40-4 美智瑠との初デート
『どうすれば、ホテルって着付けとかやってるんじゃないか?今聞きに行ってくるよ』
『駄目だよ、高いんだぞ、着付けって、僕その為に今日おばさんの家まで始発で行って着付けて貰ったんだから』
『その時着てた服はどうした?』
『駅のコインロッカーに』
『マジか往復2時間近くかかる、ってその前にまず鍵を貰えない』
俺女子トイレに入れないぞ、美智瑠の所に行く前に捕まる……
『服を買ってきて貰えないか?』
『ああ、まあそれしかないだろうな、買って誰かに届けて貰うか』
それでもかなり怪しい奴だけど……
『頼んだぞ、ゆう!』
『わかったよ、じゃあユニ○ロ辺りで安い奴を』
『出来れば今後も着れる可愛い服を』
『美智瑠お前な~~~』
『頼むよゆううう、アルバイトしてないから財布が心許ないんだよ』
『わかったよ』
『ゆうのセンスに任せる!僕に似合う服を頼む( `・ω・´)ノ ヨロシクー』
…………余裕だなこいつ……
しょうがないと検索をかける……ああ、あるな……
銀座が近いのでH&○やZ○RA、ジー○ーなんかがある。
一番近いのはH&○かZ○RAかな?
汐留から銀座7丁目に小走りで向かう、するとラインの音が……
『忘れてた、ブラとパンツも頼む』
「!!!!な、なにいいいいい」
履いてないんですかあああ
『か、買えるかああああああ』
『頼むよ~~~(。´Д⊂)』
『や、やるだけやって見るけど、サイズは?俺ブラのサイズとか分かんないぞ』
『えっと、C75だ!!』
『美智瑠、俺がいくら知識がないと言っても、それは、さすがに分かるぞ』
『ううう、AAAの75で』
『着ける意味あんのか?』
『う、うるさいいいい、あるんだよ!一応意味はあるのおおお』
ああ、まあノーブラだとね~~夏だしね~~
いっそセロテープで……とか考えつつ検索をかけると下着もそこそこの服も売ってるのはやはりあそこだった。
急遽銀座5丁目まで向かう
「結構混んでる……買うの俺?……」
「仕方ない!」
ささっと買えばと思ったがサイズが……
『美智瑠ズボンとスカートとワンピースどれが良いんだサイズは?』
『えっと、出来ればスカートかパンツがいいかな~トップスは任せる』
『パンツってズボンの事だよな、サイズは?』
『ウエスト56でヒップが、92だ!』
『で、本当は?』
『78です、すみません』
『いちいちめんどくさいぞ』
『僕だって好きな男の子に正確なサイズを教えるのには抵抗が』
『そんなサバは今読まんでいい、とりあえず待ってろ』
『は~~~い』
もうよく分からないから、適当に美智瑠に合ってそうな白いシャツとグレーのスカートを買う
サイズはもうラインをそのまま見せて聞いた……
「問題は……」
パンツとブラ……
「パンツは最悪コンビニで買えるか……問題はブラ……」
「ああ、もういいやめんどくさい、こうなったら開き直ってやる!」
下着売り場に乗り込み、周りの視線を無視し店員にラインの画面を見せつつお願いする。
一瞬怪訝な顔をされるが、まあ事情を話して買わせて貰った……もう疲れた
ちなみにサイズ的にスポーツブラにしてくれたそうですって……知らんがな、色とかも見てません。
シャツとスカート、パンツにブラ、一通り買い、汐留に戻る、もうめんどくさいんでホテルの従業員に説明、荷物を届けて貰った。
軽く、トイレは着替える所じゃないんでと怒られ、まあ事情が事情だけに軽く言われただけですんだけど、長く閉じ籠っていると通報まであるとか……そう言うときは言ってくれと、本当にすいません……
「ごめん、ゆう……」
さすがに落ち込む美智瑠……まあしゃーないっていうか……
「ふふふ、あははははははははは」
「え?えええええええ?」
「いや、さすが美智瑠だな、面白かったぞ!」
「えええええ、僕は面白くないよ!!! ……でも……ごめん、ありがとう……」
「……さて、どうするヒルズに行くか?」
「ううん、もういいよ……着物じゃなくなったし……」
「そうか」
「今日はさ……ゆうに僕を女の子って認識しほしかったんだ、そして東京タワーを見たら僕を思い出すように、ゆうのスマホに僕の写真を一杯にしたかったんだ、そして少しでもゆうの心に……僕を刻みたかった……」
「……まあ、ある意味女の子って認識は出来たけどな」
服とかサイズとかな
「ひどい認識のされ方だよ……」
美智瑠が落ち込む、いつも元気一杯の美智瑠、出来れば落ち込む姿は見たくないな……
「じゃあ美智瑠、最後に東京タワーを見に行こう!」
「え?」
「このままで終わったら嫌だろう?」
「うん……でも何処へ?」
「まあいいから、じゃあ行こう」
俺は美智瑠の手を握り、駅に向かった
####
「赤羽橋?」
最初に着いた駅、そこで降りるとそのまま歩く
「え、ゆう、また同じ所?」
「いいからいいから」
そう言って美智瑠を引っ張って行く、そして東京タワーの真下まで来るとチケット売り場に向かう。
「ええええ、入るの?」
「そう、東京タワーの展望台に行くんだよ」
「でも言っただろ、僕は東京タワーを見るのが好きなんだ」
「うん、朝に聞いたぞ」
「じゃあ何で?」
「まあ、いいから」
大展望台のチケットを買い、エレベーターで展望台に
到着すると、展望台はそこそこ混んでいた、やはりカップル多く皆、等間隔で外を眺めている。
俺達は南側に行きカップルの間の空いている隙間から景色を眺める。
夕方からうっすら夕闇が迫ってくる時間、美智瑠と二人で外の景色を眺めていた。
「なあ、ゆう……凄くロマンチックかも知れないけど……どうせなら外からライトアップを見た方が僕は……」
「まあまあ、いいからいいから」
そう言ってそのまま日が暮れるのを待った。
日が暮れ、周辺の景色が一変する……色とりどりの明かりが見えてくる。
「ほら見えて来たぞ、東京タワーが」
俺がそう言うと美智瑠は、は? 見たいな顔になった。
「ほら、東京タワーに見えるだろう?」
俺が外を指差しその先を美智瑠が見る。
「あ!!」
桜田通りが東京タワーの手前で別れているのが下の土台付近の部分、赤羽橋交差点が展望台?、そしてそのまままっすぐ南に進む道路が遠近法で細くなって行く、車のヘッドライトと合わさって東京タワーに見える……
「本当だ!、東京タワーがある! 東京タワーから東京タワーが見える!!」
嬉しそうに外を眺める美智瑠……
俺は一歩下がり美智瑠に声を掛けた。
「美智瑠、撮るぞ!」
スマホを構えた俺の方を見た美智瑠が、満面の笑顔になる。
着物で澄まし顔も良いけど、美智瑠は笑顔が最高に良い!!
本日最後の一枚、美智瑠と東京タワーは、美智瑠の思惑通りしっかりと確かに俺の心に刻まれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます