3-2美少女襲来
夕方自宅のリビング
母親が帰ってくるまでの栞との唯一の二人きりの時間
いつもは、まったりお茶を飲みながらの雑談タイムなんだが…
「ふえええええええええええええんおにいちゃああああああああん」
「ああ、よしよし」
肩に寄りかかり泣いてくる妹の頭をなでつつ慰める
「しおりね、お兄ちゃんの視線をね後ろから感じてすっごく幸せな気持ちで学校にいってたのおおおお、もう学校行きたくないいいいいい」
ポンコツ、ヤンデレに続いて幼児化か……、いよいよヤバイかな? かわいいけど。
「大丈夫大丈夫、遠くても見ててあげるから」
「ほんと?」
泣き張らした顔で下から見上げてきて、もうウサギかってくらい可愛すぎる妹。
「栞の事、昔も今もいつも見てるよ」
頭を抱き寄せ肩口に引き寄せる
本当は抱き締めたかったけど自重自重。
「うん栞もいつも見てるよ、お兄ちゃんの事を……」
「あ、う、うん」
なんか今殺気を感じたんだが気のせい、だよな…
暫くして妹が落ち着くのを待って本題あ、いや雑談?に入る。
「あのさあ栞、昔さー近所に半年位かなー?外国人っぽい子居たの覚えてる」
「うーーーんどんな子?」
かなり近いが、妹は俺の隣に座り直し、紅茶を飲みつつ首をかしげこちらを見つめている。
「えーーっと銀髪で碧眼の色の白い」
「あーーーー、美智瑠ちゃんねー」
「俺はみつるって読んでたよ……、ってか栞、女の子って知ってたのか?」
「うん、ショートカットで半ズボンだし、サッカーとかしてたけど知ってたよ、お兄ちゃん知らなかったの?」
「いや自分の事を僕っていってたし」
「えーーでも顔見たらわかるよーーあんなに綺麗な……」
「あーーーーーーーーーー!」
「どうした?」
「新入生代表の挨拶した娘、美智瑠ちゃんだ!、お兄ちゃん知ってたの?」
「いや誰かさんのお陰で入学式の記憶は一切ない」
「お兄ちゃんがすぐに返事くれればお兄ちゃんの記憶も飛ばなかったし、私も泣かなかったんだけどねーーーー」
すぐに返されすっとぼけてみる
「そうですねーーー」
「そうですよーーー」
「ところで…入学式の記憶が一切ないお兄ちゃんが、どうして今日美智瑠ちゃんの話しをしてきたのか、じっくり聞かせてくれるよねーーーー」
と言って満面の笑みを見せ手を握ってくる。
爪が痛い痛い痛い、あと目が全然笑ってねえええええ。
俺は覚悟を決め今日の昼の話をした。
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「9年ぶりかな?ゆう久しぶり」
「お前女子だったのか」
「言ってなかったよな、そう僕はみた通り女さ証拠見る」
そういうと制服のボタンを外そうとする。
「いやいい、わかったから、こんな所で脱ごうとするな」
慌てて顔を背ける
「相変わらず優しいな君は、そしてかっこよくなったよ」
美智瑠は立ち上がり俺の前でくるりと回る
スカートの裾がめくれ太もも辺りまで見える。
「おっと」
その裾を抑え膝の辺りに手を置いた姿勢のまま
「僕もそこそこいい女になったろ?」
「ああ、見違えたよ」
そりゃ男と思ってたからな。
「ありがと」
その笑顔が9年前の少年の様な笑顔と重なる。
「こっちに戻ってくる事になったんで、髪を伸ばしてちょっと頑張って見たんだ」
「頑張ってみた?」
「9年前にすっかり男の子にされた友人に、今度はちゃんと女の子って認識される為にね」
ペロッっと、いじめっこの様に舌を出す美智瑠。
そのピンクの舌にぞくりとしてしまう。
「君に合いに戻ってきた」
左手を腰に右手の指をピストルの様にしてこちらに指差しポーズを決め、その手を開き
「なーーーんてね」
と、言いケラケラ笑う、何処まで本心で、何処まで冗談かわからない。
「何処かで会えるだろうと思っていたけど、まさか同じ高校だったなんてね、入学式の壇上から君を見つけた時はまさかと思ってびっくりしたよ」
「入学式の壇上?、あー、新入生代表の美少女ってお前か」
「あははは、誰が言ったか知らないけど美少女ね、ありがとうって言っておいてくれ」
「お前、首席で入ったってことか、てかそんだけの学力があったらもっと良いところ行けただろ?」
家が近いって理由で入った俺も人の事は言えないが
「君の家に近い高校なら、君に会える可能性が高いから選んだんだよ」
今度はなーーんてとは言わなかった。
「おっとそろそろ行かなくちゃ、じゃあまたな、ゆう」
「あ、ああ」
俺は振り返りもせずに歩いていく、美智瑠の姿を見つめていた。
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と妹に昼の説明をした所。
「お兄ちゃん」
「な、なに?」
「呪いの本ってどこ行けば売ってる?あと
「………」
今度は闇落ちですかそうですか………
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