第6話 彼岸の頃

彼岸の頃

雑司が谷霊園を散策していると、

急に、花を抱える異様なドレスの女性が現れた、

その背後には、老婆が、桶と柄杓を持ってゆっくり歩いて来た。


すれ違えない道なので会釈した。


2人とも、あまりにぎこちない歩行で、墓参って大変だ。


ただ、振り返ると、もう、その姿は、どこにもなかった。

来た道は、どこまでも、金木犀のような香水が漂う・・・

だから、その事象は、確かだろう。

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