第6話懐かしい顔

「ねっ、あそこにいるのって···」

「あっ?」


 週末のいつもの買い出しで、フードコートで飯を早紀と食べてる時に、早紀がバーガーショップで並んでいる、


「もしかして、長谷川さん?」


 いま住んでるアパートや前の家の売却を熱心にしてくれた長谷川さんがいた。


「長谷川さーん!」

「···っておいっ!」


 淳一が、止めるのも聞かず早紀は、長谷川潤に声を掛け、


「あっ!!」


 ツカツカと近づいてきた。


「お久しぶりです!お父さん!早紀さん!」

「······。」


❨お父さん?!なぜ?❩


「こんにちは。あれ、呼んでますよ?」


 注文していたバーガーセットの番号を店員が呼んでいて、慌てて取りに行く長谷川。


「相変わらず、おっちょこちょいだな」

「仕事なのかね?スーツ着てる」


 数分して、席に着いた長谷川だが、何故か淳一達と同じテーブル。


「いやぁ、偶然ですねぇ!!」


 そう言いながら、バーガーにかぶりつく。


「元気そう···」

「早紀さんも、元気そうで良かったです。はい···」


 いつもニコニコしていた人だったが、早紀を目の前にすると子供みたいな笑顔になる。


 チラッと早紀を見るが、食べるのに夢中だ。


「あっ、じゃっ!!仕事行かないと···」


 見ると俺らより遅くきた長谷川は、もう食べ終わっていて、鞄をゴソゴソしていた。


「お、お嬢さんっ!!」

「はっ?」

「お嬢さん?誰?」


 早紀は、自分を指差し淳一を見る。


「か?」

「はいっ!良ければ、連絡先を···そのおしっ···教えてくださ···い」


 真っ赤な顔をし、開いた手帳とボールペンを早紀に差し出し、早紀は迷って淳一を見る。


「書いてやれば?」

「······。」


 早紀は、たぶん和倉の事との事を考えたのだろう。迷って迷って手帳を受け取り、自分の連絡先を書いて返した。


「ありがとうございましたっ!」

「······。」


 深々と頭を下げ、立ち去った。


「なんか、面白い人だね」

「嵐のような男だ。じゃ、飯も食ったし次の買い物するか」


 早紀と一緒に、今度はファッションフロアへとカートを押していく。


「いつも、あんな風にぶつかったり、コケたりするのかなー?」

「さぁ?」


 俺が思い出しても、不動産屋に行ってた時も外で会った時もそんな素振りはなかったが···


「じゃ、お義父さんは、ここで待ってて」

「なんで?あっ、そう、する」


 早紀が立ち止まったのが、下着売り場。


「買って···くるから···」

「うん」


 最近の早紀は、SEXをしていても余り嫌がる素振りはなく、淳一が言うままに行動してくれる。


 待つこと30分!やはり、女性の買い物は長い。


「夜、つけるから···」


 早紀が、淳一の腕に絡みながら小さく言った。


「次は?」

「いいよ、もう。結構買ったし」


 義理とは言え親子ではあるが、そうでないのは···



「あなた···」

「可愛いよ、早紀」


 真新しい下着に身を包んだ早紀を抱き、キスをしていく。


 んっ···


「待ちきれない···」

「もう···」


 トランクス越しでも淳一のが、硬く盛り上がってるのが、早紀にもわかるのか、手で優しく触り始めた。


「ホントだ···」

「早紀···」


 淳一が、ただそう言っただけで、早紀はその姿のまましゃがみ、淳一のを口に含んでいく。


「アァッ···気持ちいい」


 淳一は、目を閉じ腰を動かし始めた。


 ジュパッ···ジュパッ···


 ゆっくりとした卑猥な音を立てながら、早紀は時々舌で鬼頭を擽るように動かし、淳一を恍惚とさせる。


「竿も···」


 早紀は、口を離し唇や舌を使って硬いモノをより硬く熱くさせていった。


「早紀、出そうだよ。どっちだ?口?顔?」

「ふふっ···じゃ、口で。次は、中よ?」


 早紀は再び口に含んでから、テンポよくしゃぶり続け、


「早紀っ!!アァッ···アァッ···早紀···」


 早紀は、口の中に放たれた淳一の熱く白く濁った液を、喉を鳴らしながら飲んでいく。


「早紀···愛してる」


 早紀を立たせ、下着を剥ぎ取り、ベッドへと押し倒すも、


「もっと見て···私のこと···あなた」


 早紀は、淳一の顔を見つめ、ゆっくりと言う。


「愛してる···」


 キスを落としながら、乳房や乳首を執拗に舐め、下に下がる淳一···


「あなた···あぁっ···」


 折り曲げた足の中の淳一の頭に手を乗せ、声をあげる早紀···


 親子というよりも、もはや夫婦でしかない。


 中からあ触れる愛液をジュルジュルと飲み、指で中の壁を擦る。


「指しか挿れてないのに、なかなか···」


 グチュグチュと掻き回され、早紀の入り口は指すらも捉えた獲物のように離そうとしない締付けがある。


「早紀···、挿れろ」


 早紀は、手を伸ばし淳一のを自分の入り口に導く。


 ズッ···


「きて···」


 甘くうっとりとした声に導かれるように、淳一は一気に貫き、腰を動かしていく。


 ああぁ···んんっ···


「どうだ?早紀···」

「気持ちいいの···凄く」


 ニヤッと笑い、早紀の片足を肩に乗せる。


「これだと、あたりがいいな」


 嬉しそうに言う淳一···


「あなた···んっ」


