小説を書く、ということ

楪葉奏

何故小説を書き始めたか

 初めての方は初めまして。面識のある方は「またこいつか」と思ってください。そうです、何を隠そう私は楪葉奏ゆずりはかなでです。いつも妙な長編小説やらハウツーやらをネットの海に垂れ流している変な奴です。将来死んだときに散骨葬として、自分の遺骨を砕いて貰って可愛い子が沢山いる女子高の庭に撒いて欲しいと考えている類の人間だと思っていただければOKです。


 さて、今回はそんな私がどうして小説を書くのか、どうやっていつも作業しているのか、何で今もこれからも書き続けるのかについて色々書いて行こうと思います。



 時は遡る事六年前。昔から読書が好きだった私は、中学生の時にライトノベルなる面妖な書籍ジャンルに出会いました。それまで読んでいたどんな物語よりも文が砕けていて、とにかく読みやすい。ヒロインが魅力的で可愛い。同時にハマッた深夜アニメと共に狂った様にこのコンテンツに浸っていました。俺ガイルとかRDGとか死ぬレベルで読んでいましたよ、ええ。当時一番好きなのは神様のメモ帳でした。


 そしてそれから一年が経ったある日、楪葉の頭にある思考が閃きます。


「もしかして俺でも書けるんじゃない?」と。


 ……今でも過去の自分にジャーマンスープレックスをお見舞いしてやりたい思いで一杯なんですが、その時中二病真っ盛りだった私はそれを天啓だと思いました。いわゆる、アホ丸出しというやつです。


 今でこそ人をバタバタ死なせる様な作品ばかり書いていますが、最初に書いたのは実は学園ものでした。まんまラノベの影響ですね。思い出すと死にたくなります。


 最初は手書きだったんですが、次第にデジタルで書くようになりました。いくら頭おかしい時期でも羞恥心くらいはある訳ですからね。ブツが残っていると誰かに発見されるリスクが飛躍的に上昇してしまいます。「どうせバレて恥ずか死するくらいならいっそ何もかもバレろ」と一太郎のファイルの暗号を当時好きだった子の苗字のローマ字打ちにしたのはいい思い出です。殴るぞ昔の私。


 さて、そんなこんなでデジタル化に踏み切りましたが、これは中々恐ろしいもので、過去に書いた作品の数々をいつでもどこでも確認できてしまうのです。


 その昔夜も寝ないで「これは名作だ!」と思って書いていた作品を、一年後冷静に読み返してみるとあまりの稚拙さで死にたくなるのは多分誰しも経験があると思います。あると言ってください溶けて死んでしまいます。誰か私を殺せ。


 それから何作か学園ものを書いた後で、私はあるゲームにハマります。ひぐらしのなく頃にとコープスパーティーです。所謂ホラゲーですね。


 この辺から人の生き死にやら残酷描写やらに関心を持つようになりました。中学生って本当に多感だなと思いますよ、はい。当時は詩も好きでした。


 それまでは自分の妄想だけで書いていたのですが、この辺りから書き方やら演出の方法やらを他作品から学ぶことを覚えました。


 そしてある日、中学三年生になっても未だ中二病の抜けない私を、根治不可能なレベルの重症へと高校二年の前半まで叩き落とした作品と私は出会います。


 ボンズ制作のアニメ『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』です。


 これは今見ても本当に大好きなアニメなんですが、当時そのスタイリッシュなアクションやプロ意識の高いクールな主人公を目の当たりにした私はほぼ発狂しました。


 毎日ディスクが擦り切れるくらい見て初めての受験へのプレッシャーを相殺していました。あれが心の支えだったので、宗教に溺れて教団に貢ぎまくる人の気持ちもまあ分からんでもないです。というか宗教でした。岡村天斎は天才どころか神ですね。


 さて、大いに話が逸れましたが、これをきっかけに私はアクション小説を書くことにドップリ浸かって今に至ります。昔その影響をモロに受けた作品を小説家になろうの方に上げていましたが、二年前に読み返して発狂して消してしまいました。


 こいついっつも発狂してんなと思われてそうですがその通りです。私は基本キチガイです。一体いつから私が健常な精神の持ち主だと錯覚していた。


 そして高校に入って、三浦健太郎の『ベルセルク』に多大な影響を受けて今に至ります。何と分かり易い中二病患者でしょうか。驚くべきことに誇張も虚偽も一切無いのですよこれ。極めつけに友達のやってたダークソウルにも影響受けてました。早くアーマードコアの新作出してくれフロムソフトウェア。


 まあこんな感じで紆余曲折あって、僕は小説らしいものを書く様になった訳です。我ながら恥ずかしいを通り越していっそ清々しいものを感じる程ですが、それでも小説を書いている間、一度も「つまらない」と感じたことは誓ってありません。つまらなかったらとうにやめているでしょうしね。


 他の作品の影響を受けたことがモチベーションになったのは疑いようのない事実ですが、そのモチベーションを行動に繋げ続けられたのはやはり「小説を書く」という行為、ひいては表現することが好きだったからだと思います。


 結局のところ、やりたいことをやるのが一番楽しいのです。小説書くのがつまんなかったらいつでも辞めていいと思います。「完成させなきゃ」「PV稼がなきゃ」という義務感だけで行う執筆はきっとつまらないでしょうから。


 なのでこれを見ている人達も、どうか「自分の好きなこと」が何なのか、常に見つめ続けてください。本当に好きでやりたいことならば、きっとずっと続きますから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る