12話 体がだるい?少し早い五月病かも?
「んー……頭が重い……ていうか体がだるい……」
はろー。いつも元気な琴音ちゃんだよ……。なーんか今日は体が怠いけど頑張っていくよぉー。
私のTS時間遡行生活も今日で5日目。ここまでは特に問題……ばかりだったけど、それでも何とかやってきました。テストまでは後二日しか時間はないけど、毎日コツコツとやってましたらそれなりに苦手なところやケアレスミスしちゃうようなところは潰せた感じがします。相変わらず放課後はみーちゃんとの勉強会をしているので、教える側の私もより理解が深まり、テストではそれなりにいい結果を残せそうな次第です。
さて、今日は金曜日ということで学生や社会人の皆様にとっては最高の日ですよ。花金ってやつですよね。一般企業であれば明日が土曜ということで居酒屋へGOして日頃の鬱憤を晴らしたり、存分に飲んでべろんべろんになったりする日だ。学生だったら普段よりも少し夜更かししてゲームしたり本を読んだりと趣味に没頭することだろう。私も前世の学生時代ではよく夜更かしをして土曜日にはおそようございますってしたものだ。
今は乙女の体なのでそんな不規則な生活をしてしまうとお肌に影響が出てしまうのでそんなことはしない。頑張って起きたとしても午前1時くらいまでかな。本当だったら9~10時には寝ないと成長ホルモンが出ないので早く寝ないといけないから、極力遅寝というのは避けたいところ。
だって、私ったら今の体でもちみっこいし、女の象徴たる胸部も小さめだし。どうせだったらもっといいスタイルになりたいじゃん?良いお姉ちゃんたるものプロポーションも完璧でなければいけない。そう思ったが早いか3日目から腕立て伏せとか背筋を鍛えたりし出しましたよ。塵も積もれば山となる。きっと無駄な努力ではない、はず。こればっかりは気長に続けていくしないよね。
というわけで割と充実した日々を過ごしていたのだけれど……今日は何故か凄く怠い。いきなり頑張りだしたから体が疲れちゃったのかな。それとも私のさぼりたい症候群が発症しちゃった?それはいけませんよ~、いけません。
「んーっ……ふぅ」
私の中に潜むさぼり魔からの誘惑から逃れるべく背伸びをし気分を入れ替える。よし!元気元気!いつものスーパー琴音ちゃんだ!……少しまだ怠いけど。風邪引いちゃったのかなぁ。熱もないし鼻水出たりもしないし喉も痛くないんだけど。少し早い5月病?
「取りあえず着替えて準備しなきゃ……」
おもーい体を引きずるようにしながらベッドから降り、制服に着替える。こういう時リボンが結ぶタイプじゃなくて本当に助かる。
時刻は6時半。
ここから髪を整えて、お弁当を作って……考えただけで億劫で……はぁ。って、はぁ!!?ダメダメ!!こんなの琴音ちゃんじゃない!!!私じゃないよ!!!!何ナチュラルにネガってんの?朝からこんなんじゃダメでしょ!!金曜だからこそやる気マックスで頑張らなきゃ!!
「顔を、洗おう!」
こういう時は顔を洗うに限る。冷水でパシャパシャすればそれだけで目が覚めるってもんよ。ついでに毛穴も閉まってお肌にいい。一石二鳥だよね。
私は洗面所へ行き、蛇口を捻って水を出す。それを両手ですくい顔にパシャ。ク~!冷水が肌に染みるぜ!でもおかげでお目目パッチリ意識もスッキリ私元気!
うんうん。私はやっぱりこうじゃなきゃねー。いいお姉ちゃんたるもの朝からビシィッとしなきゃね。ダラダラとしてる姿をブラザーズなんかには見せられないもの。折角前の夕食から少しずつ、すこーしずつ信頼とお姉ちゃんの威厳を取り戻してるんだから。
タオルで顔についた水滴を綺麗に吹きとり、化粧水をペタペタ顔に塗る。水気がなくなるまでペタペタと肌を叩くように塗り込み、肌が手に吸い付くようになったら終了。ふと私は鏡が気になって見てみる。
「……あれ?」
するとどうだろう。そこには確かに私がいるのだけれど……いつもの感じではない。なんというか覇気がないというか活力を感じられない。寧ろちょっと暗い感じというか、喪女っぽい。これで前髪だらーん後ろは三つ編みおさげで、丸眼鏡なんか付けた日には完全にそれだよね。
うーん。これは遺憾ですな。私は笑顔を浮かべてみる。いつもの笑顔ならキラキラと粒子が飛んでいそうな、そんな活力のある笑顔なのだけれど……。
「な、なんか引き攣ってるというか……目が笑ってないよ」
こんな……こんなの私じゃないょ?確かに体がちょっと、ほんのちょっと怠いっていうのはあるけど、私は元気を体現したような娘だよ?つまり気合一つでこんなのには負けないはずなのに。も、もう一回!