 うっとりとした顔で、淳一の背中に手を回す早紀···


 ベッドの軋み、肌のぶつかり、擦れる音が、ふたりの空間を包んでいく。


 んっ···あっ···はぁっ···


「早紀···気持ちいいか?」


 グイグイ突きながらも、耳で囁く。


「気持ちいい···んっ···もっと」

「出そう···早紀。先にイクからな」


 早紀の身体を抱き締め、腰をバンバン打ち付ける淳一は、暫くして止まった。


「凄い···動いてる」

「あぁ。お前のが俺のを飲み込んでいくのが、凄いわかるよ」


 ンッ···ンゥッ···


 繋がったまま深くキスをするふたり···


「愛してるよ···」

「私も···」


 ふたりの呼吸が落ち着いた頃、ふいに早紀の携帯が暴れだした。


「誰?」

「んー、たぶん長谷川さん、かな?内容的に」


 嬉しそうに笑いながら早紀は、メールアドレスを見せてくる。


❲先程は、楽しい時間、ありがとうございました!!❳


「飯食っただけで?」

「いんじゃない?お義父さんも楽しかったでしょ?よく言ってたし」


 早紀は、携帯を見ながら何かを考えていたが、直ぐに返信をして、電源を切った。


「抱きしめて···」


 裸のまま甘えてくる早紀を抱き締めつつも、気にはなる。


「私は、お義父さんがいればいいから」


 早紀はそう言い、静かに目を閉じた。



 翌朝になると、淳一は早紀の笑い声で目を覚ました。


「あっ、起きたからまたね。じゃ!」


 淳一の顔を見て、慌てて携帯を閉じたがおそらく長谷川だろう。でも、早紀はそれを隠すことはせず、


「長谷川さんね···」


 自分の方から話しだした。


「······でね!」

「わかったから。朝ご飯くれ。腹減った···」


 慌ててキッチンへ走り、作ったおかずを温めだしては、ニヤニヤ笑ってる。


「でも、友達だから···。そう考えた方が疲れないし」


❨そうかも知れんが、果たしてあいつは···❩


「私が好きなのは、あなただけ···」


 早紀がそう言い抱きついてくる。


「お前の事を離したくない。出来ればずっと側にいて、子供を産んで欲しいとは思ってる。」

「あなた···」


 そうは言ったが···


 グゥーーーッ···


 淳一の腹の虫が鳴り、笑いに包まれる。


「食べよっか!」

「だな。食べたら、出掛けるか。朝からお前食いたくなった」

「えっち!」


 笑いながらも怒った素振りを見せる早紀だったが、ベッドの上では淳一を恍惚される女になる。



 それから数日たち···


「出掛ける?」

「うん。ご飯食べてくるだけだから···」


 相手はもちろん···


「こんにちは!」


 長谷川潤である。


 早紀から殆ど聞いてはいたが、長谷川潤はマメだ。営業しているだけあって、話も上手いし、すんなりと和の中に入ってくる。


「じゃ、お嬢さんお借りします」

「······。」

「大丈夫です!ちゃんと夕方までには戻りますから!」


❨門限なんてあったか?❩


 そういい笑いを堪える早紀を連れて、歩いて駅まで行った。


「歩きか?!ま、いい。寝よ」


 と思ったが、なかなか眠れずひとりベッドの中で果てた。


 そして、何回目かのデート?の時···


「お嬢さんを僕にください!」


 と挨拶にきた。


「僕、まだ平社員ですけど、純粋に早紀さんが好きです。幸せにします!お嬢さんを僕にください!なんなら、お父さんついててもいいですっ!!」


 土下座をし、頭をこすりつける長谷川。


「いや、最後は遠慮するが···」


 早紀を見ると唖然としていた。早紀自身もこうなるとは、思っていなかったらしい。


「お願いしますっ!絶対に幸せにしますっ!お願いしますっ!」

「直ぐにか?見たとこ、早紀も初めて知ったらしいが」


 チラッと早紀を見ると、激しく縦に首を降っている。


「駄目ですか?!」

「いや、そこまでは···」


 ガバッ!!


 突然、長谷川が淳一に詰め寄り、


「じゃ、じゃ、いいんですね!僕と早紀さんが結婚してもいんですねっ!!」


 ゴクッ···


「う···ん」

「えっ?」


 いきなり迫られ、思わず許可した淳一に、


「まだ、付き合ってもいないのに。普通、オッケーする!?ねぇっ!!」


 半ばキレ気味の早紀から逃げるも追いつかれ···


「どうしてくれんのっ!!」

「えっ?いや···ちょっ···やめっ···どわっ!!!」


 かくして1時間後···


 ベッドの上で早紀と闘った淳一は、軽く汗ばみながら息を荒げてる早紀に、


「じゃ、長谷川にはバレないようにするから···」

「うん。だからさ···」

「少し休ませろ。疲れた···」


 早紀に襲われ、途中交代?したものの1日数回に及ぶSEXは、淳一を余計に疲れさせた。


 そうして、半年がたった頃、早紀と長谷川潤が結婚した。


「えっ?!じゃ、なに、お前結婚するまでヤらなかったの?」

「うん。大切にしたいからって···」


❨いまどき、こんな糞真面目な男がいたとは···❩


「でね、潤くんが言うには···」

「···。」


❨潤くん、早紀ちゃん。熱いわ❩


「家を買って、同居しよう!って···」

「いやだ!絶対にいやだ!!」


 そう言い続けたのに···

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る