向こう側の貴方へ

水樹朔也

プロローグ

「貴方は不器用で。誰かの愛がなければ死んでしまう、難しい生き方しかできない、私の愛する貴方。これから人一倍苦労するでしょう。人一倍、泣いて、悩んでしまうでしょう。

でも、そんな醜くて、儚い貴方だからこそ、人間らしくて、美しいのですよ。

どうか、自分を、捨てないで——」

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