46-2 葵の行く末
荷物を探しているが今のところ何も見つからない……
「うーーーん、やっぱりないのかな~?」
「そもそも、にいにが存在しているか今のところ分からないからね」
美月が適当に段ボールを開封しながら答える。
「でも隠してるんだから、存在してるだろ?」
「うーーん、学校に通ってるし、こんな程度なら捜索願いで簡単に…………」
「ん? 美月?」
美月がまた集中し始める、何か思い付いたのか? 俺は暫く見守った……すると
「そうだ、美月バカだ~~、何で考えなかったんだろう……そうだよ何で捜索願を出さないんだろう? …………そうか……にいには、居るのか……」
「捜索願? 何か分かったのか?」
「ううん、でも……なんで?」
「美月?……」
「……葵ちゃんは日本に来なかったにいにを探しに行こうとしてた……何で来なかったか……子供だから? どこかに保護されている? どこへ? お母様の実家……、じゃあ、お母様を何故探しに来ない? 来ると何か問題が起きる?、そもそも海外の人って亡くなられても遺体を連れて帰るって事はあまりしない……いや出来なかったのかも、流されて……でも……いやそれとも……お父様とお母様、ファントム……駆け落ち?」
「おい、美月?」
また美月が……これってゾーンって言うんだっけ?……
美月が考え込んでいるのを暫く眺めていた、すると……
「お兄ちゃま……お姉ちゃまの力を借りれば、にいには見つかるかも、でもそれで何が起きるか分からない……、ひょっとしたら大変な事になるかも……」
「た、大変な事? それって……どんな?」
「うーーんとね、最高に大事になったとしたら……国際問題かな?」
「ええええええええええええ?」
「でも、大事にしないか……出来ないって事か……出来るならとっくにやってる……」
「おい、美月?」
「とりあえず、先生の家に戻ろう、皆が帰ってきて情報を貰えば…………葵ちゃん?」
「ん?」
美月が葵会長の方を見る、あれ? なんだそれ? 会長が何か触っている。
「化粧箱?」
「鍵ついてるぞ、ダイヤル式?」
「美月開けられるか?」
「うん、ちょっと待ってて、て言うかこれって……」
美月が(自粛)をしながらダイヤルを回す、一体どこからそんな知識を……
「開いた……」
そう言って美月が箱を開け中身を取り出す、ん? パスポート?
「パスポートだね、取ったばっかりみたい、写真も最近っぽいし」
「近々行くつもりだったのか?」
「副会長の言葉に疑問を感じたので、すぐにでもにいにを探しに行こうとしていたのかも?」
「居場所は知ってたのかな?」
「分からない……」
「他はないか?」
「中にはないけど……この箱自体がヒントなのかも……、とりあえずこれだけ持って帰ろう、そろそろお姉ちゃまが戻って来るかも」
「もうそんな時間か、そう言えば昼ご飯食べてなかった……」
「会……葵、何か食べたい物あるか~?」
「ピザ!」
またか……
####
テイクアウトのピザ、俺と美月はお弁当を買って先生の家に戻る
3人で食事をしていると、チャイムの音、インターフォンで確認すると妹が手を振っている。
扉を開けて、玄関に行き鍵を開け待っていると、妹が入ってきた……そして美智瑠と麻紗美もって、おい!
「おい、栞」
「えーーだって~なんで休んでるんだって聞かれて説明したら連れていけって」
「裕、水くさいぞ、何故僕にも協力を要請しない! そもそも副会長の事を最初に忠告したのは僕だろ!!」
「裕、昨日朝礼の前にぃいなくなってぇそのままぁ今日の朝もぉ来ないんだもん、心配するよぉ~~」
「いや、そうなんだけど……栞、誰にも言うなって」
「えーーだって~、二人とも言わないなら家に聞きにいくって言うんだもん、お母さんに学校休んでるのとかバレたらめんどくさいでしょ?」
「いやそうだけど……」
もう既に大事になりかけている気がするんだけど、先生帰ってきたら怒るぞ……
「にいに?」
「お兄ちゃま誰か来たの?」
俺の後ろからチーズを口に付けピザを持ちながらの会長と、美月が顔を出す。
「おお、美月君!! え、会長? 金髪?」
「へーー会長さん金髪なんだぁ」
二人が美月と会長を見る、知らない人にじっ見られた会長は俺にしがみつく、いや会長ピザが……
「えっと、裕まさか……」
「へーーー、今度はぁ金髪なんだぁ…………私にぃ、銀髪にぃ、妹にぃ、いとこにぃ小学生にぃ先生にぃ、ずいぶんハーレムが拡大したねぇゆう君……」
ニコニコ笑いながら指折り数える麻紗美……怖いよ……っていうかいとこと小学生は一緒だよ、それに何故先生も入れる? いやそれ以前にハーレムとか作ってないし……
「とりあえずここで話しててもしょうがないし、中に入っていいでしょお兄ちゃん」
「いや、まあ……」
それは俺が決めていいんだろうか? とはいえ追い返す訳にも行かず、ぞろぞろとリビングに入るハセガワハーレム御一行…………誰がハセガワハーレムだ!!
「とりあえず座ってくれ、俺の家じゃないけど」
「あ、私お買い物してきたのぉ冷蔵庫どこぉ? 栞ちゃん場所分かるぅ?」
「うん、こっちだよ」
「あ、お姉ちゃま、私も行く」
麻紗美と妹と美月がキッチンに行き、俺の横に会長が座る。
向かいに美智瑠が俺を睨みながら座る、怖いよ。
「うーーーー、会長まで……またライバルが……なんで君は可愛い子ばかりにそんなモテるんだ!」
「しらないよ、しかも可愛い子ばかりって……さりげなく自分も入れてるだろ!」
「ううううう」
まあ顔だけでいったら、美智瑠が一番可愛いとは思うけど……
「ええええええええ!!」
なんて考えてたら廊下から妹の声が、なんだ? 立ち上がろうと思ったら美月が入ってくる。
「どうした? なんかあったか?」
「うん? えっと……お兄ちゃま今日はどうしてたって聞かれたから、会長さんの下着ばっかり見てたって言ったら驚いてた」
「そりゃ驚くよ、俺も驚いたもん……、何を言ってるんだ! 美月」
「えーーーだって本当の事だもん」
「なんだ? 会長の下着って言うのは!」
美智瑠が血相を変えて聞いてくる、美智瑠って本当にこういう話しに弱いと言うか、なんと言うか……潔癖過ぎるんだ、美智瑠の彼氏になったら大変だろうな…………いやいや俺じゃないぞ……多分
「何でもない、俺は無実だ!! 美月~~誤解を招く言葉はやめてくれ~~」
「は~~~~い」
は~~~~いじゃないよ、可愛いけど……まあいい、とりあえず先生が帰ってきて皆で話し合いだな~~それより今夜どうすんだ? まさか全員で泊まるとかないよな……男子1人女子6人……益々ハーレムって言う誤解が……本当に誤解だから!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます