3-1美少女襲来



 妹と別れた。


 ついに来てしまった、やはり無理があったんだろう


 ばれてしまったのかも知れない


 付き合ってわずか数日の出来事だった


 いつまでもこのままで居られる訳がない


 来るべき時が来たのであろう、きっかけは一人の生徒のこんな発言からだった。


 そう、残念東出のこの一言が俺と妹を引き裂いた!。






「せんせーーー席替えとかしねーの?」


「そう言えばそうね忘れてたわ、黒板見えにくい子居るわよね」





 前の席の妹の身体がピクッとなる。


 そう、出席番号順で並んでいた為に、栞は俺の前の席


 当然目の悪い人が後ろになったりもする。



「じゃあ目の悪い子は前に出てきてーそれ以外は好きな所に」



 と言った瞬間男女入り乱れた視線が栞の元に……



 それを察知したツインテールロリの白井先生

 アダ名はジャッジメント

 アダ名の理由は聞くなですの


「じゃあ決まらないわね、今くじ引き作るねーー」


 とサッと黒板にABCとたて列

 123と、横列を書き込み


 紙にA1A2と順番に記載しハサミでチョキチョキと切り、目の悪い子の番号を抜き袋の中に、ものすげえ手際……


 「はーい引いてねーーー」と、席を周りくじを引かせていく



「D-4か」


 後方窓際という校庭での体育の授業を見れたり、授業中に考え事したり後ろから変な団に誘われたりと、なかなかナイスなポジションだなと思って見上げると


 前にいた妹がめちゃくちゃ悲しい顔で俺の手元を見ていた。


 妹が持っている番号『A-2』


 前方廊下側……


 こっちを見てうるうるしてる。


 なんか付き合い出してから、妹がポンコツ化している気がするんだが?



 あーあ、帰ってからどう慰めよう……


 そんな事を考えていると後ろから、残念東出が声をかけてくる。




「よう、何番?俺D-5」


 …妹よ俺も慰めてくれえええええ



 ################################




 まあ席が前って言っても、あからさまにイチャイチャ出来るわけも無く


 クラスの人気者の栞と二人で一緒いられる事もままならんし……


 『「席が離れてもそんなに変わらないよ」』


 なんて帰ってからの慰めの言葉を考えているが、たぶん席が離れた事よりも問題はこっちじゃないかな?。


「ゆうぅ隣だねえぇ」


 隣の席になった麻紗美が満面な笑みで話しかけてくる。


 教室の前で盛り上がっている集団の隙間から、こちらに向かって刺すよう視線が飛んで来た……


 あいたたたたた。


 帰って刺されないかな?


 ポンコツに加えてヤンデレ化している?


 一抹の不安を感じつつ、昼休み……


 愛妻ならぬ愛母ちゃん弁当、ここで食べると隣の席の麻紗美と一緒に食べる事に……


 ほぼボッチの麻紗美をほっとくのは心苦しいが(麻紗美の名誉の為に言っておくが友達はいる、昔は居なかったみたいだけど……)


 血を見たくないので、(俺の血か麻紗美の血か分からんが)ナイスボートは避けるべく、弁当持ってそそくさと教室を出る。


 お、中庭にベンチが……


 1階に降り校舎をぐるりと回り中庭に


 そこに居たのは銀髪碧眼の美少女


 取られた畜生と軽く会釈をして通り過ぎようとした所……



「どうぞ」と言い自分の隣をポンポンと叩く


 半強制で座れと言われている気がするが、断る理由もなく


「あ、じゃあすいません失礼します」


 と隣に座り弁当広げる



 銀髪美少女はこっちを気にするでも無く、黙々と弁当をついばんでいる。


 うーーむ気まずい……これなら麻紗美と食べてナイスボートされたほうがましか?


 などと不謹慎な事を考えていると


「クックック」


 と美少女が笑い始め


「ひさしぶりだなゆう、僕のことはすっかり忘れてしまっているようだね?」


 へ、僕っ子?


 横を向くと、笑顔の銀髪美少女が前髪を上げこちらを見ている。


「???あーーーーーー!!お前……おんな、だったのかあああああああ」


 数少ない友人(ほっとけっていってるだろ)が数年ぶりに女子になって帰ってきた。



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