50-6 学園祭

慌ててドレスを着る3人、俺がモタモタ着ていると、既にドレスを着た妹が背中のチャックを上げてくれる、そしてセシリーはウィッグとメイク道具を持ってくるっておい


「ちょっと我慢して下さい」

 そう言って俺にウイッグを被せて、口紅を塗る……なんだこの作者は! また女装か!


 

「ふわあああああ、お、お兄ちゃん! 美人さん」


「とにかく急いで!」


 そう言ってものの数分でドレスアップをされさっきの食堂に戻り、席に着くと同時に反対側の入り口から、綺麗な女性が入ってくる。


「mama」


「Hey セシリー……あら? お友だち?」


「新しい学校のお友だちで、シオリとゆうって言うのママ」


「そう、新しい学校ですぐにお友だちが、良かったわねセシリー、シオリゃんとゆうちゃん、セシリーと仲良くしてあげてね、セシリーっとってもシャイだから」


「ママ、今日は会議じゃ?」


「ああ、そうなのよ、ちょっとこっちに大事な書類を置いてきちゃって」


「言ってくれれば届けたのに」


「セシリーの顔も見たかったのよ、じゃあお二人ごゆっくりね」

 

 そう言ってセシリーのお母さんは出ていく




「はあああああ、バレなかった……」

 セシリーの緊張した顔が緩んだ。


「ちょっとセシリー、俺にこんな格好をさせたのって」


「ごめんなさい、ママちょっと男の子に厳しい人なの」


「厳しい?」


「うん……私が男の子と付き合う何て事になると……」


「なると?」


「情報部を動かして調査しかねない」


「は?」

 情報部って何? どう言うこと?


「セシリー、お母さんて」


「うん、日本大使の、イライザ マクミランが私のママ」


「えーーーーーーー! お母さんが大使なんだ」


「そう……」


「えっとお父さんは?」


「うん……、まあ……それが原因でママは男の子と私が一緒に居るだけで……」


「そう……」


「ごめんなさいね、変な事に巻き込んで、ここに居るメイド達は私専属でついてくれてるの、私の味方だから、お母さんに知らせたりはしない、でも今外に居るお母さんの秘書とかはまずいのだからみんな大使館に戻るまでその格好でお願い、栞様、お兄様」


「ああ、まあそう言う理由なら、でもドレスって……」

 


「ああ、お兄ちゃん……可愛い」


「やめてくれえええ」


「うん、本当…………お兄様……可愛い」

 二人から熱い視線で見られる……やめてくれえええ


 その後は豪華な食事を取りつつ学園祭で何をやろうかと言う話しをした。

 セシリーはメイドカフェに興味があり一度店員をやりたいと言っていたが、まあ本物は色々問題があって出来ない……学園祭だったらと熱望していた。


「じゃあそろそろ」

 食事を終えてそろそろ帰ろうということ事になり着替えに行く

 妹と同じ部屋で着替えるのは出来ればちょっとと言うとセシリーは隣の客間に案内してくれた。


 妹は「えーーーー一緒でいいよおおおお」と言ったがやっぱりね。


 俺はそこで着替え始めると、セシリーが中に入ってくる……ちょっと


「セシリー、えっと……何?」


「あの……お兄様……お着替えを手伝いに……」


「いや大丈夫だから」


「でも……背中のチャックが届かないのでは?」


「ああ、まあ……」

 さっきも妹に手伝って貰ったが、俺は身体が硬い……確かに届かない……


「では」

 そう言ってセシリーが俺の後ろに立つ、そして……ええええええええ!


「お兄様……はああああ……素敵な背中……」

 セシリーが俺の背中に顔を近づけキスをって何してんのおおおおおお!


 鏡に写るセシリーの行動を見て俺は慌ててセシリーから離れる。



「ちょっとちょっと待て、セシリーって女の子が好きなんじゃないのか?」


「好きですよ、女の子大好き、お兄様も今は女の子ですよ」



「いやいやいやいや、俺は男だから、ほらウイッグ取ったら男でしょ」


「うふふふ、ショートもお似合いですよ、ゆうお兄様」


「いやいやいやいや、セシリーって、栞が目的なんじゃないのか?」


「そうですね、栞様は素敵ですね、でもお兄様も素敵、そしてお兄様はママに分からなかった、私の初めての男子のお友だちです」


「と、友達にこう言うことはしちゃ駄目なんじゃないかな~~?」


「私は今までお友達とは最後までお付き合いしておりましたよ、皆、喜んでお付き合いして下さいました」


「さ、最後って?」


「(自粛)とか、(自粛)とかですわお兄様」


「俺とはできねええええええ!」


「そうですわね、男の人とは(自粛)になってしまいますわね、では私の初めての男のお友達ですから、初めてのお相手と言うことで」


「いやいやいやいや、言うことでじゃねえ」

 駄目だセシリーは子供の頃から寮生活、しかもその美貌で相手を虜にしていたんだろう、完全に貞操観念が麻痺してる……ヤバい、色々ヤバい


「いや、あの駄目だって、駄目ええ来ないでえええええ」

 ああ、なんかこんな格好だと喋りが女子っぽく……


 俺がそう叫んだ途端、部屋の扉がバーーーンと開く

 ああ、私の王子様が助けに……いやいやいやいや、妹が憤怒の形相で入ってくる。


「セーーーシーーーーリーーーーーー」


「はうわあ、し、栞様どうやって鍵を!」


「この間美月ちゃんに教わったの! お兄ちゃんが机に鍵を付けたから」


「おい!」

 ああ、また例の本がバレた、鍵まで付けてたのに


「さあお兄ちゃん帰るよ!」


「いや、俺まだ着替えてない」


「もうそのままで良いよ、行きの時の運転手さんが帰り送ってくれるって言ってるから、じゃあセシリーまた学校で!」


「あ、はい……さようなら……」


 俺は妹に引っ張られながら、セシリーと一緒にいた部屋を後にする。


 いやしかし……この格好で帰るの、親にバレたら変態扱いに……ああ、そうか今日から居ないんだった。


 俺は親が今日から居ない事に初めてホッとしていた。


 それにしてもセシリー二刀流だったのか……まあ今流行りだからな……

 等と分けの分からない事を考えつつセシリーの家を後にした。

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