26-3 最強の敵参戦!!
「しっさーーーん」
「きゃああああああああ」
第一回戦、五目並べ、本日はもう夕方に近い為、一番簡単なゲームで勝負!となり、あっさり妹が敗ける……やっぱり嵌められたな……
「ゆう兄ちゃま~~今日は美月とずっと一緒だよ~~~」
「うううう、おにいちゃあああああん」
うーーん、最強妹がこうもあっさり敗れるとは……
「さあ、栞姉ちゃま、明日の分もやりましょう~~」
俺達がいる1週間分のゲームを準備している辺り、用意周到なんだよな~、あの妹がそこに気付かないとは……いや、美月が凄いのか?
「いいわよ!今度は負けないよ!見ててねお兄ちゃん!!」
ああ、なんか負けフラグが立っている気がする。
「栞姉ちゃまが選んでいいよ~~」
美月が余裕綽々の態度で次のゲームを選べと言っている、しかしなんでテレビゲームとかじゃないんだ? 前にマリ○カートとかやったよな?
素朴な疑問を抱きつつ、妹が選んだのはチェス
日本じゃマイナーだけど世界では超メジャーな頭脳戦ボードゲーム、そうか美月、妹の頭の良さを知ってて、自分の方が上だと俺に見せ付けようとしているのか……末恐ろしいな
「先手は栞姉ちゃまにあげるわ」
そして、ゲームは始まり、やはり研究しているのか、美月はナイトを(将棋で言うと桂馬)巧みに使いルークとビショップ(将棋で飛車と角)に両取をかける、つ、強い本当に小4?
「負けないよ、お兄ちゃんは取らせない、私が守る!!」
妹も必死の抵抗、クイーンでがっちりキングを守る、て言うかいつチェスなんてやってたんだ妹よ……まあ友達メチャクチャ多いから、いそうだよねチェスやってる人……
将棋だと飛車角両取りなんて致命的だけど、チェスは取った駒は使えないのでまだまだ戦える。
しかし戦力差は大きい、美月は守りの要、クイーンを撃ち取る。
「チェックよ栞姉ちゃま!」
美月がクイーンを引き剥がし王手をかける
しかし、妹はキングを巧みに逃がし、ポーンをプロモーションさせ(将棋でいう成り、チェスはキング以外の好きな駒に成れる)クイーンを復活し、チェックをかける。
「お兄ちゃんは絶対に取らせない!」
俺をキングに見立て、自分がクイーンと思い込み妹が攻撃に拍車をかける。
「くっ!」
美月が初めて苦悶の表情を浮かべる。
そして…………
「ス、ステルメイトね……」
壮絶なる手の応酬により両者殆んどの駒を引き剥がされ、美月から引き分けの宣言が出る。
チェスは将棋と違い引き分けの多い競技、実力差がないトップレベルの競技者達は引き分けばかりになったりする。
「はああああああ」
結構不利な状況だった為に、妹から安堵のため息が出る。
てか、なにこれ? たしかこの話しってラブコメだよね?
「…………」
「…………」
両者盤面をにらみ無言になる……そこまで本気か……
「じゃあ、明日はみんなで遊ぼう」
この空気を打開すべく、俺が提案する。
「し、仕方無いわね、引き分けの提案をしてなかったし、栞姉ちゃまいいゲームだったわ」
「う、うん、みつきちゃんも凄かった、先手を貰ってなかったら負けてたよ」
二人は握手を交わすって、おいなんだよいったいこれ……
「はーーい、盛り上がってる所悪いんだけどー、もうすぐお夕飯の準備が終わるのよ、お寿司も来るから先にお風呂はいっちゃってねー」
叔母さんが居間にやって来てゲーム終了の宣言をする。
「栞姉ちゃま、続きは、明日だね」
「うん!次は勝つよ!」
二人は見つめあい闘志をあらわにしている、だからなんなんだよこれいったい……
そして、美月は俺の方を向き、とんでもないことを言い出す!!
「さあ、お兄ちゃま、一緒にお風呂に入りましょう」
「は?」
「え?」
俺と妹が同時に声を出す。
「いやいやいいやいや」
「み、みつきちゃん、それは……」
美月は、は? なに言ってるの見たいな顔をして妹に言った
「明日は引き分けだけど、今日のお兄ちゃまの権利は私にあるのよ?お姉ちゃま」
「う!」
妹はそうだった見たいな顔をしている、いや違うだろ。
「いや、あの美月、それはさすがに……」
まずいでしょ、今時、それはアウトじゃない?
「何言ってるのお兄ちゃま、今まで一緒に入ってたじゃない」
「いや、それはまだ小さい頃の話しで」
一昨年は小2だよ、小4は不味いだろ?、捕まちゃうよ、色んな意味で消されちゃうよ
「あのねお兄ちゃま、美月だって来年は高学年、さすがに来年以降は一緒になんて言わない、と思うわ、これが最後の機会になるかもしれないのよ」
「いや小2の時がすでに最後の機会だろ?」
美月は真剣な顔で俺を見ている、て言うかほんと、なんだよこれ……
「あのね、お兄ちゃま、公衆浴場衛生基準に関する条例ってのがあってね、長野県はおおむね10歳以上の男女の混浴をさせない事と定められているの」
なにやら難しい事をいい始める小学校4年生……なんだこの子、こうだったっけ?
「そして美月は今9歳、法律で混浴を認められているのよ!」
「ななな、何だって!!」
法律で認めらているだって!そしたら逮捕されないじゃないか!、いやいやいやいやそうじゃない……
美月はため息を付き、俺の肩を両手で触れ、俺を至近距離で見つめる。
「お兄ちゃま、つまり美月はまだ子供なの、この世の中に子供の裸に興奮する人なんて居るわけがないんだよ、まさか!…………お兄ちゃまってそんな変態さんなの?」
美月が悲しそうな顔で俺を見る。
「……そ、そんな事あるわけない!!俺はロリじゃない、よし!!それならば何も問題はない!!美月一緒にはいるぞ!!!」
「やったーーわーーーい、お兄ちゃまーアヒルさん泳がせて遊ぼうねーー」
美月に手を引っ張られ、浴室に向かう
部屋を出る間際、振り返り妹をチラッと見ると、い、言えない……妹のイメージが思いっきり下がるような顔をしていた。
え、大丈夫?、消されない俺、妹とか国とかに消されない?
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