第34話 狼煙
「ね、ねぇ、部長、こ、これって何?」
いつもの部室で珍しく杏がネットで見つけた情報を丸尾に問いかける。久しく更新の途切れていた宮野のSNSだ、悪趣味にも丸尾はブラウザのスタートページに死者が付けていたSNSやブログを登録していたので、立ち上げた杏が目撃してしまったのだ。
SNSは、宮野が永遠に続く苦しみをつづっていたのだが、しばらく前に途切れ、それから更新はされていなかった。丸尾が、霊界との交信が途絶えただの、転生の段階に入っただの、一人で気味悪く小声でうようよ言っているのをまったくもって無視していた杏だったが、福士蒼汰の画像を見るために開けたブラウザで、数週間ぶりに出くわしてしまった。
珍しく杏に呼ばれた丸尾は、彼女を檻に入った小動物でも見やるように無関心にやって来て、それとは正反対の熱心さでパソコンの画面へ目を向けた。
丸尾の頬が、未だ思いを続ける過ぎし日の恋人でも見つけたかのように情熱的に紅潮する。
「おおおぉ、これは~!!!」
「そ、そうなると思った。な、何何々なの?これは!?」
普段ならその気味悪い雄たけびを聞いた瞬間に拳を後頭部に入れる杏だったが、心細いのか、こういう時だけは頼りになる丸尾に尋ねる。
「来てます、来てますよ~、これは~!!!ずばり、小夜の呪いでしょう~~~~!!!!!」
(部長、興奮するとホントにちびまる子ちゃんの丸尾みたいだな。。。)
そこには、断固とした口調で、こう書かれていた。
[見つけた奴は皆殺しにすることにした。何度でも何度でも。誰であっても絶対にだ。]
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