ニコッ。
うんうん。ほらね。気合だよ。今度は
いつもの私に戻ったので、ここ最近の朝同様髪を梳かし前髪をヘアピンで横分けにする。そして簡単にお弁当をちゃちゃっと作っちゃう。卵焼きとウィンナーを一本。ミニトマトに茹でたブロッコリー。それから冷食を適当に詰めお弁当は完成。冷食が入ってるなんて夢がない?自分のだからいいんだよーだ。勿論ブラザーズのお弁当なら毎回本気で作りますけどね。自分のは見た目がそれなりにキレイであればそれでいいよ。
さて時間は、と。
ん、07:00か。そろそろブラザーズを起こさなきゃ。
私はブラザーズに「朝だよー」と声をかける。するとけーちゃんはむくりと起き上がり洗面所へ。よーちゃんはまだ起きない。よーちゃんって朝弱いんだよねー。だからこういう時はぁ……。
私はベッドに乗り込みよーちゃんの顔の真上から覗き込む。そして徐々に顔を近づけ……。
「よーちゃん、朝だよ。早く起きないとぉ……チューしちゃうぞ♪」
耳元でそう呟いてあげる。するとどうだろう。よーちゃんはガバッと勢いよく起き上がる。
「あれ?もう朝?」
「そうだよ♪だから早く準備しなさいな」
「ふぁ~……眠ぃ」
よーちゃんは未だに眠たそうに眼をこすりながらベッドを降りていき洗面所へ向かっていく。
ふふん♪どうよ。これが弟の正しい起こしかたよ!これをやるようになってからよーちゃんがすぐ起きてくれるようになったのよね。けーちゃんなんかこれやった次の日から一回目の起きてーで起きるようになったので効果覿面!世のお姉ちゃん方におすすめです!……なんか拒絶反応で起きてるようで複雑だけど。
さて、二人とも起きたし今度は朝ごはん用意してあげなきゃね。と言ってもさっきお弁当で作ったおかずのあまりをそのまま出すだけなんだけどねー。勿論先にこうなると予想して卵焼きは多めに作ってあるんだよ。あとはふりかけとかお味噌汁を用意するよ。お味噌汁は昨日のあまりなんだけどね。
三人揃って朝ごはんを食べる。私はあまり食欲がわかなくて茶碗半分くらいしかいれなかったのだけれどそれですら多く感じた。これがカロリーを気にする女子中学生というやつなのだろうか。私全然気にしてないんだけどなー。なんででしょ?
胃が受け付けないんだけど……ええい!ここは口の中のご飯はお味噌汁で無理やり流し込んでしまえ!……ゴクッ!うへぇ、辛いよ~。
歯を磨いて鞄を持ち、最後にまた鏡で全体をチェック。うん、どこも変なとこはないかな。あ、ちゃんとスカートの中には短パンも履いてるからね。自転車も安心だよ!
「よし……じゃあ行ってきまーす!」
私は一足先に家を出る。本当はブラザーズと一緒に出たいんだけどねー。あの子たち朝はギリギリに行く派だから私と時間がかぶらないんだよねぇ。弟たちに合わせてもいいけどすると私はぜーはー言いながら登校する羽目になるからちょっとね……。それにまだ壁があるから四六時中一緒にいるっていうのも嫌だろうしね。……うう、悲しいよぉ。
私は少しブルーになりながらも自転車にまたがろうと足を上げる。
「おっととと……あぶないあぶない」
私は足が上がりきらず自転車の骨に足をぶつけ転びかける。うーんなんかちょっとボーッとしてるのかな。あぶないあぶない。気を付けないとね。
今度こそ自転車に乗れた私はいつも通りに自転車をこいで学校へ向かう。今日はやたら学校まで距離があるように感じるな~。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます