでもないです!

こうやってみんなで帰るのって久しぶりだから…楽しいなって思ってただけです!

将太、変じゃないわ!』

中村『ならいいけど…』

将太『お、おう?ならいいけど!』

美月と先輩のことを考えてたことは

心のうちに秘めておくことにして

笑っていた



7話につづく

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