完結編

俺達は夜明けまでとことん予行練習をやっていた。

俺は…渡邉の拳をモロに食らっている。

渡邉を俺と太一、美玲で倒せないと…赤坂は倒せない。

俺は太一と作戦を練っていた。

明里が赤坂に殴られてやられたところを見ると…

美玲だろうが渡邉は容赦なく、殴ってくるだろう。


美玲『ねぇ…私もすこしは戦いたい!』

一哉『だから…下手に動くと怪我するよ?俺みたいに』

太一『美玲はモデル目指すんでしょ?だったら怪我なんかしちゃダメだよ』

美玲『でも…明里を殴られたのは私のせいだもん』

太一『明里は…赤坂に果敢に挑んだだけだよ。だから美玲の責任はないの』

一哉『そう…責任は俺にある…あっ!!』

俺はそこで美玲にしか出来ないことを思い付いた。

一哉『美玲はダンスが得意…体力あるよね?』

美玲『うん…?』

一哉『だから、学校中の蒸気が発生してるかを確認してほしい』

美玲『でも…結局戦えないじゃん!』

一哉『いや、だなら!確認してから俺達のとこにきて…

もしも、俺達が負けてたら…挑んでほしい』

美玲『でも…それじゃあ…』

太一『大丈夫だから従って?』

美玲『……わかった』

一哉『絶対勝つよ。渡邉をおさえて赤坂排除を確実にする』

真春『ま、私達は確実に蒸気を発生させる』

勇紀『俺は真春に指示を出してから、赤坂のとこへいく』

一哉『え!?』

勇紀『知らない訳じゃねぇだろ?弓道は即射てるわけではないんだ。引く時間が必ず必要になるし、狙いも定めなきゃいけない』

一哉『じゃあ…お前はその間に狙われないための囮をやるってことか?』

勇紀『あぁ』

一哉『…わかった。俺もすぐに渡邉を倒してすぐに向かう』

勇紀『頑張ってこらえるよ。渡邉と赤坂は俺達をリタイアさせることが目的。ナイフでやってくるのは最後だと思う』

一哉『だな。必ず助けるから…。頼む…こらえてくれ』

勇紀『もちろん』


俺達は…それぞれの思いを胸に夜明けを迎えた。



一哉『作戦1チーム…行動開始。2と4チーム行動開始そして待機』

1.2.4『おう!』

1.2.4のチームが行動を開始する。

勇紀『じゃ、俺達はパソコン室に戻る。検討を祈る』

一哉『あぁ、頼んだ』

勇紀たちも、ゆっくりと向かっていった。

俺は直人に電話を掛けた。


TEL

直人『もしもし?…まだ開いてない…』

一哉『(さて…どう出てくる?)』

直人『あ、開く!切るぞ!』


俺は一方的に電話を切られた。

しかし、すぐに真春に電話をかけた。


TEL

一哉『真春!行動開始!うごけ!』

真春『了解』


一哉『いくぞ!太一!美玲!』

太一『おう!』

美玲『うん!!』


俺達も行動を開始した。

太一『急ごう…時間的にもう教師達が動き始めてるはず…』

一哉『あぁ…急ごう』


しかし…職員室の前を通ろうとしたとき、俺達は信じられないものを見てしまった。


一哉『…なんだよこれ…』

太一『そういえば…脱落者の名前の中に教師がいなかった…?』

一哉『やばい…計画が狂う…急いで連絡…』

俺は目の前からやってくる赤坂と渡邉に言葉を失った。


赤坂『さて、教師に逆らった生徒がどうなるか、教えてやろう』

渡邉『こいつのように…おとなしく従っていれば、怪我をせずにすんだものを…』

渡邉がそう言いながら…自分の後ろにいた生徒を前に出した。

一哉『!!!!』

太一『な、直人…』

直人『…』

赤坂『素直にこいつのように従っていれば…また怪我しなくてもすんだのにな』

一哉『直人…なんで…』

直人『…お前のせいで…俺の成績は落ちるんだ』

一哉『は…?』

直人『お前や真春、勇紀がいるせいで俺がどんなに頑張っても成績が上がらねぇんだよ!!!てめぇらのせいで俺は家では落ちこぼれ扱い…ふざけんじゃねぇよ!!』

一哉『それで…俺たちを裏切ったのか?』

太一『なるほどな。だから昨日、真夏の彼氏っていう理由で俺を呼び出し、俺も潰しておくつもりだったわけだ。一哉と渡邉を

サシでやらせるために…』

直人『あぁそうだよ!まあ…お前らが二人揃っても

渡邉先生や赤坂先生2人と鉢合わせれば問題ない…だから、

攻撃する振りをして先生たちに俺だけ降参したのさ。

そして一緒にいたやつらは俺の邪魔と先生たちによって全滅。

あとはお前らと勇紀のいるパソコン室、真春達と弓道2人だけだ!』

渡邉『まあまあ杉村落ち着けよ』

直人『先生…ナイフ貸してください』

赤坂『あ?』

直人『こいつらに敗北をさせるにはナイフ使うしかないんです。

リタイアなんて絶対しませんし、先生たちがやり過ぎれば

こちらの負けになりますし、教師生命も危なくなりますよ』

赤坂『ふん…偉そうに』

赤坂が直人にナイフを渡した。

太一『直人…落ち着けよ…』

直人『お前らはもうおわりだよ。後ろみてみろよ』

一哉『!!!!』

そこには…いつの間にか理数系8名の教師がいた。

赤坂『先生方…押さえていただけますか?』

野村『もちろんです、赤坂先生』

野村が俺の腕をつかもうとする

太一『一哉!』

野村『!!』

太一が野村を蹴り飛ばす。

直人『ふざけんな!!』

太一『っ!!』

しかし、その太一を直人が襲う。

一哉『…(くっそ…)』

太一『直人…てめぇ…ふざ…!!!』

太一が言い終わる直前に…赤坂がの拳が太一の横腹を捕らえた。

赤坂『11人相手に2人で勝てるわけなかろう。いい加減にしろ』

一哉『(このままだと…美玲がくる…やばい…)』

赤坂『さあ、降参して普通の生活に戻ろう。なぁ?西野!』

赤坂は俺めがけて襲い掛かってくる。

一哉『お前ら教師の偉そうな態度がきに食わねぇんだよ!!!

いつもいつも偉そうに命令ばっかしやがって!!

学校は教育の場所で支配の場所じゃねぇ!!!

そんなこともわかんねぇのか!このくそ教師!!』

赤坂『教育することは支配しなければできない!

てめぇらは常識もはっきりとしねぇくそがきだろうが!

黙って大人に従ってろ!!』

一哉『そんなに…子供を支配し、反乱されたくなかったら

もっと生徒の心を開かせてみろよ!!叱ることでしか教育ができねぇ3流教育が!!』

俺と赤坂は攻防を繰り返しながら叫び続ける。

赤坂『お前らくそがきが大人に逆らってんじゃねぇ!!』

一哉『そんなに先に生まれただけで偉くて支配してぇなら…

俺を殺してみろよ』

赤坂の動きが一瞬止まる

赤坂『あ?お前はバカか?どこの世界に生徒を殺す教師がいる?』

一哉『結局、最後は偽善者か?明里や太一をぶん殴っといて、

偉そうにするんじゃねぇよ。殺せよ。殺せねぇのか?

やっぱ3流教師だな』

赤坂『そんなに死にてぇなら…自殺でもしたらどうだ?あぁ?』

渡邉『ちょ!?赤坂先生!なんてことを…』

赤坂『所詮は口だけ。こんな偉そうなことで我々が動揺してどうします。』

一哉『いいですよ?』

俺は…奥の手にでたのだ。

持参していたリアルなナイフを取り出した。

赤坂『!!!!』

一哉『太一、なんか聞かれたら、教師が生徒に自殺しろと

自殺を強要しました、と答えてな』

太一『あぁ。わかった』

赤坂『てめぇら正気か?』

野村『あ、赤坂先生…まずいですよ…』

俺は、ナイフを自分の左胸の前まで持ってきた。

一哉『じゃあね?先生。最後に大騒ぎして失礼しまし…』

赤坂『ふざけんじゃねぇよ!』

赤坂は俺に殴りかかってきた。

一哉『(きた…!)太一!いけ!』

太一が俺の声に反応して赤坂の胸にナイフを突き刺す。

赤坂『!!!!』

渡邉『つ、突かれた…?』

一哉『赤坂先生、脱落です(笑)』

赤坂『お前…くそっ!!!!』

太一『一哉、お前…いきなりナイフ取り出すからビックリしたぞ』

一哉『まあ、昨日体育教師を倒したときのお前ならわかってくれるかなーって』

俺が言い終わると同時に…前から見覚えのあるハゲがやってきた。

一哉『校長…』

校長『ハゲっていう説明は失礼じゃないかね?西野』

一哉『で?勝ちましたけど』

校長『あぁ、約束は守るとも…赤坂先生お疲れ様です』

赤坂『すいません…校長…』

校長『しかし、いけませんねぇ…教師が自殺しろなどと言っては』

赤坂『え、いや…あの…それはゲームの話で…な?西野!』

一哉『あぁ…こころが痛い…明里や太一を殴った上に

くそがきとか自殺しろとか…教育委員会訴えますかね』

校長『そ、それは私の首も危ないから勘弁を』

赤坂『ちょ!?校長!?』


俺たちは…直人の裏切りでどたばたしたものの…

俺の危険な賭けで勝つことができた。


ちなみに、あのあと俺は真春にぶん殴られ、太一に絞められ…

いろんな生徒から罰をうけた…。

赤坂は問題発言を明里によって録音されていて

それを教育委員会に提出され…退職に追いやられた。


一哉『まあ、大人は支配しすぎないのがいちばんだな』

真春『だね。』

勇紀『…俺の出番少ない…』





『不満』完


※教師の皆さん、生徒の声に耳を傾け

叱ることで恐怖をあたえるのはやめましょう。

さもなければ…なんかあったときに、赤阪先生のようになってしまいますよ…(笑)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

不満 西野たくみ @Judo0057

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